【連載全18話】第8話 トライアンフ・トレド & セアト・トレド…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
トライアンフ・トレド & セアト・トレド
スペイン中部に位置するトレド(toledo)は、世界遺産に登録されている、中世の城塞都市の面影を残す古都。歴史あるこの名を先に車名に使ったのは、今は亡き英国のブランドであるトライアンフ。同社は現存する二輪メーカーのトライアンフとルーツは同じだが、1936年に袂を分かち異なる道を歩んだ。
そのトライアンフ初のFF車として1965年にデビューした4ドアセダンの1300が、1970年に1500に発展する際に同時に登場したモデルがトレド。旧1300や1500をベースに2ドアセダン化したボディーに積まれるエンジンは、旧1300用の1.3リッター直4 OHVだが、駆動方式は旧1300や1500のFFとは異なりオーソドックスなFR。1972年には1500のボディーを流用した4ドアセダン(写真)と、やはり1500と同じ1.5リッターエンジンが追加された。つまりトライアンフには、基本的に同じボディーとエンジンを持つFFとFRのセダンが同時期に共存していたのである。その後1976年には名称をドロマイトに改め、トレドの名は消えた。
1950年に設立されたスペインのセアトは、フィアットのライセンス生産によって自動車メーカーとしての地位を確立した後、1982年にフォルクスワーゲンと提携。以来フォルクスワーゲン車をベースとしたモデルをつくっており、1993年には完全子会社化された。1991年に誕生したトレドは、ジウジアーロの手になる、一見したところ4ドアセダンに見える、リアに短いノッチを持つ5ドアハッチバック。プラットフォームはフォルクスワーゲン・ゴルフ2から流用していた。
1998年に世代交代した2代目(写真)ではベースはゴルフ4となり、先代と同じくジウジアーロが手がけたボディーはノッチバックの4ドアセダンに変更。エンジンはベーシックな1.6リッター直4 SOHCから2.3リッターV5 DOHCまで数種類のガソリンのほか、1.9リッター直4ディーゼルや同ターボも用意されていた。その後2004年に登場した3代目は一般的な5ドアハッチバックになり、2012年デビューの現行モデルは先祖返りしたような短いノッチを持つ5ドアハッチバックと、世代交代のたびにボディー形状を変えながら存続している。
[ガズー編集部]
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