遊び心に火をつける!ノウハウを凝縮したカスタムと『クルマの楽しさを体験できる場所』をプロデュースするエヌズ・ステージ

昨今、釣りやキャンプなどアウトドアで活躍する趣味と実益を兼ねたクルマが注目を集めるなか、ジムニーをメインに “遊びを通してクルマの楽しみ方を提案する”というコンセプトを掲げて東京オートサロン2022にブースを構えていたN’s STAGE(エヌズ・ステージ)。
岩手県盛岡市に店舗を構えるスズキカーディーラー『アリーナ』を母体に、東日本エリアを中心に『ジムニーワールド』などを展開している総合カーディーラーだ。

  • スズキのジムニー

そんなエヌズ・ステージが東京オートサロン2022で展示していたのは、ジムニー2台とジムニーシエラ1台、エブリイという計4台。並んでいる4台すべてに『アウトドア遊びでの実用性を考慮した』というウィンチが装備されている無骨なスタイルが印象的だ。

エヌズ・ステージが目指すクルマの楽しみ方とは一体どんな内容なのか、代表取締役で大の釣り好きでもある矢羽々博征さんにお話を伺った。

「僕の趣味は釣りで、手軽なものから大物狙いまでひと通り全部やっていますね。その中でも最近はマグロの一本釣りがメインで、実はこのエブリイに飾ってあるクロマグロの尾の剥製も自分で釣り上げたものなんですよ! そんな自分の趣味を存分に生かして『クルマってこういう使い方があるんだよ』という提案を含めたクルマ作りをしています」

東北のフィッシングツールブランド“SOULS(ソウルズ)”とのコラボレーションによって、釣りやアウトドアに適した特別仕様車『フィッシングマスター』というブランドも展開しているというのだから、釣りもすでに趣味の域を超えている。

  • スズキのエブリイ

そんなSOULSやエアロメーカー『WALD』などとコラボして製作されたコンプリートモデル『エブリイ N's×WALD BlackBison(DA17V)』は、東京オートサロン2022の来場者投票によって決まる『東京国際カスタムカーコンテスト』のKカー/コンパクトカー部門で、優秀賞を獲得した1台だ。

「マグロ釣りに行くときは、ベッドを倒してどこでも寝ることができるようにしていたり、スライド式の引き出しに40kgくらいある大きな空のクーラーボックスをのせていくんです。氷をいれると100kgくらいになりますが、そういう状況にも耐えられるカスタムを施しているわけです」

「また、展示車すべてに装着されているウィンチは、なにかあった時にレスキューできるようにするためです。例えば一人で川釣りに行く時に死を意識するくらい山奥にいくこともあるんですが、ぬかるみを走るとスタックしてしまうこともあります。そんな時でもウィンチがあれば自分も助かるし、誰かを助けることもできるんですよね。それに大きな魚を釣ったあとはこれで引っ張ることもできるので便利なんです」

矢羽々さん自らが釣りを楽しみ『道具として活躍するクルマに本当に必要なものが何か』をわかっているからこそのカスタムがふんだんに盛り込まれていて、そんな実用性とワクワク感が来場者の心を掴んだ投票結果と言えるのではないだろうか。

矢羽々さんが最近釣りに行くときに愛用しているというお気に入りの1台『シエラ エヌズリミテッド アイアンマン(JB64W)』も、釣りを楽しむための装備が満載だ。

  • スズキのジムニー

「サイドに装着しているライトは細かい作業がある時に活躍してくれます。作業灯はフロントに向けて装着している人も多いですが、側面を照らすことができると便利なんですよね。あとは車内に濡れたまま座っても大丈夫なシートカバーなども必需品といえるでしょう」

「山奥に入っても帰って来られるように走行中に走りながら充電できるバッテリー電源なども搭載しているので、これなら3日間は生き延びられると思います。魚の形をしたバッグミラーはイベント展示用のシャレですけどね(笑)」

険しい山道を攻略するためにはエンジンパワーも欠かせないということで、ボルトオンで装着が可能なターボキットまで装着されているというから、まさに細部まで抜かりなしのコンプリートカーと言えるだろう。

また、展示車両のジムニーとシエラにも装着されていた“IRONMAN HAMER製バンパー”は、オーストラリアの4×4パーツメーカー『Hamer 4×4』が手がける頑丈なスチール製。「山奥に行ってイノシシにぶつかっても壊れないですよ」とこちらもハードな自然環境に対応できる特別仕様だ。

  • スズキのジムニー
  • スズキのジムニー

ちなみに、こういったカスタムパーツのほとんどは、ワンオフ品やオリジナルパーツではなく、もともと既製品として販売されているものを組み合わせて装着しているものがほとんどだという。

「餅は餅屋っていうように、プロが作るものは個性がありますよね。うちは基本クルマ屋なので、いいものを組み合わせて、どうしてもないものは作るというスタンスにしています」

「パーツを作ることに重点を置くのではなく、クルマを売るための提案としてこうやってイジる方法もあるよ、と伝えることで『クルマのことは知らないけれど、こういうクルマいいな!』と興味を持ってもらえればと思っています」と、それぞれ専門の得意分野の知恵を活かしカスタムで構成しているそうだ。

そんなエヌズ・ステージは、コンテナハウスなどの取り扱いもおこなっているほか、大自然をクルマで駆け抜けるアクティビティ体験やログハウス、ドームハウスに泊まることができるアウドドア総合施設もプロデュースしてオープンさせたばかり。

クルマアソビコンセプトエリア“THE MOTEL”と名付けられた施設は「PLAY(遊ぶ)」「STAY(泊まる)」「RENT(借りる)」「BUY(買う)」「WATCH(見る)」の5つのセクションで構成されていている。
釣りやオフロード、冬ならば雪上オフロード体験やスノーモービル体験などのアクティビティを楽しめるほか、ドームハウスやログハウスなどでの宿泊などクルマ遊びを総合的に体感できる場所となっている。

そして矢羽々さんによると、「じつはこれがもともとやりたかったこと」だという。

「クルマを買うだけじゃなくて、なんでこんなに車高が上がっている必要があるのかなど、意味があってやっているというのを実際に体感できる場所を用意したかったんです。ショールームでクルマを並べるのではなく、そういうところにお客さんを呼んで一緒に遊んで、クルマでの遊び方を知っていただくことが大事だな、と」

「“THE MOTEL”では施設内の川で釣った魚をそこで焼いて食べたりもできますし、トレーラーサウナ体験なんかもできます。レンタカーなども用意しているので、それで遊んでみたらクルマを欲しくなっちゃう人もきっと出てくるのではないかと思うんですよ」

「クルマとクルマをとりまくライフスタイルを総合的にプロデュース、遊びを通してクルマの楽しみ方を提案」というテーマを掲げるエヌズ・ステージ。
それは代表の矢羽々さん自身が釣りやアウトドア遊びを目一杯楽しんでいて、そのノウハウによって乗り手の利便性や楽しみ方を広げることができるという自信の裏打ちがあってこそのコンセプトと言えるだろう。

遊びの達人が手掛けるカスタムカーと遊び場。エヌズ・ステージのブースには、雪が解けたらぜひ足を運んで体験してみたいと思わせてくれるワクワク感が溢れていた。

取材協力:エヌズ・ステージ

(文:西本尚恵/撮影:土屋勇人)

[GAZOO編集部]

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