スズキ・ジムニーはミニマムサイズで最大限の幸せを実現するドリームカー!
「このクルマを選んだ理由は、ズバリ、アウトドアを楽しむためです!」
スズキ・ジムニーXL(JB64W)のオーナーであるmoriさんはボーイスカウトの経験があり、両親がキャンプ好きだったということもあって、幼少期からアウトドアでのアクティビティは身近な存在だったという。
また、大学を1年休学して世界横断の旅に出発し、陸路を中心に約50ヵ国、およそ300日かけて単独で世界を渡り歩いたバックパッカーの経験を持つという。
「大学4年生時には就職活動をしていくなかで『本当に自分がやりたいことは何なのか?』と自問自答するようになり、いわゆる“自分探し”の旅に出たんです。旅を通じて、国籍はもちろん、色々な人と出会い『自分は自分、人は人』と当たり前の事に気がつきました。これが分かってからは小さい事で悩むこともなくなり、何にでも挑戦できるようになりました」
その後、大学に復学して卒業。社会人となり結婚して、愛娘が誕生すると『子供を旅に連れていきたい。いろんな景色を見せたい。子どもと一緒にキャンプがしたい』といった想いが強くなり、当時所有していたミニクーパーS(R53)からジムニーへと買い替えたという。
「道を選ばずにどこでも走れるし、軽自動車なので維持もしやすい。アフターパーツ類も手頃な価格で購入できる、というのがジムニーをチョイスした理由です」
今や国民的な人気車と言ってもいいほどのジムニーは、オーダーしてから納車まで1年間待つことに。
「納車までの期間を逆手に取り、娘をキャンプに慣れさせるための特訓をスタートしました。まずはアニメの『ゆるキャン△』を観てもらって“キャンプ=楽しい遊び"と徐々に誘導していきましたね(笑)。そして、冬の時期に自宅の庭で家キャンをやってみたんです。はじめてのテント泊で心配でしたが、なんと娘は自宅の庭に張ったテントの中で爆睡! 我ながら自分のDNAが継承されているんだな~と実感しました」
こうして娘さんのキャンプトレーニングをクリアし、ジムニーが納車された2021年4月。いよいよ本格的にアウトドアを楽しもうとした矢先、予期しなかったアクシデントが起こる。ジムニーが事故に遭い、全損となってしまったのだ。
「大きな怪我はなく、なんとか同じジムニーか買えることになったのが幸いでした」
事故のトラウマもあったが、もう一度ジムニーに乗りたいと思ったmoriさん。それから1年7ヶ月後、2022年12月29日に待望の納車日を迎えると『首をなが~くして、娘と待っていました!』と言わんばかりに、翌日の12月30~31日には、娘さんと一緒に大分の志高湖でキャンプを満喫。そして大晦日には一旦帰宅して、2023年の元日~1月2日には熊本の阿蘇方面へと連続でキャンプに出かけたそうだ。
「ジムニーが来るまでの間も、家キャンしてトレーニングを重ねていたので、娘は問題なくキャンプに順応してくれて安心しましたネ」というわけで、2023年は娘さんとキャンプ三昧だったと振り返る。最低でも隔週末、月に2~3回はキャンプに行っているという、アウトドア強者ぶりを披露してくれた。
そして、moriさんのジムニーにおいて最大の見どころとなるのが、軽自動車という限られたスペースに無駄なく、効率よく装備されたアイテム群だ。
「モットーはとにかく実用性を重視して、無駄なアイテムは買わないことです。これ以上はジムニーに積めませんから(笑)」
まず説明してくれたのが、愛車のアイキャッチとなっているiKaMPERのSkycamp mini2.0というルーフテント。慣れた手つきで設営すること5分程度で、あっという間にテントが完成した。
「“旅をより良いものしよう”という商品コンセプトと、開発者が家族で北米を旅して着想を得たというストーリーが気に入って買いました。テントの設営も簡単だし、ハードケースも耐久性を考えてチッピング加工がしてあるんです。雨に濡れてもひとまずテントをケースに収納し、晴れた日にルーフに広げれば乾燥できるので手入れもラクですね。そして、内装にデザインされている世界地図も旅っぽさが出ていて好きなんですよ」
天窓もあり、娘さんと星空を見ながら寝ることができる夢の空間。そしてなんと、moriさんは2023年6月にiKaMPER JAPANの公式アンバサダーにも選ばれたそうだ。
最近では、ルーフラックのわずかに空いたスペース(リヤゲート側)へARB製のオーニングを追加。その上には、寝袋を収納するカーゴバッグも配置する。こうすることでルーフテントから降ろすことなく、そのまま寝具の出し入れが可能なのだという。とにかく、計算されたパーツレイアウトと用意周到なまでのアイテムチョイスに、ただただ感心するばかり。
そして気になったのが、リヤゲートにぶら下がった大きな袋とウォータータンク。
「背面タイヤに取り付けたのはトラックバックと言って、泥で汚れたアイテムや炭の入った火消し袋を入れたり、キャンプで出たゴミを持ち帰ったりする収納袋のような物です。また、いつでも水が使いたかったので、1.5ガロンタンクを装着したいと考えていました。そこは、タンク固定用のステーを自分で製作して装着しました」と、その出来栄えはDIYとは思えないほど。
“旅=どこでも行ける、泊まれる"というコンセプトで機動力も重視。足まわりは1.5インチアップと控えめながらも、走破性は各段に向上。そこにマットブラックのアルミホイールと、舗装路から悪路まで対応するタイヤをセット。走破性が格段にアップしたことで使い勝手が向上したのはもちろん、レトロアメリカンなビジュアルも良い雰囲気だ。
「エクステリアは、ランドローバー・ディフェンダーをオマージュした、DAMDのlittle D仕様です。併せて、リヤバンパー、オーバーフェンダー、スキッドプレート等も装着しています」
インテリアは、キャメルカラーのヴィンテージ風レザーでカバーされたシートが目を引く。アンティークの旅行カバンのような雰囲気が気分を盛り上げてくれる。そして、センタートレイには、無造作に置かれたレトロちっくなカメラが。
「FUJIFILM X100Fという23mm単焦点カメラです。フィルムシミュレーションの色表現ができるところに心を掴まれ、衝動的に購入しました。シンプルなカメラですがとても気に入っています。一生の相棒になりそうです」
カメラと同じくらい、このランタンもお気に入りですと、見せてくれたコールマンのルミエールランタン。
「『ゆるキャン△』に登場したアイテムだったので、娘にクリスマスプレゼントとしてあげたんですけど、もらった娘は『ゆるキャン△のやつだ! …はい!』って、あっさり僕に返してきたんです。結局は僕が欲しかっただけですね(笑)」とmoriさん。
そんな娘さんだが、今度のクリスマスには、ソロキャンプ用のテントが欲しいのだとか。
「嬉しいことに『パパのジムニーの横で自分用のテントを張って一緒にキャンプする』と言ってくれています」と、顔がほころぶmoriさん。
『娘が楽しそうに遊んでいる横で、ゆっくりキャンプを楽しむのがなによりの幸せ』と、2024年も娘さんとふたりで、たくさんのキャンプを計画中のmoriパパ。
「目標は富士山の『ふもとっぱら』に、娘とキャンプをしながら行くことですが、近い将来実現できそうですね」
色々な景色を娘に見せたい。そんな想いを叶えてくれるジムニーは、人生においても最高の相棒となっていた。
取材協力:虹の松原森林浴の森公園(佐賀県唐津市浜玉町浜崎)
(文: 櫛橋哲子 / 撮影: 平野 陽)
[GAZOO編集部]
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