【TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018 愛車紹介】JTCC(全日本ツーリングカー選手権)マシンのレプリカモデルとして製作された超レア車TRD2000を『SHOW防車』をコンセプトにフルカスタムマシンへ
1994年に東京、神奈川、埼玉、千葉の南関東地区99台限定で発売された稀少モデル『TRD2000』。
ベースとなっているのは7代目カローラのE100系4ドアセダンで、最大の特徴はボンネットの下に積まれている2L直列4気筒DOHC16バルブの3S-GE型エンジン。自然吸気(NA)で最高出力180ps、最大トルク19.5kgm-fを発生する、セリカなど上位車種用のスポーツエンジンだ。
このパッケージが生まれた背景にあったのは、当時市販車ベースで戦う国内最高峰レースの全日本ツーリングカー選手権(JTCC)。『2L・NA・4ドア』というレギュレーションに合わせてカローラのボディが選ばれたのを受け、そのレプリカマシンとしてTRDによって開発されたのが、このTRD2000であったのだ。
レース車の資格を得るために製作されるホモロゲーションモデルは国内外に多々あるが、このTRD2000はそれとはまったく逆のベクトルというのが面白いところ。
『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018』のオーナースミーティングエリアには2台が参加していたが、ふだん街中で実車を見ることのできる機会はそうそうない。そんな希少モデルだけに、いかに他人とかぶらず独自性を発揮できるかが重要となる『ショーカー』のベース車としても恰好の存在と言えるのだ。
「99台限定でしたが、実際に売れたのは10台くらいじゃないかといわれています。その理由はベース車の172万6000円に改造費の162万4000円を加えた335万円という価格設定。オプションパーツを追加すれば400万円オーバーですから、よほどの好き者以外はなかなか手の出せるクルマじゃなかったのでしょう」と説明してくれたのは、オーナーのテツさん。
ちなみに標準設定の改造費の内訳は、3S-GEエンジンのほか、スポーツマフラー、強化ショック&スプリング、ブレーキパッドにストラットタワーバー、クイックシフト。
さらに特別オプションとして強化クラッチ、LSD、強化スタビライザー、ケーニッヒ製スポーツシート、TRD製ステアリングホイール、アルミホイール&タイヤが設定されていたという。
このTRD2000は海外転勤となった先輩から2010年1月に10万円(!)で譲り受けたもので、テツさんが5代目のオーナー。手に入れた当時の走行距離は12万kmだった。
自慢のポイントは車台番号が“002”番という点。通常市販モデルは“004”番からなので、テツさんのクルマは試作車として製作されたものなのだ。
もともとのボディ色はカラーコード040のホワイトだったが、2011年にE100系カローラの輸出モデルに設定されていたスーパーレッドで全塗装を施している。
それに合わせてフロントバンパーとフロントグリル、ヘッドライトを輸出仕様に変更。メッキ仕上げだった窓枠モールはフロントにカローラバン用を流用し、サイドは塗装でブラックアウトしている。こうしたエクステリアのカスタマイズは、前述のJTCCマシンを参考としているのだそう。
そのほかエクステリアで自慢となっているのが、当時ディーラーオプションとして用意されていたレアなリヤスポイラーだ。
足まわりはテイン製の車高調整式サスペンションで程よくローダウンされ、スチール風デザインのスーパーR.A.Pホイールもこだわりの選択となっている。
インテリアもセンスよくカスタマイズが施されている。まずメーターはマイル表示のUS仕様だが、これはタコメーターが左側レイアウトとなっているのがこだわり。
ステアリングはディープコーンタイプの3本スポークタイプで、センターコンソールには1DINサイズの3連メーターを追加。シートは運転席にレーシングタイプのレカロSP-G、助手席はリクライニングタイプのLXを装着している。
テツさんのTRD2000で圧巻なのは、鮮やかなグリーンに塗装されたエンジンルームだ。「2016年にエンジンをオーバーホールした際に塗ったものですが、これは消防ポンプ車のポンプ室をイメージしたものです。レッドのエクステリアと合わせて『SHOW防車』をカスタムのコンセプトにしているためで、エンジンのシリンダーブロックも赤く塗ってもらいました」と、独自の路線でカスタマイズを満喫している様子。
そのほか思わず見逃しそうになったが、エンジンには美しい曲線を描くステンレス製の等長エキゾーストマニホールドを装着。マフラーはあえてノーマル風のデザインで仕上げたチタン製をワンオフ製作するなど、ノーマルのままでも非常に珍しい存在のTRD2000を、数々のカスタマイズによって『世界に1台の存在』に仕上げているのだ。
(テキスト:川崎英俊 / 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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