日産ガゼール…生き物の名前が付いたクルマ特集
大自然の中を駆ける動物や、大空を舞う鳥、そして海洋生物――今回は、そうした“生き物”の名前を車名に冠した世界の名車をピックアップ。どんなクルマだったのか、週替わりで紹介します。
日産ガゼール
1979年に3代目シルビア(S110)の販売店違いの双子車として誕生したスペシャルティーカー。ガゼール(gazelle。一般的にはガゼルと表記)とは、アフリカおよびアジアの乾燥地帯に住む、シカに似たウシ科の動物を指す英語である。
2代目バイオレット(A10)をベースとするシャシーに2ドアノッチバッククーペボディーを載せたもので、デビュー当初のエンジンは1.8リッター/2リッターの直4 SOHC。遅れて3ドアハッチバッククーペや1.8リッターターボエンジン搭載車、そしてスカイラインRSと同じ2リッターDOHC 16バルブエンジンを2ドアボディーに積んだ2000RSなども追加された。
1983年にシルビアと同時に世代交代して2代目(S12)に。空力に配慮して角が丸くなり、リトラクタブルヘッドライトを備えたボディーは先代と同じく2ドアノッチバッククーペと3ドアハッチバッククーペの2種。下位グレードを除き4輪独立懸架を採用するなどグレードアップしたシャシーに、2リッターDOHC 16バルブターボを頂点とする4種のエンジンをラインナップしていた。
後のS13シルビアと180SXのようにボディーが異なるわけでもなく、もともと存在意義が乏しかった面もあり、1986年のシルビアのマイナーチェンジの際にガゼールは廃止。2世代、約7年の寿命だった。ちなみに英国では、日産より前にシンガーが同名(gazelle)のモデルを出していたが、これはバッジエンジニアリングによる、日本でもいすゞがライセンス生産していたヒルマン・ミンクスの兄弟車だった。
[ガズー編集部]