【東京オートサロン2019】BHオークションに出品された珠玉の名車たちを紹介

東京オートサロン2019(1月11日~13日、幕張メッセ)の初日に行われた「東京オートサロン・オークションwith BH Auction」。クルマファン垂涎の名車たちが次々にオークションにかけられていく様子を、現地で見た人も多いと思います。ここではオークションに出品された珠玉の名車、50台の中から、特に印象に残ったクルマをピックアップ。筆者の思い入れも含めて紹介させていただきます。なお、落札された17台の写真と落札価格は他のページに掲載されていますので、そちらもご覧ください。

Lot.009 2009 SUPERFORMANCE GT40 Mk I

落札金額1020万円

フォードGT40 MK Iのライセンス付きレプリカ。スーパーカーのライセンス付き復刻モデルを手がけるスーパーパフォーマンス社によって2009年に製造されました。パっと見はル・マンを制したフォードGT40そのもの。資料を見るまでは本物だと思っていました。サーキット走行も可能なので、自分で操りながらル・マン気分に浸ってみたい。1020万円という落札金額はバーゲンプライスです。

Lot.014 1955 MERCEDES-BENZ 300 SL GULLWING AMG

商談成立

クラシックメルセデスの中でも最高レベルの希少価値を持つモデルです。しかも、この個体は右ハンドル。1955年式の300 SLは11台しか作られていないそうで、右ハンドルはその内の2台だけ。ガルウイングドアを持った流麗なクーペスタイルは、後にSLRマクラーレンやSLSに引き継がれています。

Lot.017 1972 NISSAN FAIRLADY Z432 BASE VEHICLE FOR RESTORATION

落札価格700万円

今回のオークションで最大の驚きを感じた出品物がこれ。会場で写真を撮っている時、部品の山がどういう意味を持つのかわかりませんでした。でも「BASE VEHICLE FOR RESTORATION」というネーミングを見て解決。レストア前提のバラバラ状態での出品なのです。マニアック過ぎて、チンプンカンプンという人もいると思いますが、700万円でSOLD。つまり、フェアレディZ432の部品はそれだけ価値があるということですね。

Lot.020 1993 NIKKO KYOSEKI SKYLINE GT-R GP-1 PLUS(BNR32-GROUP A)

商談中

多くのクルマ好きを虜にしたツーリングカーの王者、グループA仕様のスカイラインGT-Rの登場です。あのGT-Rがお金を払えれば自分の物になるなんて、いい時代になりましたよね。定番のカルソニック仕様のGT-Rは、今でもニスモフェスティバルで活躍中です。残念ながら落札には至りませんでしたが、みんなで夢を見ることはできました。このクルマが現役当時のドライバー、飯田章さんが乗って登場したのも心憎い演出です。

Lot.024 1973 NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110)

未成立

ある意味、究極のコレクタブルカーと言えるのが、このケンメリGT-R。なぜならケンメリGT-R自体、生産台数が197台と少ない上に、非常に珍しいレッドのボディカラーだからです。しかも、走行距離は奇跡の1万5000km! 一体どこでどう保存されていたのか、調べたくなります。オークション未成立となりましたが、落札するには億に迫る金額が必要になるでしょう。

Lot.026 1993 HKS ZERO-R(BNR32-COMPLETE CAR)

落札価格1500万円

大手チューニングパーツメーカーのHKSが作り上げたコンプリートカー。このクルマが生まれた1993年はR32GT-Rのチューニングが一大ブームになっていた頃で、そんな時代に投入されたHKS Zero-Rは凄まじいインパクトを与えました。出品された個体はHKSテクニカルファクトリーがリメイクした1台。落札価格は1500万円で、R32GT-Rが持つ普遍的な価値をあらためて感じました。

Lot.029 1969 MAZDA COSMOSPORTS(L10B)

落札価格700万円

マツダ車で唯一出品された1台。あまりにも有名なコスモスポーツです。10A型2ローターエンジンをフロントに搭載。クラシックカーイベントに行くと、今でもオーナーズクラブ等の姿を見かけます。落札金額は700万円。この金額でコンディション良好の個体が手に入るのだから、決して高くはありません。金額を聞き、思わず入札したくなったのは私だけでないでしょう。

Lot.031 1983 NISSAN 240RS

未成立

シルビアをベースに開発した日産のWRC(世界ラリー選手権)参戦用モデル。当時のグループB規定のホモロゲーションを取得するために、200台が生産されました。この個体はその中の1台で、特筆すべきは走行距離の少なさ。なんとたったの585km。これはもう、新車と呼べるレベルです。極端に張り出した前後フェンダーや大きなバンパーが時代を感じさせます。

Lot.032 1990 FERRARI F40

落札価格1億1000万円

栄えある最高落札金額車はやっぱりこのクルマ、フェラーリF40。フェラーリの40周年を記念して登場したモデルです。プライスはなんと1億1000万円。新車価格がいくらかなんてもう覚えていませんが、すごいとしか言いようがありません。外から見る限り、程度極上のフルオリジナルだと思われ、その希少価値は宇宙より高い? 高人気は相変わらずで、あっという間に値段が上がっていきました。

Lot.036 1987 FERRARI TESTAROSSA KOENIG SPECIALS

落札価格2850万円

“ケーニッヒ・フェラーリ”。この名前を聞いて、胸がワクワクするのは筆者だけではないでしょう。ケーニッヒはフェラーリのチューナーとして日本でも高い知名度を有し、過激なコンプリートカーを世に送り出してきました。テスタロッサをベースにツインターボ化。オリジナルの外装も与えられています。落札金額2850万円はこの日2番目の落札金額。フェラーリ強しという印象です。

Lot.037 1995 BMW 320ST NÜR & SPA 24H WINNER

未成立

ヨーロッパのレースで活躍したBMWのワークスカー。一体何をどうしたらこんな個体が日本に入ってくるのでしょう。しかも、戦歴がすごすぎです。ニュルブルクリンク24時間とスパ24時間で優勝(スパは2回)。BMW好き、ツーリングカーレース好きにはたまらない車両です。大きなクラッシュ歴もないということで、走ってもよし、飾ってもよしの1台。「BASTOS」カラーも有名です。

Lot.042 1966 TOYOTA SPORTS 800

未成立

あまりにも有名なトヨタのコンパクトスポーツカー、“ヨタハチ”。今回はこのレッドの個体とシルバーの2台が出品されていましたが(シルバーは600万円で落札)、日頃あまり見かけないレッドをピックアップ。内外装はフルレストア済みで、程度は極上。あまりのボディラインの美しさに思わず頬ずりしたくなるほど。トヨタ2000GTの出品がなかったので、その存在感は際立っていました。

いかがでしたか? この世に生を受けてからウン十年が経っても、色あせない名車たち。しかも、その存在感は日に日に増しているから不思議です。これからも当時の自動車カルチャーを伝える貴重なキャストとして、私たちの五感を楽しませてくれるでしょう。

※落札金額に手数料は含まれていません。また、「商談中」というのはオークション不成立でも商談を継続していることを表しています。

(テキスト:奥野大志 / 写真:井上 誠)

[ガズー編集部]

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