日産180SX…リトラクタブルヘッドランプのクルマ特集

パタパタとまばたきするようなアクションが印象的だった、リトラクタブルヘッドランプのクルマたち。その中から、記憶に残る国産車を紹介します。

日産180SX

1989年にデビューした3ドアハッチバッククーペ。リトラクタブルライトを備えた顔つきをはじめ、スタイリングは独自のものだが、RS13という型式名が示すように、実体は前年の1988年に登場したS13こと5代目シルビアの兄弟車。3代目/4代目シルビアに存在した3ドアハッチバッククーペの、実質的な後継モデルである。ちなみにリトラクタブルライトは、ヘッドライトの高さを北米の保安基準に適合させるために採用されたもので、ゆえに輸出仕様のシルビアは180SXと同様の顔つきを与えられていた。

ボディーパネルはドアのみシルビアと共通で、あとはすべて専用だが、内装はシルビアに準じていた。エンジンは1.8リッター直4 DOHCターボのみで、シルビアに用意されていた自然吸気版は載らなかった。デートカー需要に向けた軟派グレードも設定していたシルビアに対し、よりスポーツ志向が強かったといえる。

1991年のマイナーチェンジでシルビアと共にターボエンジンを2リッターに拡大するが、車名は180SXのままだった。1993年にシルビアは6代目S14にフルモデルチェンジされるが、3ナンバーサイズに大型化したボディーのせいで不評だったこともあり、180SXはそのまま継続生産される。そして1996年には自然吸気の2リッターエンジンを追加するなどして、1998年に生産終了するまでシルビア2世代分を生き延びたのだった。

[ガズー編集部]