【ノスタルジック2デイズ】免許取得以来乗り継いで、ついにめぐり逢った本命のゴールド2トーン
旧車ファンの祭典『ノスタルジック2デイズ』で大きな注目を集めていたカーショップフレンド。F31レパードファンなら知らないひとはいないだろう。そんなカーショップフレンドブースにて展示されていたのがこの1台なのだ。
さて、旧車・絶版車の人気を左右するファクターとして、テレビドラマやアニメ(漫画)などの影響がある。有名なところでは西部警察シリーズのR30スカイラインや、頭文字DのAE86トレノがそれ。そしてここで紹介するF31レパードもそういった中では忘れてはならない1台で、いうまでもなく人気の源となっているのは“あぶない刑事”シリーズ。主人公のタカ&ユージが繰り広げる破天荒なアクションを支える覆面捜査車両として、ゴールド2トーンのF31レパード前期型アルティマが大活躍していたのである。
このF31レパードのオーナー久野友浩さんも、クルマを選んだきっかけは“あぶない刑事”とか。「劇中で登場するレパードの活躍に加えて、日産に勤めていた父が自宅に持ち帰っていたカタログのなかにレパードがあったのも大きなきっかけになりました。見慣れたパルサーなどのカタログのなかに混ざっていたレパードのカッコよさに衝撃を受け、中学生のときには『大人になったらこれに乗る!』と決めていました」と、久野さんは当時を振り返る。そうして久野さんは見事に有言実行を果たし、免許を取得後にF31レパードを購入。
以降F31系ばかり7台も乗り継いで、8台目についにめぐり逢ったのが現在の愛車である昭和62年式前期型3.0アルティマのサンルーフ付きゴールド2トーン。恋いこがれ探し続けた1台にめぐり逢えたのは、15年前のことだった。
日産レパードシリーズの2代目として、1986年にデビューしたF31系レパード。4ドアハードトップの設定もあった初代モデルに対し、F31は競合のトヨタ・ソアラを強く意識した2ドアクーペとして開発。「大人のライフステージをハイセンスに演出するプレステージ・スペシャルティカー」をコンセプトに、フラットサーフェス化でCd値0.32を実現した“エアフローフォルム”、スクエアな形状のマルチヘッドランプ、大型リヤコンビネーションランプが与えられている。
ちなみに久野さんによると、1番人気の純正ゴールド2トーン(アルティマ)の生産台数は約40台で、現在生き残っているのは久野さんの愛車を含めて10台ほど。中古車市場に出回っているほとんどがオールペンでゴールド2トーン化されたものなのだという。
プラットフォームなど基本設計はR31系スカイラインと共用で、エンジンはトップグレードのアルティマに搭載される国産初の3L V6DOHC自然吸気のVG30DE(185ps)を頂点に、2LV6インタークーラーターボのVG20ET(155ps)、2LV6自然吸気のVG20E(115ps)の3タイプが用意された。ミッションは前期型のVG20E搭載XJ-2/XJグレードのみに5MTが設定され、それ以外は4速ATのみの設定となっていた。
'88年に行われたマイナーチェンジではバンパー類の変更のほか、3LDOHCターボのVG30DET追加、2LターボがVG20DETに変更されている。
久野さんにとってF31レパードの魅力は、ひと言で言うと“生活感のなさ”なのだそうだ。「無駄にでかいドアをカードキーで開けると広がるのは、実質2人乗りとしては無駄に広すぎる空間。モケット張りの重厚なシートに無駄に毛足の長いカーペットなど、すべてが贅沢。ドアを開けた瞬間に感じるこの感覚は、ほかのクルマでは味わえないと思います」という。たしかに室内の装備を拝見してみると、カラー液晶のグラフィカル・デジタルメーターや光通信方式のクルコン&オーディオスイッチ付きのステアリングなど豪華装備が目にとまる。
さらに久野さんのレパードには、アナログカセットチェンジャーやオプションのCDチェンジャーも装備のフルオプション状態で、すべて正常に作動するというから驚いてしまう。
手に入れた当時は外装オールペンで仕上げられていたものの、エンジンはかからず、ミッションも不調で、ステアリングは革がはげてしまっていた状態。それらの補修を施して現在のような状態になるまでには2、3年を要した。
基本的にはオリジナルのスタイルにこだわっているため、社外パーツの装着はローダウンスプリングによる車高ダウン。あとはこだわりで選んだ16インチのBBS RSホイールくらいの変更となっている。「部品の調達など個人では大変になっていますが、頼りになる専門店、カーショップフレンドのお陰で出先でのトラブルを経験したことはありません」。近年はイベント参加や取材依頼のために動かすのがメインで、走行距離は年間に5000kmくらいということだ。
某有名メーカーから発売されているモデルカーは久野さんのF31レパードの各部を実測するなどして誕生したものなのだという。
そして、最後になってしまったが久野さんの愛車にまつわる逸話として、ぜひ紹介したいのが保管環境について。かつては簡易テントタイプのカーポートを利用していたが、台風の強風で飛ばされ、テントの骨がボンネットに当たってしまった。そこで一念発起して、ビルトインガレージ付きの自宅を新築したというから恐れ入る。
エアコンの導入こそ断念したが、除湿器を24時間稼働して愛車維持に最適な環境を実現。「もちろんこの先レパードのない生活なんて想像できません。天国まで持ってくつもりですよ!」と、久野さんは力強く締めくくってくれた。
(テキスト:川崎英俊/ 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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