走りも日常も、この1台と。すべてを兼ね備える相棒 スイフトスポーツ
小学生のころ、アニメや兄弟の影響で「クルマってなんかカッコいいな」と思い始めたというMISAKIさん。社会人になって自分で選んだマニュアル車、スズキ・スイフトスポーツにたどり着いた今では、ドライブやサーキット走行を楽しみつつ、仲間とのつながりを広げています。
今回は、そんなMISAKIさんと黄色いスイフトスポーツの物語をお届けします。
――MISAKIさんが「クルマ好き」になったきっかけってなんですか?
小さいころから、なんとなくクルマって気になる存在だったんです。3兄弟で兄がクルマ好きだったので、リビングでは『頭文字D』や『ワイルドスピード』がずっと流れていて、それを一緒に見ながら「なんかカッコいいなあ」と思い始めたのが最初ですね。兄がドリフトやっていたのもあって、遠くから“クルマの世界”を眺めていた感じでした。
――免許を取ったのも早かったんですよね?
そうなんです。18歳の誕生日の翌日から教習所に通い始めたんですけど、その理由がすごくて(笑)。誕生日に家に帰ったら、父が「教習所申し込んどいたから、明日から行っとけ」って突然言い出したんです。しかもマニュアル免許で話が進んでいて、私は何も知らずに放り込まれたかたちでしたね。
うちは農家で軽トラがあり「MTを取っとけば困らない」という父の判断だったみたいです。
――最初に乗ったのはどんなクルマだったんですか?
高校時代は親のシーマを借りて、友達といろんなところに遊びに行っていました。でも事故ってしまい、シーマは廃車に……。その後、大学の4年間は新古車のスズキ・ワゴンRが相棒でした。
――そこからスイフトスポーツになるわけですね! なぜこのクルマを?
社会人になって就職して「やっぱりマニュアルに乗りたいな」と思うようになったんです。本当はランエボとかWRX STIに乗りたかったんですけど、値段がスイフトの倍くらいして……。社会人1年目でそのローンを組むのが正直怖かったのと、4年くらいMTから離れていたので「ちゃんと運転できるかな?」という不安もありました。
いろいろ考えた結果、「価格」「維持費」「乗りやすさ」全部のバランスがいいのがスイフトスポーツでした。
当時、クルマ屋で営業をしていて、自分でオークション画面を見られる環境にいたので、先輩からおすすめされた個体をそのまま選んだんです。走行2万km台、無事故、ほぼノーマルで、文句なしの状態でした。
――なるほど。ちなみにカラーは王道の黄色ですよね。そこは迷わなかったんですか?
実は黒が良かったんです。でも親に「黒は汚れ目立つし、夜は危ないしダメ」と一蹴されて(笑)。白もしっくりこず、赤は派手、青もなんか違う……と考えていった結果、黄色に落ち着きました。
でも不思議なもので、乗り続けているうちに自分でも「この色でよかったな」って今は思っています。
――久しぶりのマニュアル車に戻ってきて、どうでした?
納車直後はめちゃくちゃドキドキでした。4年ぶりだったので「本当に乗れるかな……」って。でも1週間もしたら慣れてしまって「やっぱりマニュアル楽しいな」と思うようになりました。そこからはもう、通勤も買い物も全部スイフトスポーツです。
――いいですね〜! スイフトスポーツでのカーライフはどんな楽しみ方を?
最初はただ街乗りしていただけだったんですけど、当時付き合っていた人と別れてからはいろんなところにひとりでドライブに出かけるようになりました。横浜赤レンガ倉庫だったり、大黒PAだったり、海沿いをドライブしたり。当時はクルマ好きの友達もいなかったので、完全に一人ドライブです。
――では、クルマ好きの友達ができたきっかけは?
ある日大黒PAに行ったときに、インスタで相互フォローになっていた同じ型のスイフトスポーツに乗る女の子がいて、その子が私のクルマを見つけて「もしかしてインスタのMISAKIさんですか?」って声をかけてくれたんです。
その日たまたま、「平成カーファンクラブ」というクルマ好きのグループが大黒で集まっている日で、その輪に入れてもらったことから一気にクルマ好きの友達が増えて、カート、走行会、ツーリングと、いろんなイベントに誘ってもらうようになりましたね。
初めて乗ったカートがとにかく楽しくて、周りからも「結構向いてるよ!」って言ってもらって、そこから「スイフトもサーキットで全然走れるクルマだから、一緒に走りに行こうよ」と誘われるようになったんですよね。
――よかったですね! 今では、サーキットも走っているんですよね?
はい。でも、最初は誘われても1年は断り続けていました。このクルマが生活の足なので「壊れたら通勤できない」と思うと踏み出せなくて……。それでも何度も背中を押してもらって、26歳の終わりに筑波サーキットのショートでついにデビュー。走った瞬間「これめっちゃ楽しい!」って思いましたね(笑)。
最初はただ走るだけで満足していましたが、今はタイムアップに喜びを感じるようになりました。最近はいろんなサーキットを走ってみたいなって思っています!
――とってもうれしそうですね(笑)。サーキットを走るようになって、クルマの仕様も変わりました?
はい。でも最初は本当に最低限でした。タイヤとブレーキパッドをサーキット向けのものにして、ヘルメットとグローブを用意して。それで何回か走っているうちに「もっと速く走りたい」と思うようになって、今はRISE YOKOHAMAのオリジナル車高調と、機械式デフ(LSD)、コンピューター、フルバケ、サーキット用のタイヤ&ホイールセット……と、少しずつ手を入れてきました。
外装はあくまで純正派で「見た目はノーマル。でも走ればちゃんと速い」っていうのが好みなんです。
――普段のカーライフはどんな感じなんですか?
今はタクシー運転手なので、仕事でも毎日ハンドルを握っているんですけど、それでも休みの日に「スイフト乗りたい」って自然に思えるんですよね。
買い物など普段の街乗りはもちろん、気分転換にふらっと海まで走りに行ったり、高速に乗ってサービスエリアに行ってみたり。最近は、砂浜をクルマで走れる石川県の千里浜にもいつか行ってみたいなと思っています。波打ち際を自分のスイフトスポーツで走れたら絶対気持ちいいだろうなって。
――ぜひ実現させちゃってください。ところで、常にクルマに積んでいるものってありますか?
かなり積んでいます(笑)。サーキット用の工具や空気入れ、油脂類、洗車道具……。一人で出かけても困らないように、基本フル装備で動いている感じですね。
あと、納車のときに先輩からもらった“スイフトのトミカ”は、ずっと車内に置いています。ちょっとしたお守りみたいな存在です。
――あらためて、MISAKIさんにとってスイフトスポーツはどんな存在ですか?
やっぱり相棒ですね。このクルマがあったから友達ができて、イベントの手伝いもするようになって、サーキットという新しい世界にも踏み出せました。
何度か乗り換えも考えましたが、結局“街乗りしやすい”“扱いやすい”“走ると楽しい”“荷物も積める”って全部そろっているのは、私にとってこのクルマなんですよね。
もし今このスイフトがなくなったら……正直かなり困るし、相当寂しいと思います。それくらい生活にも気持ちにも寄り添ってくれる存在です!
サーキット走行はあくまでカーライフの一部として楽しみながらも、ドライブやクルマ仲間との時間を何より大事にしているMISAKIさん。
彼女の話を聞いていると「一台のクルマをとことん楽しむ」というカーライフの理想形が、黄色いスイフトスポーツの中にぎゅっと詰まっているように感じました。彼女とスイフトの物語は、まだまだ続く!
(文:西本尚恵 写真:MISAKIさん提供)
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