遅咲きの4輪デビューで感じたクルマの楽しさ。カローラスポーツと歩みはじめた初愛車ライフ
佐賀県唐津市の『虹の松原』で開催した出張取材会に、福岡県から参加してくれた『あみと』さん。愛車は僅か4週間前に納車が行なわれたばかりだという、まだほとんど新車そのもののトヨタ・カローラスポーツ ハイブリッドGZ(ZWE219H)で、マイカーを所有するのはこのクルマが初めてだそうだ。
「オートバイ好きの父親の影響もあって、免許の取得も2輪が先でした。まずは、父と兄2代に渡って乗り継がれたホンダ・ホーネット250を譲り受けました。けれど未熟さ故か転倒してしまい廃車に…それからはカワサキのW650、ヤマハのFZ6Sといったオートバイ歴となります。もちろんクルマも好きで、スカイラインGT-Rや86/BRZなどのスポーツカーを見て『凄いな~』と思うことはあったけど、転勤が多く慌ただしい仕事をしているので、自分で所有したくなるほどまでの興味は持っていなかったんですよね」
そんなあみとさんの心境に、大きな変化をもたらしたのがカローラスポーツであった。2018年に発売された当初から『割と好きなカタチかもしれない』と気になる存在ではあったものの、実際に購入を検討するまでには至らなかったという。ところがある時、街角で偶然見かけたグレーメタリックカラーのカローラスポーツに衝撃を受ける。
「めちゃくちゃカッコよかったんです。この出来事の少し前に、見学に立ち寄ったディーラーの展示車は別の色でしたが、クルマってボディカラーの違いで驚くほど雰囲気が変わるんですネ。グレーメタリックのカローラスポーツと出会って、初めて『ホンキで欲しい!』 という気持ちが湧いてきたんです」
トヨタを代表する長命ブランドのひとつである『カローラ』のハッチバックモデルとして、2018年に発売がスタートしたカローラスポーツ。切れ長でシャープな印象のヘッドライトや重心が低くてワイドなスタイリングなど、まさにスポーティさを感じさせてくれるルックスが印象的だ。また、登場してからは毎年のようにマイナーチェンジがおこなわれていて、あみとさんの心を射止めた『グレーメタリック』のボディカラーは2020年の改良時に新色として追加されたものだ。
また『DCM (Data Communication Module)』を標準搭載した『初代コネクティッドカー』として、車両から得られるリアルタイムデータを生かしたアドバイスやケアサービスをはじめ、最新地図データを取得したりLINEアプリに愛車を登録して会話できたりと、さまざまな機能を装備した新世代のクルマとしても注目されている。
モータースポーツ好きであれば、2021年からスーパー耐久に参戦していた水素エンジン搭載の『Corolla H2 Concept』のイメージが強いかも知れない。
そんなカローラスポーツを購入することに決め、何度かディーラーに足を運んでグレードや装備類に関するやり取りを重ね、商談は成立。あとは自身初となる愛車を迎え入れるだけという段階となった。ところが…常態化されつつある半導体部品の供給不足などに起因する新車納期遅延の影響もあってか、待てども待てどもクルマは届かず。あまりにも先が見えない膠着状態に耐えられず、第2候補だったスバル・インプレッサの試乗に出掛けてみたこともあったとか。
しかし、インプレッサに試乗した後も、やっぱり本命であるカローラスポーツへの想いは揺らぐことはなかったそうで、そこからさらに数ヵ月の時間が経過。そして2023年も終わりに差し掛かろうとしたある日、ようやく納車日の知らせが届いた。
「最初にディーラーを訪れたのが2022年の8月だったから、トータルで1年3ヵ月が経っていました。実車と対面した時には嬉しさより『やっと会えたね!』という安堵感の方が大きかったですね。所有歴はまだ1カ月足らずなのでアレコレ言える立場ではありませんが、乗る度に実感しているのは“クルマってこんなに楽しいモノなんだ”ということ。仕事で軽自動車やコンパクトカーを運転した経験はありますが、カッコよく言えば“ドライビングの感覚”が全然違いましたね。遅ればせながら、この歳になって初めて世の中のクルマ好きの皆さんの気持ちがよ~く分かりました」
バイクとはまたひと味異なる走りの爽快感に加えて、大好きな映画007シリーズに登場する4代目ジェームズ・ボンド、ピアース・ブロスナンが駆るボンドカー『アストンマーチン・ヴァンキッシュ』のイメージに近いグレーメタリックのボディカラーが、とにかく気に入っているというあみとさん。自身のSNS上でカローラスポーツを購入した旨を伝えたところ、早速、近県在住の同車のオーナーからオフ会の誘いがあったという。
しかし、好事魔多し。とあるミーティングに参加を予定していたところ、その前日、助手席側のドアに小さなエクボを発見! あまりのショックにオフ会への参加を断念する事態に。
「俗に言うドアパンチ、ってやつです。ちょうどプレスラインにかかる部分で、ホントに泣きそうでした。幸い当てた方が保険で対処して頂けることとなり、ディーラーの担当者さんも“バッチリ修理します”と言って下さっているので、少し立ち直りましたが。まァ、こんな些細なトラブルも、クルマを所有して行く上での宿命なんでしょうね。あまりクヨクヨ考えないようにします」
現在、オドメーターの数値は750kmを少し超えたあたり。撮影のためにエンジンルームを見せて頂くと、当然ながら内部はピカピカで、昔風に言えばまだまだ各部にアタリの付いていないナラシ状態といったところである。ちなみに、ボンネットの開閉動作を行なったのも、この日が初めてだったという。
取材の前週には、スズキ・ジムニーに乗る会社の同僚と大分県の耶馬溪方面に往復300キロほどのショートツーリングにいってきたというあみとさん。今後は帰省のタイミングに合わせ、カローラスポーツ発売当時のTVコマーシャルでのロケ地として使われた、長崎県の生月(いきつき)島にも出掛けてみたいとのことだ。
「ロケ地の情報は友達が教えてくれたんです。地元が長崎の佐世保なので、生月島には過去にバイクで何度も訪れていますが、クルマでは初めて。CMでは菅田将暉さんと中条あやみさんが演じるカップルが楽しそうに歌いながらドライブしていましたが、いまのところの予定では、僕は独りで行くと思います(笑)」
「ボディカラー以外でこのクルマの好きなトコロは、内装にさりげなく取り入れられた赤いステッチや、リヤからのフォルムとかですかね。スタイルも派手さは無いけど街中で映えるし、ガチなスポーツカーほどの性能じゃないけど、走らせていて気持ちが良い。ドアが4枚あって車内も広くて実用的。こんなキャラクターって、意外と少ないように思うんです。僕みたいな温度感の人間にはピッタリ。まさにメーカーのコンセプトに刺さるべくして刺さった感じですネ」
しばらくはノーマルを楽しみたいと思っているいっぽうで、シンプルで派手すぎないイメージを守りつつTRD製エアロパーツやウイングも装着したい…と今度のプランについても構想を膨らませているという。。
オートバイはもちろん、一眼レフカメラで風景写真を撮ることや、スポーツに映画鑑賞ななど、とても多趣味なあみとさん。その他にも、クッキーやベイクドチーズケーキなどの洋菓子作りが得意な母親譲りの腕前だという。それに加えて待望のマイカーが加わったことで、週末の予定はこれまで以上に忙しくなりそうだ。
取材協力:虹の松原森林浴の森公園(佐賀県唐津市浜玉町浜崎)
(文: 高橋陽介 / 撮影: 西野キヨシ)
[GAZOO編集部]
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