【TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018 愛車紹介】世界中で100セット限定のスーパーチャージャーを装着、『もしもTTEバージョンのアルテッツァが発売されていたら』仕様
販売終了から10年以上が経ち、中古市場の価格がこなれた現在は若者がカスタムカーのベースとして手に入れる姿も目立ってきたトヨタ・アルテッツァ。
『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018』でも外見がカスタマイズされたアルテッツァを多く見かけるなかで、ひときわ異彩を放っていたのがTTE仕様として参加していた2台。今回は特にTTEパーツへのこだわりが強いとオーナーの仲間うちでも認識されていた1台のオーナーさんにお話を伺った。
そもそも、TTEとはトヨタ・チーム・ヨーロッパの頭文字をとったドイツに拠点を置くヨーロッパのトヨタ直系レーシングチームの名称である。現在はTMG(トヨタ・モータースポーツ有限会社)に名前を変え、WRCやル・マン24時間など様々なカテゴリのレースにおいて車両開発からレース参戦までトヨタのモータースポーツ活動の中心を担っている。
「実際にはトヨタからTTEバージョンとして販売されたアルテッツァは存在しないので、このクルマは“TTEから発売されていた専用パーツを多く装着しているアルテッツァ”ということになりますね」とはこのアルテッツァを所有する千葉県在住30代の男性オーナー。
過去には、16系と呼ばれる2代目アリストにおいてTTEが開発したスペシャルパーツがふんだんに装備されたTTEバージョン車がメーカーのカタログに並んだことはあったが、アルテッツァの場合はそれがなかったという。
そのため、この1台は輸入販売されたアルテッツァ用のTTEパーツを集めることで作り上げた『もしもアルテッツァTTEバージョンが存在したらこうなっていたはず』という1台だ。
TTEによって作られたアルテッツァ用アフターパーツのなかでも有名なのが、自然吸気2L直列6気筒の1G-FE型エンジン向けに用意されたスーパーチャージャーキットである。世界100セット限定で発売されたキットであり、TTEの監督だったオベ・アンダーソンのサインとシリアルナンバーが書かれたプレートが1機ごとに用意されている。
ちなみにアルテッツァといえば、日本国内では1G-FE型搭載モデルよりも、モータースポーツでも使われる機会の多かった2L直列4気筒の3S-GE型搭載モデルのイメージが強い。
いっぽうTTEのあるヨーロッパではレクサスブランドのIS200として6気筒エンジン搭載車のみが販売されていたため、TTE製スーパーチャージャーキットも3S-GEではなく1G-FE用が作られたという経緯がある。
そしてTTEをここまで愛するオーナーだけに、スーパーチャージャーを付けるためにあえて1G-FE搭載モデルを選んだのか?という質問をぶつけると、そうではないという答えが返ってきた。
「免許を取ってすぐの2001年に買ったのがこのアルテッツァAS200 Zエディションです。中学生のころにはカリーナEDが欲しかったのですが終売となり、次に出たアルテッツァはATのみだったので最初はあきらめていたのですが、後からMTモデルが出たので買う決心をしました。3Sではなく1Gを選んだのは父の影響で、子供の頃から乗って育ったマークⅡがGX81の1Gエンジンだったからです。あと、3Sよりも静かなところも自分にとっては魅力的でした」
TTEパーツにどっぷりハマるきっかけになったのは、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVALの前身であるトヨタ・モータースポーツフェスティバル(TMSF)時代に見た、豊田通商(TTEパーツの輸入販売を行っていた)によって製作された、アルテッツァのデモカーだという。
あまり派手な外見は好みじゃないからとアフターのエアロパーツを装着してこなかったオーナーだったが、スポーツテイストを感じつつも落ち着いたルックスのTTE製バンパーが気に入り、そこからTTE製品をコンプリートしていくようなカタチで揃えていったという。
特に外装はフロントバンパー、リアスカート、マフラー、ホイールをTTEパーツで揃え、ウイングを残してコンプリートしている状態というが、あえて純正オプションのハイマウント付きウイングを使っているのがこだわり。
「自動車雑誌の広告で見たイギリス特別仕様車として発売された時の写真が、このエアロにトランクスポイラーという組み合わせだったんです」。つまり、あくまでTTEバージョンというカタチでは存在しないが、オーナーがモデルとするアルテッツァは実際に存在していたというわけだ。
内装にはTTEパーツが製造されなかったが、IS200(300)として販売された海外仕様のアルテッツァに設定されたパーツを輸入し、装着することでこだわりを増している。具体的にはナビスイッチや、クルーズコントロールのスイッチとそれに付随するコラムまでIS仕様になっているといい、「運転席側しか見つけられなかった」と残念がる自動防眩付きサイドミラーもお気に入りだ。
TTEのラインナップにあったスタビライザーももちろん装着されている。
ここまでのアルテッツァのTTEパーツ好きが高じて、1G-FE型エンジン搭載のアルテッツァオーナーだけのミーティングを主催した経験もあるというオーナー。理想のTTEのパーツで固めた理想のアルテッツァはすでにこの1台で実現していて、手を加えたい部分は残っておらず、今後はずっとこの仕様のままアルテッツァを所有し続けていきたい考えだという。
そのためにも今年は、足まわりのブッシュ交換と、TTE製車高調のオーバーホールをおこない、リフレッシュを施したとのこと。
「多分TTEバージョンのアリストに乗っているオーナーさんも思っていることでしょうが、TTEの部品を再販して欲しいというのが一番の願いですね」とのこと。パーツ流通量の少なさゆえ、エアロパーツやホイールなどはすでにスペアパーツを自宅に在庫していると聞けば、まるで昭和の時代に生産された旧車オーナーような風格が漂ってくる。
しかし、このアルテッツァが走り続けてくれるおかげで、まだまだ私達もアルテッツァとTTEの間にあった『特別な関係』を忘れずにいられることができそうだ。
[ガズー編集部]
「TGRF2018 @富士スピードウェイ」の記事
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