【連載全11話】第4話 日産スカイライン・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

日産スカイライン

さかのぼること60余年の1957年に誕生した、日産で最も古い歴史を持つ車名であるスカイライン。だが初代(ALSI型)のつくり手は日産ではなく、1966年に日産に吸収合併されたプリンスというメーカー。後輪懸架にド・ディオンアクスルを採用するなど技術的には進んでいたが、後に形成されたスポーティーな印象は皆無に近い5ナンバーフルサイズの高級セダンで、2年ほど先行して生まれたトヨタのクラウンに対抗する存在だった。

1963年に登場した2代目(S50)は、ベストセラーだった日産のブルーバードやトヨタのコロナなどと市場を争う1.5リッター級のファミリーセダンへとコンセプトを変更した。これをベースにノーズを延ばして2リッター直列6気筒SOHCエンジンを積んだ、レース用ホモロゲーションモデルのスカイラインGTが第2回日本グランプリで健闘したことから世に言う“スカイライン神話”が萌芽(ほうが)。スポーティーなセダンというイメージが生まれた。そして看板をプリンスから日産に掛け替えた後、3代目(C10)をベースに1969年に加えられた2リッター直6 DOHC 24バルブエンジン搭載の2000GT-Rのレースにおける活躍によって神話はより強固となった。

1989年に登場した8代目(R32)では、2.6リッター直6 DOHCツインターボユニットやフルタイム4WDなどのハイテクで武装したGT-Rが16年ぶりに復活。ここから3世代続いたGT-Rにより、高性能車としての神話はほぼ完結した。その後2001年に登場した11代目(V35)では、北米を中心とする海外では高級ブランドのインフィニティを冠するスポーティーな高級なサルーンにポジションを移行。13代目となる2013年以来の現行モデル(V37)もその路線をキープ。現在は日産の国内向けラインナップでは唯一のセダンとなっている。

[GAZOO編集部]

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