【連載全16話】第14話 いすゞ・アスカ・・・日本生まれのFF車特集

現在、エンジンを搭載するクルマではFF(フロントエンジン・フロントドライブ)という駆動方式が主流です。では、これまでどんなモデルがあったでしょうか? 自動車史に名を残すFFの日本車を週替わりで紹介します。

いすゞ・アスカ

日本初のFFを導入した小型トラックであるエルフ マイパックを1972年にリリースしてはいたものの、いすゞ製乗用車では初のFF車となるのが、1983年3月に登場したアスカである。オペル・カデットなどと基本設計を共有する初代ジェミニに続いて、当時いすゞと提携していたゼネラルモーターズ(GM)のグローバルカー構想に基づく第2弾で、いすゞオリジナルの中級サルーンであるフローリアンの後継モデルとなることから、発売当初はフローリアン アスカと名乗った。

コードネームを「Jカー」といい、ドイツのオペル・アスコナ、アメリカのキャデラック・シマロンやシボレー・キャバリエなどと基本設計を共有するものの、4ドアセダンのみとなるアスカのボディーは独自のものである。パワーユニットもいすゞ設計の1.8リッター/2リッター直4 SOHCで、2リッターにはターボ仕様も用意。いすゞお得意の2リッター直4 SOHCディーゼルも設定され、ひと足遅れてターボディーゼルも加えられた。

1984年には5段MTの変速操作をコンピューター制御する、NAVi-5と名乗る2ペダルのロボタイズドMT仕様を世界に先駆けて追加設定。1985年にはオペルのチューナーとして知られるドイツのイルムシャー社が、2リッターターボ車をベースに足まわりをチューンし、エアロパーツやレカロシートなどを備えたイルムシャー仕様も加えられた。1989年に生産終了、翌1990年に登場した後継車種のアスカCXは初代スバル・レガシィのOEMモデルとなってしまった。

[GAZOO編集部]

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