ルノー・アルピーヌA110…WRC参戦マシンのベース車特集

ラリーの最高峰であるWRC(世界ラリー選手権)において、トヨタはこれまでセリカやカローラ、ヤリスで戦ってきました。今回は、さまざまなWRC参戦マシンの中から、ラリー史に名を残す代表車種をピックアップ。そのベースモデルを週替わりで紹介します。

アルピーヌA110

復活というべきか新生というべきか、新たなA110のデビューが話題を呼んでいるアルピーヌ。戦後の1950年代に、大衆車であるルノー4CVのスペシャルからスタートした、スポーツカーメーカー/レーシングカーコンストラクターである。その最大の成功作が、1962年にデビューしたA110だった。

鋼管バックボーンを核とするシャシーに、軽量でコンパクトなFRP製2座ボディーを架装。サスペンションなどメカニカルコンポーネンツは、同年に登場したルノーの小型サルーンであるR8からの流用で、エンジンもR8の1リッター直4 OHVをチューンしてシャシー後端に搭載していた。ホイールベース2100mm、全長3850mmという寸法はモデルライフを通じて変わらなかったものの、前後のトレッドと全幅は徐々に拡大。エンジンも当初の1リッターから1.3リッター、1.5リッター、1.6リッターへと排気量が増やされ、ポテンシャルが高められていった。

デビュー当初からフランスラリー選手権や欧州ラリー選手権で好成績を残しており、1973年に開始されたWRC(世界ラリー選手権)には、1.8リッターエンジンを積んだグループ4(当時の規定では連続する12カ月に500台生産)仕様のマシンで参戦。初戦のモンテカルロで表彰台を独占したのをはじめ、全13戦中6勝を挙げ、2位に大差をつけてWRCの初代チャンピオンマシンに輝いた。

[ガズー編集部]