マツダ・サバンナRX-7…リトラクタブルヘッドランプのクルマ特集

パタパタとまばたきするようなアクションが印象的だった、リトラクタブルヘッドランプのクルマたち。その中から、記憶に残る国産車を紹介します。

マツダ・サバンナRX-7

石油危機と排ガス規制というダブルパンチを浴びた後遺症が尾を引き、国産スポーツカー不毛の時代だった1978年に、彗星(すいせい)のごとくデビューした初代サバンナRX-7(SA22C)。低いノーズの先端に国産ではトヨタ2000GT以来となるリトラクタブルヘッドライトを備えたその姿は、まごうかたなきスポーツカーだった。だが、世間に漂っていた高性能車に批判的な空気に配慮して、マツダでは“ロータリー・スペシャルティ”と称していた。

1960年代にマツダが社運を賭して開発し、実用化に成功したロータリーエンジン。一時は未来のエンジンと目され多くのメーカーが開発していたが、石油危機後は燃費がネックとなり苦戦していた。RX-7はそのロータリーを、軽量でコンパクトながらハイパワーというメリットを生かすべくフロントミドシップに搭載。低重心と理想的な前後重量配分を実現し、スポーツカーにふさわしい運動性能を追求した。

573cc×2の排気量から最高出力130ps を発生する12A型ロータリーエンジンを搭載したRX-7は、自動車専門誌のテストで0-400m加速16.6秒、0-100km/h加速9.9秒を記録。これは排ガス対策が施された当時の国産車の中では、ずば抜けた動力性能だった。コストパフォーマンスも高くセールスは好調で、日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞。マツダは青息吐息だったロータリーエンジンを、スポーツカー用ユニットとして見事に復活させた。そしてRX-7は、2代目(FC3S)、そして3代目(FD3S)へと進化していくのである。

[ガズー編集部]