マツダ・ユーノス・ロードスター…リトラクタブルヘッドランプのクルマ特集

パタパタとまばたきするようなアクションが印象的だった、リトラクタブルヘッドランプのクルマたち。その中から、記憶に残る国産車を紹介します。

ユーノス・ロードスター

トヨタ・セルシオ、スカイラインGT-R(BNR32)など、日本のみならず世界中のメーカーに影響を与えたモデルがデビューし、後に「日本車のヴィンテージイヤー」と呼ばれた1989年に登場した、もう1台の傑作がユーノス・ロードスター(NA)である。当時絶滅していた、「軽量、コンパクトで安価」という、スポーツカーの原点ともいえるオープン2座のライトウェイトスポーツの概念をよみがえらせたモデルだった。

ユーノス・ロードスターのスタイリングの大きな特徴が、リトラクタブルヘッドライトだ。それがもたらすルックスゆえに、ロータス・エランとの近似性を指摘する声もあったが、ユーノスはロータスのような凝った成り立ちではない。コンセプト的には、英国車でいえばMGやオースチン・ヒーレーなどに通じる、大量生産を前提としたスポーツカーだった。

発売されたユーノス・ロードスターを、世界中のエンスージアストは歓喜して迎えた。それを見た他社が続々と後追いモデルを送り出したことで、1990年代には世界規模でのオープンスポーツカーブームが起きた。それらフォロワーの多くが長続きしなかったのに対して、口火を切ったユーノス・ロードスター(2代目以降のブランド名はマツダ)は4代目まで進化し、2016年には累計生産台数100万台を突破した。リトラクタブルライトを備えているのは初代NAのみだが、そのNAをこよなく愛するファンのために、2017年末からマツダは自らレストアサービスを開始した。

[ガズー編集部]