【TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018 愛車紹介】運命的な出会いを感じて6年前に購入した“一生ものの宝”最終型いすゞ・117クーペ
基本デザインはなんと50年以上も前でありながら、今見ても第一線級の美しいボディラインをもつ117クーペは、数あるいすゞ旧車のなかでも高い人気を誇る1台だ。
そんな117クーペの1981年製最終モデルを6年前に手に入れたのが藤さん。なんと職場はいすゞ自動車の藤沢工場というが、意外にもいすゞ車を愛車にしたのは、このクルマがはじめてなのだとか。
「たまたま通勤時に前を走る117クーペに遭遇したときにピンときて探し始めまして、専門店で在庫していたこのクルマと出会いました。81年はちょうど私がいすゞに入社した年で、117クーペが生産終了となった年でもあるので、なにか運命的なものもあったのかもしれませんね」と、藤さんは愛車との出会いを説明してくれた。
117クーペは1968年のデビューから1981年までの長期に渡り、いすゞのフラッグシップとして生産された4シータークーペスペシャリティモデル。デザインを手がけたのは当時イタリアのカロッツェリア・ギア社のチーフデザイナーであったジョルジェット・ジウジアーロで、1966年のジュネーブモーターショーで“ギア/いすゞ117スポルト”としてプロトタイプが発表された。車名の“117”は開発コードが由来となっていて、117サルーンとして開発されていたいすゞ・フローリアンと共通のプラットフォームをベースとしている。
68年から72年までの初期モデルは通称“ハンドメイド117”と呼ばれるもので、流麗なプロトタイプのデザインを手作業で再現した少量限定生産車。73年から76年の中期モデルはGMからの資金・技術供与により量産化されたもので、バンパーや灯火類など大小さまざまなデザイン変更が施されている。
藤さんが所有するのは77年から81年までの後期モデルで、外観上の最大の特徴はそれまでの丸型から角形4灯タイプとなったヘッドライト。フロントにはチンスポイラー、バンパーにはラバーが追加されている。
「81年式のXE-Lは最上級グレードのXEベースの限定車で、一度生産終了となったあとに残っていたパーツで再生産された特別仕様車だったようです」というから、まさに最終のなかの最終モデルともいえる稀少車だ。
藤さんが目指しているのはデモカーのような仕上がりということで、オリジナルを大切にしながらも各部にカスタマイズが施されている。深みのあるダークレッド系のカラーはレクサス車の純正色で、ボディの痛みの修復に合わせてオールペイントしたものだ。
バンパーやモール類のメッキパーツも、すべて再メッキ処理により美しくレストア。クロモドラ製のホイールもメッキ仕上げとするほか、サイドミラーをビタローニ製のドアマウントタイプに変更している。
室内もすばらしいコンディションで、楠のメーターパネルやレッド基調のダッシュボード、ステアリングは新車当時からのもの。フロアカーペットは張り替えられたもので、シートカバーは汎用品に刺繍を追加したものだ。
「天気のいい日には通勤にも使っていますので、平均的な年間走行距離は1万kmくらいになります」ということもあり、とくに安全に関わる装備に関しては最新のものを投入しているのも藤さんの117クーペで注目すべき点だ。
まず灯火類は、80年代に人気を博したリトラクタブルタイプのフォグランプ以外は、ヘッドライトやウインカーなどのすべてをLEDタイプに変更。前後バンパーにはカメラが追加されていて、死角になる部分をすべて車内のモニターで確認できるようになっている。また各タイヤには空気圧センサーが装着され、パンクなどによる空気圧の異常を室内で確認できるようになっている。
排気量1949cc 4気筒DOHC電子制御燃料噴射式のG200W型エンジンは、エアクリーナー交換のほか、点火系には永井電子のMDIというマルチスパーク方式のイグニッションを追加。排気系はフジツボ製の特注エキゾーストマニホールドにイスズスポーツのマフラーを装着と、ファインチューンが施されている。
「購入直後に高速道路でエンジンをブローさせて以来『古いクルマだから…』と言われないように先手を心がけてメンテをしています。それでもまれに想定外のトラブルもありましたが、現在は水温の安定が課題。電動ファンを追加していますがやはり夏場の渋滞などではオーバーヒート気味になりますね」とのこと。今後も永久保存を目指して大切に乗り続けていきたいというから、まさに一生の宝にふさわしいクルマといえるでしょう。
(テキスト:川崎英俊 / 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
「TGRF2018 @富士スピードウェイ」の記事
【愛車紹介】いすゞ 117クーペ
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