【連載全11話】第2話 シボレー・コルベット・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

シボレー・コルベット

1953年にアメリカ車としては初となる本格的な量産スポーツカーとして誕生したシボレー・コルベット(C1)。第2次大戦後、世界中の富が集中していたアメリカに続々と上陸した欧州製スポーツカーに対抗して、世界一の自動車メーカーだったゼネラルモーターズ(GM)が、そのまた最量販ブランドだったシボレーからイメージリーダーの役割も兼ねてリリースしたのである。

その最大の特徴は、別体式のスチールフレームに載る2座ロードスターボディーがFRP製だったこと。小メーカーの少量生産車には採用例はあったが、量産車となると世界初だった。ただしエンジンは3.9リッター直列6気筒OHVで、最高出力は補機類を何も付けないSAE規格で150PS。加えて変速機は2段ATのみとあって、スポーツカーを名乗るには性能的に少々物足りなかった。

だが1955年に4.3リッターV8ユニットや3段MTを加えたのを皮切りに徐々に高性能化していく。1963年に登場した“スティングレイ”のサブネームが付いた2代目(C2)では、まだ珍しかったリトラクタブルヘッドランプを備えたボディーにクローズドクーペも用意されるようになり、シャシーも4輪独立懸架となるなど、より本格的なスポーツカーに進化した。

その後もクルマを取り巻く環境の変化にも負けず、アメリカ唯一の量産スポーツカーとして歴史を刻んできた。2023年には、スポーツカーとしてだけでなく乗用車としても文句なしの、世界一の長命である生誕70周年を迎えた。現行モデルは2020年に登場した8代目(C8)。駆動方式を初代以来のFRからミドシップ(MR)に転換したが、FRP製ボディーは伝統として受け継がれている。

[GAZOO編集部]

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