【東京オートサロン2018特集】トラック用やデニム生地などで話題沸騰!バケットシートの新たな可能性を求めて

華やかなカスタムカーが並ぶホールに鎮座した、場違いとも思える大型トラック。搬入作業車の置き忘れ…ではなく、シートメーカー・ブリッドの新製品『ZAOU』を装着した、れっきとした展示車両の1台なのだ。

国産のスポーツシートとして高い人気を誇るブリッド。スーパーGTのようなトップカテゴリーから、ストリート向けまで幅広いアイテムを揃えている。
そんなブリッドが、東京オートサロン2018では今までにない新たな提案で初日からギャラリーの注目を集めていた。
業界初となるトラック専用シート、まずは一般的なスポーツシートとの違いを見てみよう。

改めて説明するまでもないが、トラックは長時間の運転が当たり前であり、ドライバーの疲労軽減が大きなテーマとなる。
適度に身体をホールドしてくれる背もたれの形状、高い位置のキャビンに乗り降りしやすいフラットな座面、滑りにくく通気性にも優れた生地などを採用し、運送業の労働環境改善に大きく貢献する、スポーツシートの新境地といえるだろう。
モータースポーツでもドライバーの疲労軽減は課題のひとつであり、集中力の欠如や操作ミスを防ぐためにも、シートが果たす役割は決して小さくない。ブリッドではレース用シートの開発において、疲労軽減に関するノウハウも豊富に蓄積している。それらのデータは当然ながら、この『ZAOU』にもフィードバックされているのだ。

高級感あるスウェード調の生地をメインとしつつ、センター部にはキルティング調のステッチが入る。乗り降りするとき擦れやすいサイドには、カーボン調のPVC(ポリ塩化ビニール)を使うことで、耐久性を高めつつスポーティさを演出。装着には『スーパーシートレールMOタイプ』が必要で、適合は主要メーカーのトラックを幅広くカバーする。価格は10万8000円の予定で、春ごろの発売を見込んでいるとのこと。別売りのアームレストは7000円で左右いずれにも装着可能だ。

シートだけではなく、実はシートレールにも秘密が!! デルタ工業とのコラボにより、路面からの振動や揺れを吸収するシステムを採用したシートレールを組み合わせているのだ。「ブリッドではこれまでもハイエースやプロボックスなどにバケットシートを提案してきましたが、トラック用はさらに上をいく仕上がりです!」とは、ブリッドの広報・笹尾さん。

もうひとつの新しい提案がコチラ。岡山県でジーンズを生産する『ベティスミス』と、コラボレーションしたバケットシートだ。現在は耐久性や色移りなどのテスト中で、リリース時期や価格は未定としていながらも、デニム生地の持つカジュアルな雰囲気は、スポーツシートに敷居の高さを感じる人に対し、高い訴求力を持つこと確実だろう。

ブースに展示されたのは『ジータⅢ』と『ユーロスターⅡ』がベースの『インディゴブルー』、そして『ビオスⅢ』をベースとした『ブリーチブルー』の3モデル。今後もデニム生地を使ったシートの開発を進め、グッズを含めたシリーズ化を計画中とのことなので期待したい!

他メーカーとのコラボレーションによる新感覚シートはコチラも。座面に3D-NETと呼ばれる三次元立体編物を使用し、快適性を高めたシート『ミューレン』を生産する、デルタ工業との提携で誕生した『BRIDE×Mu-Len Fantasista Monte Micra』だ。

長時間のドライブでも疲れにくい構造で、かつ蒸れにくい特性の『ミューレン』に、ブリッドが培ってきたスポーツシートのノウハウをドッキング。まだ参考出品ではあるものの、初のアイテムとしてこのロードスター専用シートが誕生した。ショルダーサポートの大きさは控えめながら、生地や内部構造により踏ん張り感が強く、操縦安定性アップに貢献している。

同じく参考出品の『ジータⅢキング』。名前のとおりブリッドの定番アイテムである、『ジータⅢ』をベースにしたスペシャルモデルだ。各部に用いられた鮮やかなグリーンは、ブリッドのアドバイザーであるドリキンこと土屋圭市氏のイメージカラー。またメーカーロゴに重ねて『KING』の刺繍が施され、シートバックはファブリックで包まれ車検もこのままパスできる。ホールド性能から見た目のゴージャスさまで、キングの名を冠するに相応しいバケットシートといえるだろう。

東京オートサロンでの恒例となった、ブリッドの試座コーナーは今年も大盛況。輸入車に向けたブランド『エディルブ』を含め、20を軽く上まわるシートを、実際に座って体験できる貴重なチャンスだ。運転中は常に身体と接しており、操作性や疲労軽減に大きく影響するパーツだけに、こうした機会を上手く活用し自分にピッタリのシートを選びたい。

[ガズー編集部]

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