【連載全18話】第12話 ボクスホール・クレスタ & トヨタ・クレスタ…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
ボクスホール・クレスタ & トヨタ・クレスタ
「紋章のいただきに輝く飾り」を意味するスペイン語であるクレスタ(cresta)。これを先に車名に使ったのはボクスホール。20世紀初頭に自動車製造に参入したイギリスのメーカーで、1925年に米国ゼネラルモーターズに買収され、2017年にはグループPSAの傘下となった。
1970年代半ば以降、同社のラインナップは、親会社が同じドイツのオペルとの兄弟車となっていたが、クレスタはボクスホール独自のモデルをそろえていた時代のアッパーミドルサルーン。1954年に初代がデビュー、1965年に登場した4代目(写真)が最終世代だった。これは初代以来の小型版シボレーともいうべきオーソドックスな設計で、当時流行していたコークボトルラインを採り入れた全長約4.7m、全幅1.8m弱の4ドアセダンまたは5ドアワゴンボディーに3.3リッター直6 OHVエンジンを搭載、1972年までつくられた。
1980年に誕生したトヨタ版もアッパーミドルサルーン。それから半年遅れて世代交代した4代目マークII/2代目チェイサーと基本設計を共有する4ドアピラードハードトップで、5ナンバーフルサイズに迫るボディーに新開発された2リッター直6 SOHCの1G-EU型などのエンジンを搭載していた。
1984年に登場した2代目からボディーはサッシュ付きドアを持つ4ドアセダンに変わり、マークIIおよびチェイサーとの、いわゆる“マークII 3兄弟”のなかで、最も落ち着いた大人向けのクルマとなる。この2代目から次の3代目にかけて、兄弟そろってハイソカーブームをけん引し、最盛期には3兄弟合わせて月販5万台というビッグヒットとなった。1992年に世代交代した4代目からは税制改正を受けてボディーを3ナンバーサイズに拡大、エンジンも2.5リッターが主流となる。その後1996年に登場した5代目が2001年にチェイサーともども生産終了、5世代21年でクレスタの名は消えた。
[ガズー編集部]
【連載全18話】なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
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第1話 ジャガー・マーク2 & トヨタ・マークII
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第2話 シンガー・ガゼル & 日産ガゼール
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第3話 シボレー・モンテカルロ & ランチア・モンテカルロ
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第4話 MGミジェット & ダイハツ・ミゼット
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第5話 リライアント・リーガル & ビュイック・リーガル
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第6話 マセラティ・ボーラ & フォルクスワーゲン・ボーラ
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第7話 トヨタ・コルサ & オペル・コルサ
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第8話 トライアンフ・トレド & セアト・トレド
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第9話 リライアント・セイバー & ホンダ・セイバー
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第10話 マセラティ・ミストラル & 日産ミストラル
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第11話 リンカーン・コンチネンタル & ベントレー・コンチネンタル
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第12話 ボクスホール・クレスタ & トヨタ・クレスタ
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第13話 マーキュリー・モンテゴ & オースチン/MGモンテゴ
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第14話 ウーズレー・ホーネット & AMCホーネット
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第15話 ハンバー・セプター&トヨタ・セプター
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第16話 AMCアンバサダー & ヒンドゥスタン・アンバサダー & オースチン・アンバサダー
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第17話 DKWモンツァ & シボレー・モンザ & オペル・モンザ & フェラーリ・モンツァSP1/SP2
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第18話 ビュイック・センチュリー & トヨタ・センチュリー