【連載全16話】第8話 三菱ランサー1600GSR・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

三菱ランサー1600GSR

2ストローク3気筒エンジン搭載のコルト800に始まるコルト ファストバックシリーズがフェードアウトした後、しばしの空白を経て1973年に登場した三菱の大衆車が初代ランサーである。カローラ/サニー級のノッチバックの2ドア/4ドアセダンボディーに1.2リッター直4 OHV、1.4リッター/1.6リッターの直4 SOHCエンジンを搭載して後輪を駆動。サスペンションは前がストラットの独立、後ろはリーフリジッドというごくオーソドックスな設計だった。

発売当初はファミリー向けのおとなしいグレードが主体だったが、半年後に加えられたホットモデルが1600GSRである。2ドアボディーに2基のストロンバーグキャブを備えて最高出力110PSを発生する1.6リッター直4 SOHCエンジンと5段MTを搭載。車重825kgという軽量ボディーとピックアップのいいエンジンを、素直な操縦性を示すシャシーと組み合わせることで、軽快な走りを実現していた。

そのポテンシャルの高さを実証したのが、海外ラリーにおける活躍。発売年である1973年にオーストラリアのサザンクロスラリーでデビューウィンを挙げ、同ラリーを1976年まで4連覇。1974年の東アフリカ・サファリラリーでも初出場で総合優勝(サファリ仕様は4ドアなので、厳密には2ドアのみの1600GSRベースではないが)という快挙を成し遂げ、さらに1976年の同ラリーでも総合優勝を飾ったのだった。

[GAZOO編集部]

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