【OPTION SUPER FES 愛車紹介】31年間ともに過ごしてきたジェミニZZ/TはSR20エンジン換装の現役サーキット仕様!
空前の旧車・絶版車ブーム。最近はイベントにもさまざまな名車たちが集まるが、そんななかでもかなりレアな存在といえるのがこのクルマ。
その名はPF60型いすゞ・ジェミニZZ/T。若い世代のクルマ好きにはあまりなじみがないかもしれないが、アラフィフ世代以上のおやじさんたちにとっては、青春時代に憧れたという人も多いはず。
鮮やかなオレンジのエクステリアで仕上げられたのは、グージェミニさん(仮名)の1981年モデル。23歳のときに6年落ちの中古で購入し、31年間乗り続けている愛車だ。
現在は乗用車から撤退し、トラックやバスなど商用車メーカーとなっているいすゞ自動車。その歴史は古く、1916年(大正5年)の創業は国内の現存自動車メーカーの中では最古の歴史を誇るもので、1922年には国産第1号乗用車のウーズレーA9型を完成させた。
第2次大戦後はトラックを主に生産して戦後復興を支えてきたが、1953年に完成したヒルマンで乗用車製造を再開。以降ベレル、ベレット、117クーペといった名車たちを次々に発売していった。
ジェミニはベレットの後継モデルとして1974年に発売されたモデルで、当時いすゞが資本提携していた米国GM社の世界戦略構想に基づき、オペル・カデットの車体にいすゞ製のエンジンを搭載していた。
車名のジェミニは英語の“双子座”を意味するもので、いすゞとGMの共同開発にちなんだもの。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアクーペの2タイプで、初期モデルには1.6L SOHCエンジンを搭載。
1979年のビッグマイナーチェンジでボディデザインの変更を受け、1.8L DOHCのG180エンジン搭載のスポーツモデルZZシリーズを追加。デジタル時計や4スピーカーオーディオなどを装備した豪華版がZZ/Tであった。
なんといってもグージェミニさんのジェミニで注目なのは、ボンネットの下に収まっているエンジン。メッキ仕上げのヘッドカバーで違和感がないが、なんと日産のSR20DET型DOHC16バルブターボエンジンなのだ。
「10年くらい前にエンジンが壊れてしまったのですが、もうパーツ入手も困難になっていたのでエンジンを載せ替えることにしました。意外にもメンバー加工くらいでボディ側の加工はなし。スカイラインのベルハウジングを使ってミッションの位置を合わせて、プロペラシャフトをワンオフで製作しています」と、グージェミニさんはエンジン載せ替えの経緯を説明してくれた。
SR20DETエンジンはまったくのノーマルだが、それまでのG180フルチューンと比べてもパワーの差は圧倒的で、セントラルサーキット(兵庫県)のタイムが一気に5秒もアップしたほどだったという。
サーキット走行を楽しむために、インテリアも機能的にセットアップされている。メーターコンソールには正確にエンジンの状況を把握するために、社外品のシフトライト付き大型タコメーターと油温、油圧計をスッキリとインストール。後席は取り外され、サーキット走行用のハイグリップタイヤを搭載している。
もちろんサスペンションもしっかりとチューニングが施されていて、ショックアブソーバーはオペル・カデットのレース用ビルシュタインを装着。スタビライザーも他車種用を流用して強化しているという。
「このPF60型ジェミニは、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤが3リンクリジットという当時としては高性能なサスペンション形式が採用されています。ラリーなどモータースポーツでも活躍したポテンシャルの高さと、ヨーロッパ車っぽいデザインが好きなんですよね」と、グージェミニさんは今でもこのジェミニにぞっこんの様子だ。
エクステリアもグージェミニさんの思い入れがたっぷりと詰まった部分。ワイドな195サイズのタイヤを収めるためのオーバーフェンダーや、エアロ効果を狙ったルーフスポイラー、さらにボンネットまで、知識ゼロの状態から苦労しつつ手作りしたFRP製のワンオフ品なのだ。
また、以前の大きなクラッシュを修復する際にトランク部を15cmカットしているため、実は全長も短くなっているのだという。
「修復したとはいえ車体の強度などに不安があるので、フルサーキット走行は控えるようにしていますが、今でも毎月のようにミニサーキットを走っています。部品調達も難しくて維持は大変ですが、これからも長くこのクルマに乗り続けたいです」というから、グージェミニさんとジェミニとの蜜月関係は続いていきそうだ。
(写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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