【スマホ撮影レシピ】非日常的な夕景・夜景を映す
おでかけ写真をSNSにアップしても反応がイマイチ……。それは写真から楽しそうなストーリーが感じられないからかもしれません。
そんなおでかけ写真をワンランクアップさせるコツをプロフォトグラファーが伝授するシリーズ連載、講師は福井麻衣子さんです。使うカメラはiPhoneだけ。一眼レフのような細かい設定を考える必要はありません。記事を読んでそのとおりに実践してもらえば、SNS映えするのはもちろん、あとで振り返ったときに素敵なアルバムになること間違いなしです!
非日常的なシーンを求めて夕景・夜景を探す
納車されたばかりのマイカーを見ると、ついつい出かけたくなります。友人を誘って、キレイな夕日を撮りに海沿いの公園までドライブしてみることにしました。クルマはトヨタの「ヤリス クロス ハイブリッドZ」。
夕景がもっともきれいに撮れるのは、「マジックアワー」と呼ばれる日没前後30分くらいの時間帯です。この時間に海岸にいられるようにしましょう。暗くなる前、明るいうちに撮影を始めるくらいの気持ちで、現地には少し早めに向かいます。
東京湾岸沿いにある「東扇島西公園」の第一駐車場は、ほぼ海沿いにあるので、クルマと夕日を一緒に撮るのにおすすめです。釣り人に人気のスポットですが、東京湾にある工場の夜景なども見渡せます。
「夕景・夜景」で抑えておきたい鉄板カット
1. 横顔を印象的に見せる車内での1枚
2. 夕日のシルエットを活かした1枚
3. クルマへの映り込みを利用した1枚
4. 小型LEDライトを駆使した1枚
5. 夜景の明かりを美しくとらえた1枚
1. 横顔を印象的に見せる車内での1枚
冬の午後、斜光線で対岸の水平線の景色がとても美しく見えます。クルマを停めたところで、助手席に夕日が差し込んで友人の横顔が絵画のように印象的に見えます。
普通に顔が分かるように撮るのもわるくはないのですが……
●こんなふうに撮りました!
普通に顔をタップして、顔を見せる露出でもいいですが、景色や太陽をタップして撮影すると、外に明るさが合うので自然と車内は暗くなり、横顔が印象的に見えます
2. 夕日のシルエットを活かした1枚
駐車場にクルマを停めて、徐々に沈んでいく夕日を背にマイカーと一緒に撮影してみます。クルマを入れた写真は、あまり暗くなると写りにくくなってしまうので、日が完全に沈む前の撮影がおすすめです。夕日を背にすると、シルエットになるケースが多いので、大きく目立つポーズをつけてみましょう。
【作例】クルマの横で大きなポーズ
●こんなふうに撮りました!
夕日を入れた写真は、一番見せたい部分をタップして露出を合わせて、全体の明るさを少し暗めにするのがコツです。その方が実際の雰囲気に近くなります。
撮影後にフィルターを使うなら、空が赤いうちのカットは暖色系(暖かい)、日が沈んだあとのカットは寒色系(冷たい)を使ってみてください。
夕日の入る位置にクルマを停めて、前後で目立つ大胆なポーズをつけてみました。思い切って、いろんなポーズに挑戦してみてください。
●こんなふうに撮りました!
夕日を背に人物を真横のポーズにすると、暗く写っても人だと分かる印象的なシルエットになります。
実際の見た目に合わせてやや暗めにするのは先ほどと同じ。小型三脚を使ってセルフタイマー撮影にもチャレンジしてみては。
3. クルマへの映り込みを利用した1枚
夕暮れ時は、クルマへの映り込みも楽しんでみましょう。ボディやウィンドウ、ライトカバー、エンブレムなど、よく見るとまわりの景色が映り込んでとてもきれいに見えるはずです。クルマの周囲をグルグル回って、友人や風景などが映り込むポイントをうまく見つけて楽しみましょう。
【作例】友人をウィンドウの横で撮影してみます。夕日と顔がきれいに映り込んでいます
撮影時の位置関係はこんな具合
【作例】フロントのエンブレムへの映り込みもきれい
●こんなふうに撮りました!
周囲が暗くなると、クルマに風景などが映り込みやすくなります。反射して映り込む位置と人物を組み合わせて、反射したクルマの一部をディテールとして写してみましょう。
4. 小型LEDライトを駆使した1枚
日が落ちて、だいぶ周囲が暗くなってきました。でもまだ、空に赤みが残っています。暗くなってきたら、バッテリーで動作するLEDライトを少し高い位置にかかげ、人物を照らすだけできれいに写ります。スマホのフラッシュは使わないようにするのが、雰囲気よく仕上げるコツです。
【作例】夕景をバックに人物のみ。「ポートレート」モードにして撮影
小さなライトを掲げてライティングしています。
スマホに直接取り付けることのできるLEDリングライトを用意しました。
●こんなふうに撮りました!
スマホのフラッシュはオフにして撮影します。安価なものでよいので、LEDライトを用意してみてください。
日が沈むと周囲の光量が減るので、小さなライトでも十分な照明効果が出ます。
暗くなるとシャッタースピードが落ちるので、ブレないようにスマホをシッカリ持つようにしましょう。
5. 夜景の明かりを美しくとらえた1枚
ライトを使わずに、人物などをシルエットにしても雰囲気のある写真が撮影できます。もちろんスマホのフラッシュはオフのまま。クルマのポジションランプなども入れた夜景を撮影してみましょう。夜景の撮影時にはカメラがナイトモードに自動で切り替わり美しく撮ることができます。
ナイトモードは被写体によって自動で切り替わります。
●こんなふうに撮りました!
暗くなると自動的にナイトモードに切り替わります。手すりなどを利用してブレないよう気をつけて。
シルエットにしたいのに明るく写ってしまう場合は、明るめの光の部分をタップすることで調節できます。
日が落ちてからは、「ビビッド(冷たい)」などの寒色系フィルターを使うと夜っぽさをさらに演出することができます。
公園使用許可:川崎市指令港管港第691号
<講師プロフィール>
福井麻衣子
雑誌・広告を中心に、ポートレート、旅、街歩き撮影などで活躍するフリーランスフォトグラファー。スマホ写真も使いこなす。これまでにカメラメーカーへの作品提供、カメラ書籍の執筆なども務める。今回の作例はすべてiPhone 11 Proを使って撮影している。
[GAZOO編集部]
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