ランチア・ラリー037…WRC参戦マシンのベース車特集

ラリーの最高峰であるWRC(世界ラリー選手権)において、トヨタはこれまでセリカやカローラ、ヤリスで戦ってきました。今回は、さまざまなWRC参戦マシンの中から、ラリー史に名を残す代表車種をピックアップ。そのベースモデルを週替わりで紹介します。

ランチア・ラリー037

1982年から導入されたグループB規定に合わせ、フィアットグループが131アバルト ラリーに代わるWRCウエポンとして同年にリリースしたマシン。すでにWRCでは4WDのアウディ・クワトロが活躍していたが、フィアットグループはノウハウの少ない4WDではなく、ストラトスで経験のあるMRの駆動方式を選択した。

アバルトが開発を主導し、シャシーはベータ モンテカルロのモノコックをベースに、ジャンパオロ・ダラーラが設計。ミドシップされた2リッター直4 DOHC 16バルブエンジンはスーパーチャージャーでスープアップ。ラリー車としては異例に洗練されたスタイリングは、ベータ モンテカルロと同様にピニンファリーナの作で、生産も同社が担当した。

WRCには1982年の第5戦ツール・ド・コルスでデビュー。翌83年には全12戦中、アウディ・クワトロと並ぶ5勝を挙げメイクスタイトルを獲得したが、これはWRCにおいて2WD車が勝ち取った最後のタイトルとなった。

[ガズー編集部]

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