スバル・アルシオーネ…リトラクタブルヘッドランプのクルマ特集

パタパタとまばたきするようなアクションが印象的だった、リトラクタブルヘッドランプのクルマたち。その中から、記憶に残る国産車を紹介します。

スバル・アルシオーネ

対米輸出を主眼にイメージリーダーとして開発され、1985年にデビューしたスバル初のスペシャルティーカー。2ドアクーペボディーは、エンジン高の低いボクサーユニットのメリットを生かし、リトラクタブルライトを備えた低いノーズからハイデッキのリアに向かって強烈なウエッジシェイプを描く。空力性能を徹底的に追求した結果、日本車で初めて0.30を下回る0.29のCd値を誇り、前衛的な雰囲気を漂わせていた。

シャシーは3代目レオーネと基本的に共通だが、トップグレードにはハイトコントロール付き電子制御エアサスペンションを装備。エンジンもレオーネと同じ1.8リッター水平対向4気筒SOHCターボで、駆動方式はパートタイム4WDとFFが用意された。

1987年には1.8リッターのフラット4に2気筒を加えた2.7リッターのフラット6を積み、量販車としては世界初という電子制御アクティブトルクスプリット4WDを備えたモデルが追加された。1991年に後継となる新たなフラッグシップのアルシオーネSVXが登場するが、ジウジアーロがデザインしたボディーのヘッドライトは固定式だった。結果的にアルシオーネは、スバル唯一のリトラクタブルライト装着車となったのだった。

[ガズー編集部]