インターペット東京で体感、スバルが描く「愛犬と走るカーライフ」のリアリティ
春の行楽シーズンは、愛犬とのお出かけを計画している飼い主さんも多い時期。そうしたタイミングで開催される「インターペット」は、ペットとの暮らしを見つめ直すヒントが数多く集まる場でもあります。その中で、近年存在感を高めているのが自動車メーカーの展示です。スバルは昨年の同イベントから愛犬家に向けた積極的な情報発信を開始し、今回も独自のアプローチで来場者の関心を集めていました。
アウトドアブランドとしてのスバルらしさ
ブース全体は、森をイメージしたアウトドアテイストの空間でした。スバルが長年培ってきた「自然の中でクルマを楽しむ」というブランドイメージを、そのままペットとの暮らしに重ね合わせた演出です。「わんちゃんも一緒にクルマでお出かけ」というメッセージが、視覚的にも直感的にも伝わってきます。
展示の中心には、正式発表前(当時)の電気自動車(BEV)「トレイルシーカー」が置かれ、背景には日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したフォレスターのパネルが置かれていました。現在と未来のスバルを同時に提示する構成といえるでしょう。
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フォレスターは愛犬と一緒に写真撮影ができるフォトパネルとして登場。
「揺れの少なさ」というスバルの強み
スバルの担当者が強調していたのは「わんちゃん専用設計ではないが、結果的に愛犬との相性が良いクルマ」であるという点です。ポイントのひとつは、水平対向エンジンによる低重心設計です。車体の揺れや振動が抑えられることで、犬にとってのストレス軽減につながる可能性があります。とくに長距離移動では、揺れの少なさが快適性に大きく影響します。
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スバルの愛犬に優しい特徴を分かりやすくパネルで訴求していました。
さらに、広い車内空間も愛犬家にとっては重要なポイントです。クレートの設置や意外にかさばる荷物の積載、さらには車内で過ごす場合まで含めて、余裕のあるスペースが安心感を生み出します。
インターペットでは、技術本部のメンバーもブースに立っているそうです。「愛犬家の声を直接、開発に生かしたい」とのことで、マーケティング活動だけではなく車両開発へのフィードバックを得る場としても位置づけているそうです。このあたり、前回ご紹介したHonda Dog同様にユーザーとのタッチポイントとしてペットイベントの重要性が増しているのが分かります。
BEVがもたらす新たな可能性
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電気自動車のトレイルシーカーを正式発表前にインターペットに展示。
今回展示された「トレイルシーカー」は電気自動車であることから、エンジン車に比べて振動や臭いが少ないという特徴があります。これらは犬の車酔いやストレスに影響を与える要素でもあり、結果として快適性の向上につながるでしょう。さらに、このモデルはスバル車の中でも最大級の荷室容量を備えており、愛犬家との親和性が高いモデルとしてインターペットでの展示が決まったようです。
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トレイルシーカーはスバル車の中で荷室が最も広いのも愛犬家にお勧めのポイントだそうです。
ここでもHonda DogのN-ONE e:と同じように、電動化という大きな流れの中で「ペットとの相性」という新しい評価軸が生まれつつあることを感じました。
「体験」を重視したアプローチ
スバルの取り組みで特徴的なのが、実際にクルマを体験してもらう機会づくりです。昨年実施された「宿泊付きモニター試乗キャンペーン」は、関東エリアの宿泊施設に招待された参加者3組が愛犬とともにスバル車でドライブし、そのまま宿泊するという企画でした。今年は規模を拡大し、関東と関西でそれぞれ2組ずつの招待が決まっているそうです。
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フォレスターのフォトパネルなどブース内で撮影した写真をハッシュタグ付きでSNSに投稿するとステッカーがもらえるとともに試乗キャンペーンに応募できます。
「今年は、フォレスターで山へ、クロストレックで海へドライブするコースを用意しました。車種ごとに異なるシーンを用意することで、スバル車の個性とライフスタイルの結びつきを具体的に伝えたいと考えています」と担当者は言います。昨年の参加者からは「振動が少なく、わんちゃんが移動中にぐっすり眠っていた」といった声も寄せられているそうで、スペックだけでは伝わらない価値をしっかり体感してもらえたようです。
イベント出展の狙い
愛犬家がクルマに求める要素を中心にアンケートが実施され、回答者には折り畳み式のフードボウルが配布されるなど、スバルのブースでも来場者参加型の仕掛けが用意されていました。また、ブース内で撮影した写真をハッシュタグ付きでSNSに投稿することでモニター試乗キャンペーンに応募できるなど、情報発信までシームレスに導線が設計されています。
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スバルブースでのアンケート回答インセンティブは携帯用フードボウルでした。
こうした施策の目的は明確です。それは「実際に運転してもらうきっかけをつくること」。スバルは、ペットオーナーにとってクルマが不可欠な存在だと認識しており、その中で、体験を通じて自社モデルの価値を伝えることを重視しています。
昨年は合計3回だったペット関連イベントへの出展を今年は増やす計画で、6月に開催されるインターペット大阪にも参加を予定しているそうです。継続的な接点づくりによって、愛犬家との関係性を深めていく戦略がうかがえます。
今回のスバルブースから感じられたのは、「特別なペット専用車」ではなく、日常使いのクルマが持つ“ペットとの親和性”を丁寧にすくい上げていく姿勢でした。低重心による安定した走り、広い室内空間、そして電動化による快適性の向上。それらは本来クルマとしての基本性能ですが、視点を変えれば愛犬との移動を支える重要な要素でもあります。
そして、その価値を実際の体験を通じて伝えていくというアプローチは、これからの時代における自動車メーカーのひとつの方向性を示しているのかもしれません。愛犬とのドライブは、単なる移動ではなく、関係性を深める時間でもあります。スバルの取り組みは、その可能性を示していました。
(文と写真:石川 徹)
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