【連載全20話】第5話 日産スカイライン2000GT-R・・・「GT」を名乗った日本の名車

今回は、長距離ツアラーとしての優れた性能から、車名に「GT」が添えられた名車を特集。なかでもクルマ好きに広く知られた日本車をピックアップし、週替わりで紹介します。

日産スカイライン2000GT-R

1968年に登場した3代目スカイライン(型式C10)。追って4ドアセダンボディーのノーズを延ばして2リッター直6 SOHCエンジンを積むという、先代と同じ手法でつくられた2000GT(GC10)が加えられた。それをベースに同年の東京モーターショーに参考出品され、翌1969年に市販開始されたモデルが2000GT-R(PGC10)である。GT-RのRはもちろんRacingを意味し、この連載の第2話で紹介したスカイラインGTが生んだ「スカイライン伝説」をさらに盤石とすべく、ツーリングカーレースでの勝利を宿命づけられたモデルだった。

軽量化のために装飾が簡素化されたボディーに積まれたエンジンは、プロトタイプスポーツ、R380用の純レーシングユニットであるGR8型をベースに量産化すべく再設計されたS20型。2リッター直6 DOHCで、量産市販車用エンジンとしては世界で初めて1気筒あたり4バルブを採用し、ソレックスのツインチョークキャブレターを3連装して最高出力160PS、最大トルク18.0kgf・mという当時の国産2リッター級では最強のパワーを発生した。

5段MTやLSD、バケットシート、100リッターの燃料タンクなどのスポーツ走行に向けた専用部品は標準装備だったが、走りに不要なラジオやヒーターはオプション扱い。ダイレクトなフィールを求めてブレーキのマスターバック(サーボ)も省かれていた。限定車や特別仕様ではなく通常のカタログモデルだが、実質的には競技用ベース車両に近かったのである。

価格は150万円。ベースとなった直6 SOHCのL20型搭載の2000GTは86万円だったから、S20型の搭載によって7割以上も高価となったわけだ。その後はマイナーチェンジを挟んで、1970年に運動性能を高めるべくホイールベースを短縮した2ドアハードトップボディーのハードトップ2000GT-R(KPGC10)に切り替わる。肝心のレースではセダン、ハードトップを合わせて49連勝を含む50数勝を挙げ、「スカイライン伝説」最大の担い手となった。そしていつからか「ハコスカ」の愛称で呼ばれ、国産旧車を代表する人気車種となった3代目スカイラインのなかでも、別格的存在としてあがめられている。

[GAZOO編集部]

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