第1話 ランドローバー…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
ランドローバー
第2次世界大戦中にアメリカで生まれ、連合国の勝利に寄与した小型四輪駆動車のジープ。戦後、各国で亜流が生まれたが、その英国版が1948年に誕生したランドローバー(シリーズI)である。堅牢(けんろう)なフレームにアルミパネルを亜鉛引き鋼板で補強したボディーを架装し、ローバー製サルーンから流用した1.6リッター直4エンジンを搭載。駆動方式は4段MTと2段トランスファーによるパートタイム4WDだった。
アルミパネルを採用したのは、当時イギリスでは鋼板が不足していたからという説があるが、真相は定かではない。だが結果的に、軽量かつ腐食しにくいボディーは、耐久性と信頼性の高さに貢献。抜群の悪路走破性と機動性に加えて、独自の長所となった。総合性能の高さでイギリス陸軍などに制式採用されたほか、各種アタッチメントの装着によりトラクターや農機具に変身する多用途性も備えており、幅広い需要に応えた。
ショートホイールベースのキャンバストップ仕様に始まり、メタルトップやロングホイールベースのワゴンなどボディーやエンジンのラインナップを徐々に拡大。改良を加えながらシリーズII、IIA、III、90/110へと発展していき、1990年にはディフェンダーに改称。ラダーフレームに前後リジッドアクスルという基本構造は不変のまま、2016年まで60年以上にわたってつくり続けられた。
[ガズー編集部]
軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
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