トヨタ・ターセル/コルサ/カローラII リトラ…リトラクタブルヘッドランプのクルマ特集

パタパタとまばたきするようなアクションが印象的だった、リトラクタブルヘッドランプのクルマたち。その中から、記憶に残る国産車を紹介します。

トヨタ・ターセル/コルサ/カローラII リトラ

1978年にトヨタ初のFF車として誕生したターセルとその双子車のコルサ。1982年に2代目に進化した際にカローラIIを加えて3兄弟となった後、1986年に3代目へと世代交代を果たす。ボディーは3ドア/5ドアハッチバックとノッチバックの4ドアセダン(ターセル/コルサのみ)だが、後者は2代目のマイナーチェンジにとどまった。

このうち3ドアハッチバックのノーズを低め、リトラクタブルヘッドライトを備えたモデルが、その名も“リトラ”である。過去2代のエンジン縦置きから横置きFFへと変更されたシャシーに載るパワーユニットは、直4 SOHC 12バルブの1.5リッターのみ。リトラはスポーティーなトップグレードという扱いで、普通の3ドアハッチバックに用意された1.3リッターは載らなかった。そしてデビューから4カ月後に、1.5リッターターボユニットを搭載した1500GPターボが追加され、ルックスにふさわしい心臓を得た。

海外ではもっぱらスポーツカーやスペシャルティーカー専用だったリトラクタブルライトを、実用的なサルーンやハッチバックにも与えたのは、1980~90年代の日本だけである。その日本でも、現在で言うところのBセグメント以下の大衆車への採用例となると、この代のターセル/コルサ/カローラIIのリトラが唯一の存在。“なんでもありの80年代”だからこそ生まれたモデルといえる。

[ガズー編集部]