キャデラック・・・フェンダー美人なクルマ特集
タイヤを覆うフェンダーは、クルマのエクステリアデザインを決める大事な要素。今回の特集では、フェンダーのデザインが印象的なクルマを、日本車を中心に紹介します。
1959年型キャデラック
リアフェンダー後端が航空機の垂直尾翼のように跳ね上がったテールフィン。その始まりは1948年型キャデラックといわれ、当初はフィッシュテール(魚の尾びれ)と呼ばれる控えめなものだった。1950年代中盤からアメリカではほとんどの車種がテールフィンを生やし、年を追って競い合うように大きく派手に成長。やがてその流行は世界中に波及し、メルセデス・ベンツまでもが採り入れた。
そのテールフィンの勢いがピークに達したのが、1959年型キャデラック(写真は最高級パーソナルクーペのエルドラド セビル)である。全長5.7m、全幅2mの巨大なボディー後端の、リアバンパーと一体化したロケットの噴射口を思わせるテールランプの上にそびえ立つテールフィン。鋭角にとがった頂部までの高さは、地面から42インチ(約107cm)といわれた。
巨大化した恐竜が生き永らえなかったように、リアフェンダーのテールフィンは、翌1960年型からキャデラックに限らずアメリカ車全般で縮小。元祖であるキャデラックは最後までテールフィンにこだわったが、それでも1960年代中盤にはほぼ消滅。以後、今日まで復活することはなかった。
[ガズー編集部]







