2台のロードバイクをラクに積む。アルファードは最高のトランスポーター

東京オリンピックの自転車競技ロードレースコースになり、山中湖は以前にも増してサイクリストを多く見るようになった。今回出会った会社員の小林直人さんはトヨタ アルファードに2台の自転車を積み、会社から程近い山中湖の湖畔や三国峠などを走っている。

20代の頃はクルマで走るのに夢中になった。週末は愛車だったスバル インプレッサやレガシィB4ブリッツェンで峠に通っていた。その後は2代目トヨタ ハリアーや2代目アルファードをカスタマイズ。車高を落として22インチの大径ホイールを履き、オーディオもアップグレードしてHIP-HOPを聴きながらドライブを楽しんでいた。

「2代目アルファードに乗っていたときに結婚して子どもが生まれました。車内が広いからチャイルドシートを2つ着けてベビーカーを積んでも余裕がある。何も考えずに荷物を積めるのがとにかく楽でした。ちょうどこの頃に体型が気になり出して(笑)、ダイエットのためにランニングを始めました。どうせなら景色のいいところを走りたいと思って山中湖に通うようになったんです。湖畔は平坦なので初心者でも走りやすいし」

その後、友人に誘われ趣味がランニングからロードバイクに変わった。風を切りながら自然の中を走ることに魅了され、今ではほぼ毎日、出勤前や仕事終わりに山中湖畔を走っているという。

そんな小林さんが現行型アルファードに乗り換えたのは2019年4月。アルファードを選んだのは、もちろん自転車を積むため。

小林さんは2代目アルファードの後に3代目ハリアーに乗っていた。ハリアーもラゲッジにロードバイクを2台積むことができたが、SUVの性格上ラゲッジの高さがそこまであるわけではないので、積む時は前後のホイールを外さなければならなかった。

「もちろんロードバイクが積めれば問題ないのですが、フレームを出して前後のホイールをつけるのは何気に面倒で。あとカーボンフレームは移動中にロードバイクが車内でぶつかるとクラックが入ってしまう可能性があるんです。クラックが入ると最悪の場合、もう使えなくなってしまうので……」

小林さんはFacebookをはじめとするSNSで他の人がどのようにロードバイクを積載しているかを見て回った。すると多くの人がアルファードをトランスポーターにしている。自分もアルファードに戻ろう。小林さんは自然にそう思うようになった。

これは道具にこだわる趣味人に共通する考えなのだろう。たとえばアウトドアでもプレミアムSUVに乗っていた人がアルファードに乗り換えたという話をよく耳にする。SUVもラゲッジは十分広いが、道具にこだわるとSUVでは積みきれなくなったり、余裕を持って積みたいと思うようになり、アルファードやハイエースが視野に入ってくるというわけだ。

「先代にも乗っていたからわかるのですが、今のアルファードは本当に乗り心地がよくなりました。もちろん前がダメだったというわけではなく、今のモデルがかなり上にいったという感じです。フルモデルチェンジした時にリアサスペンションがトーションビーム式からダブルウィッシュボーンに変わったことが話題になりましたよね。この違いは僕でも感じることができます」

これまで乗ってきたクルマは自分好みにカスタムし(今の愛車はノーマルだが、オーディオだけはこだわり自分でデッドニングを施したという)、ロードバイクにもこだわって馴染みのショップに足繁く通い、パーツを物色する。そんなモノ好きの小林さんの心を捉えたのが、アルファードに搭載されるさまざまな先進安全装備だった。

「ついている機能はとにかく使ってみたくなるんですよ。ロードバイクを楽しみにしまなみ海道までドライブした時、『安全性能をテストする絶好の機会だ!』と思い、自宅から西瀬戸自動車道の今治北ICまでレーダークルーズコントロールで走りました。レーントレーシングアシストとレーダークルーズコントロールが組み合わさると、体はもちろん精神的な疲労度も全然違うので驚きましたね。しかも山岳ルートのかなり急なカーブでもしっかりステアリングサポートが効く。あと、レーダークルーズコントロールは設定速度をキープするから、到着時刻が計算しやすいというメリットがあることにも気づきました」

小林さんはロードバイク以外にも、ゴルフや釣りなど多くの趣味をもっている。ゴルフは主に会社の人たちと楽しんでいるそうだ。

「コンペの時などは僕が先輩たちを迎えに行くことが多いですね。『小林のクルマは乗り心地がいいから頼むよ』って(笑)。アルファードは3列目席まで人が座ってもゴルフバッグを立てて6個積めるので、大勢を迎えに行くことになり大変です(笑)」

奥さま、そして2人のお子さんと4人で出かけるときもアルファードの3列目までフルに使うそう。お子さんはチャイルドシートが必要な年齢ではないし、なぜ2列目に2人座らないのか。

「実は下の男の子にとって、アルファードの3列目席は親の目が届かないお気に入りの場所なんですよ。家族で出かける時はいつも3列目で毛布にくるまって、こそこそゲームをやっています」

なるほど。大きなクルマの一番後ろの席は、秘密基地になっているわけだ。小林さんはもちろん、息子さんにとってもアルファードは大切な相棒。これは長い付き合いになりそうだと思ったところ、小林さんは今のアルファードに長く乗るつもりはないという。ここまで気に入っているのになぜ?

「以前乗っていたハリアー、そしてアルファードはリセールがいい可能性が高いことも大きな魅力だからです。先代アルファードも、今のクルマの前に乗っていた先代ハリアーも、予想よりかなり高く引き取ってもらえたので、結果的に次のクルマを楽に購入できました。趣味のロードバイクのことを考えればアルファードがベストなので、フルモデルチェンジしたらすぐにでも乗り換えたいと考えています」

ロードバイクに乗るようになってから人生観が大きく変わったという。趣味を通してこれまで出会うことがなかった人との親交が生まれ、それが大きな刺激になっているからだ。きっと小林さんは、モデルが変わっても相棒であるアルファードと付き合い続けるはずだ。ロードバイクを通して豊かな人生を送るために。

(取材・文/高橋 満<BRIDGE MAN> 撮影/柳田由人)

[ガズー編集部]

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