【連載全20話】第11話 トヨタ・ソアラ2800GT・・・「GT」を名乗った日本の名車

今回は、長距離ツアラーとしての優れた性能から、車名に「GT」が添えられた名車を特集。なかでもクルマ好きに広く知られた日本車をピックアップし、週替わりで紹介します。

トヨタ・ソアラ2800GT

1973年に起きた第1次石油危機に起因する世間の省資源ムード、そして1975年に始まった本格的な排出ガス規制によるパワーダウン。ハイパフォーマンスカーにとって、1970年代後半の日本はまさに暗黒時代だった。メーカー各社が難問とした排ガス規制対策にどうにかひと区切りついた1981年、そうした重苦しい空気に別れを告げるファンファーレのように「未体験ゾーンへ。」というキャッチコピーを掲げ、自ら「SUPER GRAN TURISMO(スーパーグランツーリスモ)」と称したモデルが初代ソアラである。

メルセデス・ベンツSLCやBMW 6シリーズなど欧州の高級かつ高性能なパーソナルカーの分野に初めて挑んだ日本車で、国内専用車だったにもかかわらずデビュー時のメディア向け試乗会をドイツのアウトバーンで開催するなどして高速性能をアピール。かつてのトヨタ2000GTがそうだったように、1980年代に向けたトヨタのイメージリーダーとしての役割も担っていた。

車体はまったく新規に開発され、四輪独立懸架、四輪ディスクブレーキやパワーアシスト付きラック&ピニオンのステアリング(最廉価グレードを除く)などを備えたシャシーに端正なノッチバックの2ドアクーペボディーを架装。上位グレードの2800GT/2800GTエクストラには、クラウンなどに積まれていた2.8リッターSOHCの5M-EU型をベースにツインカム化した、トヨタとしては2000GT用の3M型以来となる直列6気筒DOHCの5M-GEU型ユニットを搭載。最高出力170PS、最大トルク24.0kgf・mを発生し、自動車専門誌のテストでは5段MT仕様の最高速度が200km/hオーバーの202.9km/hを記録。ハイパフォーマンスカーの復権を実感させた。

上位グレードに採用された、デジタル表示のスピードメーターとLEDのタコメーターを組み合わせた日本初のエレクトロニック・ディスプレイメーター、マイコン式オートエアコン、ライトの消し忘れや半ドアなど5項目を音声で警告するエレクトロニック・スピークモニターなど、電子技術を駆使した先進装備も話題を呼んだ。カローラの量販グレードが100万円未満だった時代に2800GTエクストラでは300万円近い高価格だったにもかかわらずヒットし、ハイソカーブームを創出した。

[GAZOO編集部]

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