【連載全16話】第6話 ダットサン・サニー1200クーペGX・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

ダットサン・サニー1200クーペGX

「隣のクルマが小さく見えます」という挑発的なキャッチコピーを掲げて、1970年に世代交代した2代目サニー(型式名:B110)。“隣のクルマ”がライバルのトヨタ・カローラを指していることは明らかだったが、それはさておき、3カ月後に4ドアセダンと2ドアクーペに加えられたサニーシリーズ初となる本格的な高性能モデルが1200GXだった。

クーペで車重705kgと軽量かつ空力特性も良好だったボディーに積まれた1.2リッター直4 OHVのA12型エンジンは、SUツインキャブを備えて最高出力83PSを発生。絶対的なパワーはともかくOHVながらよく回り、レスポンスのよさにも定評があった。フロントがストラット、リアがリーフリジッドの足まわりを含め全体の設計はオーソドックスなものだったが、トータルバランスに優れ、軽快な走行性能を誇った。

1972年には1速が左手前にあり、2~5速でH型を形成する通称レーシングパターンを採用した5段MTを備える1200GX5を追加設定。シフトパターンのみならず、中身についても5速のギア比がオーバートップではなく1.000の“直結5速”、2~4速がクロスレシオという本格派で、さらに走りに磨きをかけた。そのスポーティーな資質を生かし、レースでも大活躍。ホモロゲーション(公認)が切れるまで10年以上も競争力を保ち続けるという異例の強さをみせた。

[GAZOO編集部]

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