【OPTION SUPER FES 愛車紹介】20年ぶりに手にした初恋のソアラを1J換装で現代風リミテッド仕様に
はじめてのドライブ、友人と遊びに行った数々の思い出。それまでの生活や行動範囲を一変させ、多くの刺激を与えてくれる『はじめての愛車』は、初恋の相手同様に人生において特別な存在として記憶に残るものだ。それが家族や先輩からのお下がりでも、予算が足りずに泣く泣く購入したボロだったとしても…。
そして、子供の頃から憧れていたモデルをファーストカーとして手に入れたとなれば、その印象はより深く心に刻まれるに違いない。
そんな人生で1台きりのファーストカーとして20のソアラを選び、手放してから20年の時を経て、改めて愛車として迎え入れたのが、このクルマのオーナーだ。
オーナーがソアラに憧れるようになったのは中学生の頃。足繁く通っていた模型屋の店長が乗っていた20のソアラを目にしたことがキッカケだという。好奇心旺盛なクルマ好き中学生にとってこの出会いは衝撃的で、ソアラに乗る将来を妄想する日々を送るに至ったのは自然の成り行きと言えるだろう。
晴れて免許を取得した頃には、ソアラはJZZ30にモデルチェンジが行われていたものの、免許取り立ての18才にとっては型落ちの中古車ですらハードルは高かった。
しかし、地元の中古車店でGZ20のソアラを見かけた途端に後先考えることなく即購入、バラ色の泥沼に身を投じる、というクルマ好きの王道パターンを突き進むことになる。
初代ソアラは全グレード6気筒エンジンというラインアップに加え、TEMSやオートクルーズなど当時の最新技術を惜しみなく投入し、すでに発売されていたレパードなどに対抗するトヨタのイメージリーダーカーとして1981年に登場した。
そして1986年に発売された2代目も、スペースビジョンメーターやエアサスなどの豪華装備を搭載し、当時では最高となる230psの7M-GTEUエンジン(後期型は240ps)や4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用するなど走りの性能でもトップクラスに君臨。
「グリフォンを模したエンブレムがあればナンパ必勝!」と、誰もが認めるハイソカーブームの象徴たる地位を確立した。
「最初に買ったソアラは前期のGZ20だったんですが、後期と比べると見た目がヤボったいんですよね。しかも当時はゼロヨンが流行っていて、1Gエンジンのソアラじゃ勝てないんです。しまいにはNAのクラウンにも負けちゃったくらいですから。そのため半年で7Mエンジンが載ったMZ21のリミテッドに乗り換えちゃいました。このリミテッドはエンジンブローで廃車にしてしまい、その後は結婚や子どもができたことでソアラに乗ることなく、4ドア車ということでJZX81やJZX90のマークⅡを乗り継いでいたんですよ」とオーナー。
しかし、一度は手放したGZ20のソアラの思い出が消え去ることはなく、むしろ乗りたいという欲求は募る一方。そして5年ほど前に再び手に入れたのがこのGZ20というわけだ。
すでに20年以上経過したモデルのため、中古車市場でも選択肢は少なくなってしまっているうえに、理想はもともと出荷台数が少ないブラックツートンのリミテッド。探すのは困難と判断し“ないなら作ってしまおう”とブラックツートンの2.0GTツインターボを購入し、部品取り車も入手して内装まで移植するなど、リミテッド仕様に仕上げたという。
エンジンは購入当初から予定していた1JZ-GTEに載せ換えた。免許取立ての頃には考えが及ばなかったエンジン換装も今だからこそ行き着き、高年式である信頼性と快適性、さらにハイパワー化を実現している。
JZX90からのエンジン換装に合わせミッションも同型のATをチョイス。このソアラはゆったりと気軽に乗りたいクルマなので、あえてミッションはATを組み合わせているのもこだわりだ。
リミテッド用パーツやエンジンだけでなく、細部の作り込みもハイライトのひとつ。特に黄ばみがちなヘッドライトは、インナーのリフレクターを取り除き、それに合わせてマルチリフレクターを組み合わせる。このマルチリフレクターは「なんとなく合いそう」という、漠然とした思い付きから、ホンダ・アコードインスパイアから流用したという。
若干サイズの違いはあるが、ほぼジャストなフィッティングに成功。キラキラ感の高いライトが時代を感じさせないチャームポイントとしても効果的な印象を与えている。
フェンダーはノーマルでもありそうな自然なラインでワイド化。約50mmの叩き出しによって、10.0Jの極太ホイールも難なく収めているほど。ブレンボ製ブレーキキャリパーを装着し、パワーアップに見合う制動力も手に入れている。
エンジンパワーの不足を感じて乗り換え、そしてエンジンブローによって廃車にしてしまったあの頃。今のように載せ替えという発想があれば、もっと長く楽しみ続けられていたことは間違いない。
しかし、時代の進化とともに様々な経験を積み、知識が増え大人になった今だからこそ、子供の頃に憧れた理想を実現することができたのではないだろうか。
(写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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