ルノー5ターボ…記憶に残るミドシップ車
優れたコーナリング性能を実現するために、質量の大きなエンジンを車体の中央にレイアウトした“ミドシップ車”。今回は、その中でもちょっとマニアックな個性派モデルを紹介します。
ルノー5ターボ
コンパクトな3ドアハッチバックであるルノー5の後席部分にターボエンジンを積むという、大胆な手法で造られたミドシップマシン。ラリー用のホモロゲーションモデルとして企画され、1978年のパリサロンでデビュー、1980年に市販化された。
リアフェンダーが大きく張り出した迫力たっぷりのボディーは、ルーフやドア、テールゲートがアルミ製で、そのほかのパネルも薄い鋼板。縦置きでミドシップされるエンジンは1.4リッター直4 OHVだが、空冷式インタークーラー付きのターボを装着して最高出力160psを発生。5段MTを介して後輪を駆動した。
ハイパフォーマンスの競技用ベース車にもかかわらず、インテリアはイタリアの著名なデザイナーであるマリオ・ベリーニの手になるスタイリッシュな意匠で、シートも専用の革張り。アルピーヌの工場で生産され、価格はアルピーヌA310より高価だった。1982年にはボディーを全スチール製とし、内装をFFの5アルピーヌ ターボと同じにするなどして大幅にコストダウンした、5ターボ2が登場した。
当時はルノーがF1に注力していたため、ラリーへの参戦はフランス国内戦が主体だったが、WRCでも1981年から86年までに4勝を挙げている。
[ガズー編集部]
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