【RX-7 40th Anniversary 愛車紹介】人生の半分以上を共に歩んできたのは、少年時代に憧れた“ロータリーロケット”マツダ・サバンナRX-7 GTターボ(SA22C)
小学生のときに、そのスタイルのよさにひと目ボレし「いつか乗るぞ!」と決意。その想いを大学生のときに実現し、それから約25年に渡ってこの1984年式マツダ・サバンナRX-7 GTターボに乗り続けているのが、ここで紹介するサバンナさん(47歳)だ。
これまでの車歴を尋ねてみると、このSA22C以外は免許をとってわずかの期間に乗っていた日産・フェアレディZ(S130)のみとのこと。
普段乗りのセカンドカーを増車することもなく、2度の海外転勤の際にもクルマを手放すこともなく、クルマ人生のほとんどすべてをこの愛車とともに歩んできたと言っても過言ではないだろう。
マツダのスポーツカーとして誰もが知るRX-7シリーズの初代モデルが、1978年にデビューしたサバンナRX-7(SA22C)。
富士GCレースで日産・GT-R(箱スカ)の連勝を止めた名車サバンナ(RX-3)の後継モデルとして開発され、リトラクタブルヘッドライトを採用した低いボンネットでスポーツカーらしい精悍なスタイルを実現しているのが特徴だ。
フロントミッドシップに搭載される12Aロータリーエンジンは、排ガス規制の強化でライバルたちが馬力を落としていくなかグロス130psの高出力を誇り、0-400m加速15.8秒の俊足ぶりを発揮した。
その後、1982年のマイナーチェンジで追加されたのが、サバンナさんが乗る12Aターボエンジン搭載の『GTターボ』。1020kgという軽量な車体に165psを発揮するエンジンが組み合わされて、スポーツ性能がさらに向上した。
その実力によりRX-7(SA22C)はレースでもめざましい活躍をみせ、79年の米国デイトナ24時間レースでは初参戦でクラス優勝の快挙を達成。WRCなど国内外のラリーでも多くの脚光を浴びた。
サバンナさんの愛車維持のポリシーは『オリジナルにはこだわらず、快適に乗り続ける』というもの。
たとえば鮮やかなオレンジ色のエクステリアは、それまでの純正塗装が色あせてきたため数年前にオールペンしたもの。施工したペイントショップには「ランボルギーニのオレンジで!」と依頼したが、塗料の入手が難しかったためマツダ・デミオの純正色に変更となったという。
エアロパーツはフロントバンパーがERC、ルーバー付きのボンネットとリヤスポイラーはインターネット通販で調達したノーブランド品。エアロタイプのドアミラーは、今では絶版の岡田エンジニアリング製だ。
ほどよくローダウンされたサスペンションは、フロントがERC製の車高調整タイプ、リヤはマツダのスポーツキットに変更されている。
以前はエンジンのオーバーホールなどまでメンテナンスや修理をすべて自分でおこなっていたが、最近はエンジンまわりのみを自分でイジり、それ以外の作業は近所の整備工場に依頼しているそうだ。
インテリアも、オリジナルの雰囲気は壊さずに、現代のパーツを効果的に取り入れているのが特徴的。スポーティな3本スポークディープコーンタイプのステアリングはハネ上げタイプのボスに装着しているので、フルバケットシートでも乗り降りがしやすくなっている。
また、シフトノブはRX-7(FC3S)の純正品で、外装と合わせたオレンジ色のシフトブーツ&サイドブレーキブーツも、同じくFC3S用の社外品を流用しているという。カーボン柄のドア内張は、素材を買ってDIYで製作したものだ。
サバンナさんのSA22Cを拝見していて驚いたのは、後席にチャイルドシートが装着されていたこと。「8才と4才のふたりの子供がいるので、このクルマに乗せてドライブなどに行くこともあります。後席はもともと2点式シートベルトなのですが、安全にチャイルドシートを固定できるように3点式に変更しました。また子供たちが快適に過ごせるように、エアコンもちゃんと効くようにしたんですよ。小さいときからこのクルマに乗っていた影響なのか、ふたりとも大きい音がするクルマが大好きみたいです(笑)」と、やさしいお父さんの顔ものぞかせるサバンナさん。
都内在住で電車通勤のため、SA22Cに乗るのはイベントやミーティング参加、ドライブが中心だが、年に数回はサーキット走行も楽しんでいるという。
「25年も共に過ごしてきたので、SA22Cがない生活は想像できませんね。といっても私も47歳なのでいつまで乗り続けられるか、カウントダウンのつもりで残りのSA22Cとの時間を大切にしていきたいです。最終的には子供に託して乗り続けてもらえたらうれしいですね」とサバンナさんは締めくくってくれた。
[ガズー編集部]
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