【東京オートサロン2019】東京オートサロン初出展にかける思い(スズキコンプリート)
3日間で33万666人(主催者発表)の来場者を集め、大きな盛り上がりを見せた東京オートサロン2019。国内外から多くの出展社が集まり、手塩にかけたカスタムカーやアイテムをPRしました。今回はそんな出展社の中から、初めて東京オートサロンに出展した企業をピックアップ。出展を決めた経緯から苦労した点、会場での手応えなどをうかがいました。取材にご協力いただいたのは徳島県から参加のスズキコンプリートです。
「いつかはオートサロンに出たいと思っていたのですが、日常業務が忙しく、そこまで手がまわっていませんでした」とスズキコンプリート代表の赤地祐昭さん。スズキコンプリートは徳島市内にあるスズキ自動車の副代理店。スズキの新車や中古車、コンプリートカーなどを販売しています。
- スズキコンプリート代表の赤地さん
赤地さんは毎年オートサロンに足を運んでいました。ただ、出展社としてではなく、来場者として。「いつかはオートサロンに出たいと思っていました。忙しい中でもデモカーを作り、出展することで一人前の成熟したショップとして認められると思っているからです」
赤地さんが出展の意思を固めたのは、昨年7月に発表された新型ジムニーを見てから。評判の良いスタイル、カスタム心をくすぐるディテール。「オートサロンに出るならこのタイミングしかないと決断しました。出展枠を確保するのは大変と聞いていたのですが、7月の段階で出展が決まりました」
「出展に向けた準備で一番苦労したのはクルマの準備です。ジムニーは早い段階で現在の状態になっていましたが、もう1台のエブリイは出発直前、本当に間に合うのかというタイミングまで作業をしていました。最後までやっていたのがライトまわり。なんとか間に合った時、スタッフ一同、本当に感無量でした。年末年始はないと聞いていましたが、正月休みは正味2日だけ。まさか自分がそういう立場になるとはという思いです」
いつもなら自分でトラックを運転して全国に出向く赤地さんですが、これまでの疲労が蓄積し、フラフラ。他のスタッフと交代で積載車を運転しながらオートサロンの会場である幕張メッセにたどり着きました。
展示ホールは中ホールの5で、ジムニーとエブリイを並べて展示。ジムニーは人気のあったJA11型のテイストを盛り込みながら、実用性のあるレトロな雰囲気を狙いました。また、エブリイはジムニーから乗り換えるユーザーが多いので、ジムニーファンが喜ぶツボをおさえながらアウトドアで遊べるイメージを強調。「自動車メーカーがやらないところを狙いました。メーカーの人が来て、クルマの写真を撮っていましたね」
- 2台並ぶと迫力は相当のもの。多くの人が足を止めて見ていきます
- ジムニーのリアビュー。ボディサイドのストライプはJA11型をイメージ
- エブリイのリア。たくさんの荷物が積めるよう、カスタマイズされています
オートサロンの期間中、赤地さんは終始、来場者からの問い合わせやメディア対応に追われていました。筆者も取材後に何度かブースを再訪しましたが、とても話ができる状況ではありませんでした。後日、電話で出展後の感想をうかがいましたが、赤地社長が強調したのは似て非なる2台を並べたことによる相乗効果。「2台並べるとより雰囲気が出るし、おもしろい。1台のみの展示だったこうはならなかったはず」。現在、電話やメールでの問い合わせが殺到し、あまりの反響の大きさに驚いているそう。
「出展社さんが1年のトレンドを精一杯提案するのがオートサロン。他のブースを見てまわることはあまりできませんでしたが、自分たちも今年1年頑張ろうかなという気持ちになりますし、うちの社員も決意ができました。オートサロンは私たちにとって檜舞台。他のお店も『よく行ったね』と言ってくれていますし、まわりの見方も今までとはちょっと違う見方になったと思います」
- レトロな雰囲気のグリル(ジムニー)
- 迫力満点の2本出しマフラー(ジムニー)
- フォグランプとウインチ、アンダーガードがスパルタンなイメージ(エブリイ)
- タイヤは頑丈そうなオフロード用タイヤ(エブリイ)
赤地さんはオートサロンへの出展が実現し、満足感を感じていますが、同時に感じているのが来年どうしようかということ。すでに来年も出展する意思を固めているそうですが、問題はその内容。
「来年は来年で新しいスタイルを提案したいのですが、今後の課題ですね。1度オートサロンに行くと2回、3回と行きたくなる。病気です(笑)。目新しさだけがうちの売りではないので、その時、その時、自分ができるスタイルを提案できればいいのかなと。地味の中で目立って、真面目に取り組んでいるのをわかってもらえればと思っています」
こうして、スズキコンプリートのオートサロン2019は幕を閉じました。1つの大きな山を乗り越えた赤地代表ですが、その目はすでに“次”を見据えています。今後もオートサロンでたくさんのクルマ好きを楽しませてくれるのは間違いないでしょう。
<取材協力>
スズキコンプリート販売徳島(アウトクラスカーズ株式会社)
徳島市方上町寺内6-8
TEL088-669-5019
URL:http://www.outclass.jp
<取材・テキスト:奥野大志>
[ガズー編集部]
「東京オートサロン2019 @幕張メッセ」の記事
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