車のバッテリー交換の方法を解説-かかる値段は?交換方法や持ち込み先を詳しく紹介!

バッテリー交換は、車のメンテナンスで欠かせない作業の一つです。この記事では、バッテリー交換を自分でやる方法や必要な道具、費用、交換後の処分方法について詳しく解説します。さらに、バッテリー交換の目安やプロに依頼するのに必要な費用についても紹介するので、これからバッテリー交換をしようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

車のバッテリー交換に必要な工具・用具

  • ゴム手袋
  • スパナ
  • 保護メガネ
  • ワイヤーブラシやサンドペーパー
  • 養生テープ

バッテリーを交換するときは、安全のためゴム手袋と保護メガネを装着しましょう。ケーブルやターミナルの腐食の除去や清掃には、サンドペーパーやワイヤーブラシが役立ちます。バッテリーの交換に使うスパナのサイズは車種によって異なるため、事前に確認が必要です。

また、バッテリー交換時のショートを避けるため、取り外したケーブルは養生テープを巻いて絶縁しておくのが安全。適切な工具・用具を使って、スムーズかつ安全な交換作業を実施しましょう。

車のバッテリー交換方法

車のバッテリー交換とは、古いバッテリーを取り外して新しいものを取り付ける作業と、一見簡単そうに聞こえます。しかし、ハイブリッド車や電気自動車のような特殊車両には、専用のバッテリーが必要で、バッテリーの交換方法も異なるため、注意が必要です。

以下、一般的なバッテリー交換の手順をみていきましょう。

1.ケーブルを取り外す

バッテリーの端子を外すと、時計、オーディオやナビの設定など多くの電子部品がリセットされてしまうことがあります。これを防止しメモリー保持するためのツールがカー用品店などには販売されていますので調べてみてください。

バッテリーの端子部分には、バッテリーターミナルと呼ばれる「車両に電気を送るためのケーブルと端子をつなぐ金属部品」が取り付けられています。バッテリーの交換をするときは、ショートを防ぐためにマイナス(-)端子に繋がっているターミナルを先にスパナで取り外します。

プラス(+)端子側を先に外そうとすると、工具がプラス(+)端子に触れている状態でマイナス(-)端子やボディーに触れてショートする恐れがあるため大変危険です。

その後、プラス端子を取り外すときは、工具がマイナス端子に絶対に触れないようにしてください。工具がマイナス端子に接触するとスパークが発生したり、ショートしたりする恐れがあります。そのため、スパナの持つ部分などに養生テープを貼るか軍手を被せて絶縁しておくとよいでしょう。

2.取り付け金具を取り外す

マイナス端子とプラス端子を外したら、バッテリーを固定している取り付け金具のナットを緩めます。取り付け金具を外すとバッテリーの取り外しの準備が完了です。

3.古いバッテリーを取り外す

液漏れに注意しながら、バッテリーを垂直に持ち上げて取り外します。バッテリーはとても重たいので、落下させないように気をつけて作業しましょう。

4.ケーブルターミナルの腐食部を磨く

バッテリーが取り外せたら、ケーブル端子の腐食部の清掃を行います。腐食を放置してしまうと、接触不良やバッテリーの性能を低下させてしまうため、きれいに保つことが大切です。

ケーブル端子の腐食部をワイヤーブラシで掃除して、サンドペーパーで磨いてキレイにすれば、新しいバッテリーの性能を最大限引き出せます。

5.新しいバッテリーを設置する

新しいバッテリーを設置する際は、プラス端子とマイナス端子の向きに注意しましょう。
プラス端子とマイナス端子を誤って配置すると動作不良や損傷などの原因になるため、あらかじめバッテリーの向きを確認しておくと安心です。

バッテリーを置くときは、液漏れを防ぐために垂直に置くように注意してください。

6.取り付け金具を取り付ける

取り付け金具のボルトを締めてバッテリーが動かないように固定したら、新しいバッテリーの設置が完了です。

7.ケーブルを取り付ける

バッテリーの取り付けは、必ずプラス端子から行います。工具がマイナス端子に触れないよう、注意して取り付けましょう。樹脂で覆われた絶縁レンチなどを使えば、誤って工具がバッテリーの-ターミナルに触れてもショートしないため、安全に作業が行えます。

プラス端子の取り付けが十分でないと、走行中にケーブルが外れて危険です。プラス端子は、スパナを使ってしっかり取り付けてください。

最後に、マイナス端子を取り付けます。この時点で、バッテリー本体がしっかりと固定されているか、再度確認をしておきましょう。マイナス端子の取り付けが完了したら、エンジンルームに工具や余分なものがないか確認してください。

また、工具などの置き忘れは運転中の予期しないトラブルの原因になります。バッテリー交換の最後には、しっかり片付けたか確認することが大切です。

車のバッテリー交換のポイント

・自分の車のバッテリーをしっかりと確認する

バッテリーを選ぶ際は、自分の車に適合したサイズ、規格、容量かどうかを確認しましょう。
適切なものを選ばないと、不具合の原因になってしまいます。

たとえば、バッテリーの端子位置が異なるものを選んでしまうと、電源コードが届かず取り付けができないかもしれません。また、性能の低いバッテリーを選んでしまうと、寿命が早まったり、エンジンを始動させるオルタネーターに負荷がかかったりします。

・バッテリーを持ちあげられるか事前に確認しておく

バッテリー交換を始める前に、バッテリーを持ち上げられるかを確認してください。バッテリーは普通のサイズで約10kg、重いものだと約18kgもあります。持ち上げられない場合は、誰かにサポートをしてもらえるように依頼しましょう。

無理にバッテリーを持ち上げることは、事故や怪我の原因になります。安全で効率的な作業のためには、事前の確認が大切です。

・メモリーのバックアップをする

バッテリーの交換時には、メモリーのバックアップを行いましょう。車種によってはメモリーの再設定が非常に面倒で、手間がかかる場合も。バッテリーの交換時には、専用のアイテムを用意して、メモリーのバックアップも同時に行うとよいでしょう。
但し、メモリーバックアップツールにより逆に支障が発生することもありえますので、信用できるお店などに相談しましょう。

・マイナス端子とプラス端子の順番を間違えない

バッテリーの取り外しはマイナス端子から、取り付けはプラス端子から順番に行います。

マイナス端子のターミナルがつながっている状態で、プラス端子のターミナルを外そうとするのは危険です。作業中に工具が金属パーツに触れると、大きな電流が流れてショートしてしまいます。

ポイントは、プラスとマイナスの端子ターミナルに、工具などが同時に触れないようにすることです。

・プラス端子は絶縁カバーで保護する

バッテリー交換の際には、プラス端子のターミナルに注意して作業します。マイナス端子のナットを緩める際、工具が反対側のプラス端子のターミナルに触れてしまうと、ショートしてしまうリスクがあります。

安全に作業するためには、軍手や養生テープをプラス端子のターミナルに被せるように覆い、絶縁処理をしておくとよいでしょう。

・パーツを適切に固定する

バッテリーの交換時には、しっかりとパーツを固定します。ナットの締め付けが適切でないと、走行時の振動や衝撃でバッテリーが外れる危険性があります。ナットが緩まないように、適切な力で締めて固定しましょう。

ただし、ナットの締め過ぎには注意が必要です。必要以上に締め過ぎてしまうと、金属疲労でケーブルの端子が割れて、バッテリーのターミナルが破損してしまいます。

交換後のバッテリーの処分方法

カーバッテリーは鉛を含むため、一般の廃棄物として処分することは法律で禁止されています。

使用済みのバッテリーは、新しいバッテリーを購入した店舗で引き取ってもらいましょう。インターネットなどで購入した場合は、バッテリーリサイクル協力店、一部のガソリンスタンドなどに引き取ってもらえる可能性があります。交換後のバッテリー処分は、ルールに則って適切に行いましょう。

車のバッテリー交換を頼めるプロ

バッテリー交換の手間を省きたい、より安全に行いたい人は、プロに依頼するのもおすすめです。

ここでは、ガソリンスタンド、カーディーラー、カー用品店、整備工場のプロについて、それぞれ詳しくご紹介します。

・ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでは、給油ついでにバッテリー交換をしてもらえます。店舗によっては、無料でバッテリーの点検を行ってくれるところもあるため、手軽に利用できるのがメリットです。

ただし、バッテリーの持ち込み交換ができない店舗も多いため、せっかく足を運んでも取り付けてもらえない場合があります。費用を抑えるためにネットなどでバッテリーを購入したい人は、事前に持ち込みのバッテリー交換が可能か、確認をしておきましょう。

・カー用品店

カー用品店の特長は、品揃えの豊富さです。カー用品店では、各車種に合わせたバッテリーの選定から取り付けまで、一貫して対応してもらえます。また、バッテリー購入時に工賃や廃棄料がサービスされる店舗もあるため、経済的に優しいのもポイントです。

車に詳しくない人でも、相談に乗ってもらいやすくコスパも良いため、バッテリー交換をカー用品店にお願いする人も多いようです。

・カーディーラー

カーディーラーでは純正同等のバッテリーを取り扱っているため、不具合が出にくく、長持ちしやすいといわれています。また、バッテリー交換の作業は、専門知識と技術を持ったメーカーの整備士が責任をもって行うため、安心感が高いでしょう。

費用は高めですが、品質と安心を優先したい人は、カーディーラーでのバッテリー交換がおすすめです。

・整備工場

整備工場では、プロの整備士が車のバッテリー交換を行ってくれるため、安心して交換作業を依頼できます。さまざまな車種やメーカーの製品を取り扱っているため、自分の車に最適なバッテリーを見つけることが可能でしょう。

また、車のメンテナンスで気になることがあれば、経験豊富な整備士に直接アドバイスを求めることもできます。

車のバッテリー交換にかかる費用

バッテリー交換の費用は、種類や業者、車種などによって異なりますが、全体で4,000円〜46,000円程度です。
ここでは、バッテリー本体の代金、作業費、廃棄料の詳細を解説します。

項目 費用
バッテリー本体 4,000円~50,000円程度
バッテリー交換作業 無料~3,000円程度
バッテリー処分 無料~3,000円程度

*1

・バッテリー本体の費用

バッテリー本体の費用は、種類やメーカー、そしてサイズや製造国、販売場所などによって異なります。純正品やハイブリッド車用、電気自動車用、そしてアイドリングストップ車対応のバッテリーは、高価になる傾向です。

しかし、最近ではコストパフォーマンスに優れた製品も増えてきています。価格と品質のバランスを見極めて、自分の車に最適なものを選びましょう。カー用品店では、比較的低価格でバッテリーを購入できます。

・バッテリー交換作業の費用

項目 費用
ガソリンスタンド 無料~3,000円程度
カー用品店 無料~1,000円程度
カーディーラー 1,000円~3,000円程度
整備工場 無料~3,000円程度
自分で交換 無料

*1

バッテリー交換には、本体価格のほかに交換作業の費用が発生します。
最も安いのは自分で交換する方法ですが、工具をそろえたり、作業手順を確認したりする必要があります。カー用品店や整備工場なら、プロに無料でバッテリー交換をしてもらえることもあります。予算と品質を合わせて自分に合った交換方法を選びましょう。

・バッテリー処分費用

項目 費用
ガソリンスタンド 無料~3,000円程度
カー用品店 無料~3,000円程度
カーディーラー 無料~500円程度
整備工場 無料~500円程度
自分で交換 無料~1,000円程度

*1

バッテリーの処分には費用がかかります。バッテリーの処分費用は、交換作業費に比べると比較的安めです。多くの業者は無料でバッテリーの処分をしてくれますが、自分でバッテリー交換を行う場合は注意が必要です。使用済みのバッテリーは、一般の廃棄物として廃棄できないため、専門の業者に引き取ってもらう必要があります。

車のバッテリーの交換時期の目安

バッテリー交換の目安は、一般的に2〜3年とされています。しかし、実際は、車の利用状況やバッテリーの品質によって、大きく変わります。

とくに、短距離運転が多い場合、バッテリーの消耗が早まることも。また、冷暖地や渋滞が多い地域での利用も、バッテリーの消耗に影響を及ぼします。バッテリーの状態は定期的に確認して、早めの交換を心がけましょう。

車のバッテリー交換をした方がいい症状

  • エンジン始動時のクランキングスピードが遅くなった(エンジン始動しにくい)
  • 電気を使用するパーツの動きが遅くなった
  • バッテリー本体に異常がある

車のバッテリーが老朽化すると、いくつかの症状が現れます。たとえば、エンジンがかかりにくくなる場合や、パワーウインドなどの電動パーツの動きが遅くなったと感じた場合は、バッテリー交換が必要な目安の一つです。

さらに、バッテリー本体の見た目に変形や異常が見られる場合も、交換のサインです。これらの症状を感じたら、早めのバッテリー交換を検討しましょう。

車のバッテリー交換についてよくある質問

  • 車のバッテリーの寿命を延ばす方法は?
  • 車のバッテリーの種類は?

車のバッテリー交換は、車の性能や安全性に直結する大切な作業です。
ここでは、バッテリー交換に関するよくある質問について解説していきます。

Q.車のバッテリーの寿命を延ばす方法は?
A.定期的なメンテナンスと適切な使用を心がけることです

車のバッテリーは、常に充電状態を適切なレベルに保ち、端子をきれいに保つことが長持ちのポイントです。短距離走行ばかりを繰り返したり、スマホ充電器などの後付けの電装品などで電気を多く使用すると、バッテリーの充電が不足しがちになります。定期的に遠出のドライブを楽しむのも良いでしょう。

どうしても短距離走行が多くなる場合は、充電器を使ってバッテリーを定期的に充電すると寿命を延ばせます。旧車など長期間車を使用しない際には、バッテリーを取り外して保管することも可能です。

Q.車のバッテリーの種類は?
A.大きく分けて5種類のバッテリーがあります

車のバッテリーの種類は大きく分けて、1.開栓型2.ドライ3.メンテナンスフリー4.アイドリングストップ車用5.ハイブリッド車用・補機の5種類です。それぞれ種類ごとに特徴があり、車種や使用状況によっても最適なものが変わります。たとえば、メンテナンスフリーは手間いらずのため人気があります。ハイブリッド車用補機バッテリーはハイブリッド車に特化しているバッテリーです。

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ポイントを知り、スムーズにバッテリー交換をしよう

車のバッテリー交換は、まず工具をそろえ、適切な手順で行うとスムーズに完了します。自分でバッテリー交換する際には、バッテリーの種類や取り付けのポイントをしっかり確認して、安全に作業を行いましょう。

バッテリー交換にかかる費用は、依頼する業者やバッテリーの種類によってさまざまです。無料で引き受けてくれる業者もあるため、もし自分でバッテリー交換するのが難しければ、プロに依頼するのも良いでしょう。

この記事を参考に、バッテリー交換に使える費用や作業量を考えて、最適な選択肢を選んでみてください。

*1:目安としての費用であり実際の費用ではありません。また、バッテリーの種類、車のエンジンタイプ、地域などによって費用は大きく変わりますので実際の費用と大きく乖離している可能性もあります。そのため実際の費用は各店舗で確認ください。

(GAZOO編集部)