「推し」と走る特別な時間。14万キロ以上を共にするカローラスポーツと描く、濃密カーライフ
トヨタ カローラスポーツ(2018年式/NRE214H)と、オーナー「はまけん 」さん(25歳)は約6年の付き合い。お祖母様から譲り受けた愛車は「相棒」と呼べる大切な存在になっているそうです。
「気づけば、遠出をしたくなっている」というはまけんさん。14万キロ以上をともにしてきた日々には、どんな思いが詰まっているのでしょうか。今回は最愛の“カロスポ”とのカーライフを紹介します。
――もともと、クルマはお好きだったんですか?
はい、小さい頃からトミカが大好きです。インプレッサ、S2000、スープラなど、国産スポーツカーのミニカーが好きで集めていました。ゲームセンターにあるアーケードゲームにもハマっていて「湾岸ミッドナイト」でよく遊んでいました。
――カローラスポーツの前に、乗っていたクルマはありますか?
最初の愛車は、スズキのワゴンR(MH23S型)でした。まだ免許を取って間もない頃で、親が乗り換えの時に譲ってもらったクルマです。
――当時は、どんなカーライフを?
夜のドライブが多かったですね。特に目的地も決めずに走ったり、流すだけでも楽しかったです。ワゴンRで、移動すること自体の楽しさを知った気がします。カロスポに乗るようになってからは「運転すること自体が楽しい」と感じるようになりました。
――カローラスポーツは、お祖母様のクルマだったんですよね?
そうですね。それまでは2000年式のセダンに乗っていて、乗り換えたのがまさかのカロスポだったんです。正直「おばあちゃんにしては、いかついクルマ選んだな……」と思いました(笑)。
――譲ってもらえると聞いた当時の気持ちは?
祖母が免許返納を考えているという話は、なんとなく前から聞いていたんです。このクルマを譲ってもらえると聞いたときは、戸惑いがありましたね。ワゴンRに比べて車体が大きいので。でも同時に、新しいクルマへの期待が入り混じったちょっと複雑な気持ちでした。
――なるほど!実際に乗ってみて「いいな」と感じた部分はどこですか?
低重心だからブレも少ないし、カーブでも安定していて安心感があるところです。ステアリングを切ったときの挙動が自然で、自分の感覚についてきてくれる感じがします。実はこのカローラスポーツは4WD仕様なんですが、それも気に入っていて、特にコーナーインで後輪が駆動している感覚が好きです。
地元が雪国なので雪道を走ることが多いんですが、カロスポは横滑りもしにくく、滑っても立て直しが早いですね。タイヤの選び方も大事ですが、4WDの恩恵は大きいです。
――最初に思ったのですが、カローラスポーツのターボ+4WDモデルって、そんなに見かけないですよね?
そうなんです。SNSでつながった仲間と話す中で知って、そこで自分のクルマって意外とレアなんだなと実感しましたね。
――デザインで気に入っている点は?
フロントまわりのデザインがすごく好きです。切れ長なライトの目つきがかっこよくて、シャープな印象があって見るたびに惚れ直しますね。リヤのデザインも気に入っています。「コ」の字型に光るテールランプ、ボディの輪郭にスピード感があって躍動感を感じる造形が好みですね。
――メンテナンス面では、どんなことを意識していますか?
オイル交換はターボ車ということもあって、だいたい4000~5000kmごとにしています。これまで大きな故障はなく、バッテリーが上がったくらいですね。
――外観やカスタムはどんなスタンスで?
基本的に純正の外観が気に入っているので、雰囲気を壊さず走りや乗り心地に関わるところだけ、必要な範囲でカスタムしています。車高調やタワーバーなどを装着しています。
――運転中、音楽はよく聴きますか?
よく聴きます。映画「キャノンボール」のテーマソングが好きで、自然とやる気が高まります。「μ's(ミューズ)」の「Wonderful Rush」も出発するときによく流しますね。「さあ行くぞ!」という前向きな気持ちになれるんです。
――いいですね!走り出す場面にマッチする感じです。カローラスポーツに乗り始めて変化したことを教えてください
大きな変化といえば、同じ車種に乗る仲間ができたことです。X(エックス)でカローラスポーツのコミュニティを見つけたのがきっかけで、オフ会に参加したらめちゃくちゃ楽しかったんですよね。
同じ車種のオーナー同士でもいろんな視点があっておもしろかったです。自分のクルマが意外と希少な仕様ということも教えてもらい、あらためて「大事に乗っていこう」と思えました。
――遠征する機会も増えたとか?
カローラスポーツのコミュニティで、九州オフの情報を見かけたのがきっかけです。どうせ行くなら、移動も楽しみたいと思って計画しました。九州の旅はこれまでで最も印象に残っている旅でもあります。
――九州まではどんなルートを?
関東から九州を目指すなかで、あえて日本海側を縦断するロングドライブを計画しました。途中、天橋立や宍道湖などに立ち寄りながら関門橋を目指しました。
印象的だったのは、関門橋を渡った瞬間ですね。「ああ、ついに来たな」という実感が湧いてきました。運転中だったんですけど、瞬間を写真に収めたかったくらい感慨深かったです。
――あえて日本海沿いを西へたどったわけですね!次は兵庫への遠征も予定しているとか。オフ会ですか?
はい。今回も道中の楽しみかたを色々と考えています。ナビ通りのルートではなくて、山道を選んでみたりサービスエリアでグルメを楽しんだり。寄り道は旅の醍醐味ですよね!
――相棒との旅、楽しみですね!もし愛車を擬人化するとしたら、どんなキャラクターになりますか?
具体的なキャラクターを思い浮かべているわけではないんですが…いうなら“推し”と同等の存在ですね。アイドルを応援するような気持ちに近いかもしれません。
――ドライブが「推し活」なわけですね。これから愛車とどう過ごしていきたいですか?
まずは20万キロを目標にしているんですが、あと4〜5年のうちに達成できそうです。メンテナンスに力を入れてコンディションを維持しながら長く乗っていきたいですね。
この先、行ってみたいのは沖縄です。フェリーを使う大がかりな旅にはなりますが、沖縄をカロスポとぜひ一緒に走ってみたいです!
はまけんさんのお話から見えてきたのは、1回のドライブで得られる「体験の密度」でした。カーライフの価値は、走行距離や所有年数といった「数字」で語られがちですが、数字では表せない「体験の価値」もまた、カーライフの大切な要素です。
オフ会での発見、仲間とのつながり、ロングドライブの体験一つひとつが、はまけんさんとカローラスポーツとの絆をより深めているのだと感じました。
これからも「推し」と走るスペシャルな時間が、ますます濃く深くなっていくことでしょう。
【X】
はまけんさん
【Instagram】
harekaze469さん
(文:野鶴美和 写真:はまけん さん提供)
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