人生の分岐点に立った時、鳥とWiLLサイファが僕の原動力になりました
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トヨタ・WiLLサイファ(NCP70)
「こんにちは! クルルル~!!」
そんな明るく楽しそうな挨拶と共に、鮮やかな緑色のWiLLサイファ(NCP70)で出張取材会の会場となった山梨県庁に現れたのは、グリーンのシャツを羽織り、2羽のインコを肩に乗せた『ぴろし先生』。
これまでたくさんのオーナーさんを取材させて頂いたが、インコと共に撮影会に来てくださったのは彼が初めてだ。きっとユニークな感性をお持ちなのだろうなと思いつつ取材を進めていくと、やはり期待を裏切らないバイタリティに富んだ人物であった。
ぴろし先生が撮影会にインコと共に来てくださったのは、WiLLサイファを購入するキッカケが『インコを飼いはじめたこと』だったからだ。
「ウチには今、ちょっと珍しいインコが7羽いるんですけど、6年前にその1羽目を飼い始めた時、近所の動物病院では診てもらえず、遠くの動物病院まで行くしかなかったんです。当時は、引越し先が駅近だったこともあって人生で初めてクルマの無い生活を送っていたんですが、病院に行くにはクルマを買うしかなくて…」
そんな時にたまたま見つけたのが、この個性的なWiLLサイファだったそうだ。
「僕、とにかく昔から緑色が大好きなんですよ。鳥も7羽中4羽が緑で、服も基本的に緑しか着ないくらいなんです。このWiLLサイファも『あ、緑のクルマ発見! サイファってそんなクルマあったな~。しかも8万円って安いし。で、トヨタのセラと同じ工場で作っているようだし、いろんな縁(えん)があるんだな』って、迷いもせず買うことにしました。車検込みで20万円くらいだったので、人生初の現金一括払い。ウチの鳥のどの子よりも安かったんですよ! ふふっ」と、楽しそうに話してくれた。
そんなぴろし先生が、変わったクルマを好きになったきっかけが、大学時代の“トヨタ・セラ”との出会いだったという。
「僕、以前は特にクルマに興味はなくて、カローラすら知らないくらいだったんです。けれど、バイト仲間がクルマを買うというので一緒についていった際に、そのお店に置いてあったセラが気になって…。いろいろ計算してみたらバイト代でも買えるなって思って、クルマの必要性は無かった生活状況でしたが買っちゃったんですよね」
そのセラに乗ったことがキッカケとなってカスタマイズにハマったそうで『全塗装も含め、エンジン以外は全部カスタムした』というほど。やがて結婚、子供ができてからも、17年間乗り続けたという。
それと並行してニュービートル、シトロエンC4を2台、ルノーのメガーヌⅡを3台、シトロエンDS3などフランス車をメインに乗り継ぎ、一度クルマに乗らない期間を経て、今回のWiLLサイファの購入に至っている。
WiLLサイファは、トヨタWiLLブランドの第3弾として2002年に発売されたハッチバックのコンパクトカー。デザインコンセプトは『ディスプレイ一体型ヘルメット』で、テーマが『サイバーカプセル』というだけあって、その個性的なスタイリングは最大の特徴とも言える。他にも、トヨタ車初の車載情報通信サービス『G-BOOK』に対応するなど、新たな試みが随所に見られたモデルだ。僅か3年で販売終了となってしまったが、ぴろし先生とってはそのマイナー車的な側面も購入の後押しとなったのだろう。
そんなWiLLサイファには1.3リッターのFF車と、1.5リッターの4WD車があり、ぴろし先生が購入したのは2003年式1.3リッターでFFのAT車。
購入当初の走行距離は7万km台だったそうだが、現在は10万8000kmを超えたという。
「通勤は電車なので、クルマは完全にプライベート用ですね。WiLLサイファの用途は、鳥の運搬や友達、パートナーの送迎、そしてドライブといった感じです。運転するのは大好きなので、マニュアル車も好きなんですが、やっぱり渋滞路は疲れますから…(笑)」
愛鳥の運搬が大前提ではあるが、友人の送迎時には『ミドリタクシー』と呼ばれていて、その愛称も気に入っているのだとか。インコ達を動物病院に連れていく時は、持ち運びができる専用カゴに入れて大切に送迎しているそうだ。
「壊さずに長く乗りたいというのが僕のポリシーなので、セラに乗っていた頃からエンジン関係は一切いじりません。けれど個性は出したい。そこで帰結するのが“見た目”なんですね。僕のカスタムは見た目がすべてなんです。何をしたらこのクルマがもっとカッコ良くなるんだろうって考えて、自分でできる範囲でやれるだけやった結果がこれです」
『人と絶対被りたくない』というだけあって、自分の感性に全振りした“見た目重視”のカスタム。そんな中でも一番に目を引くのが、やはり緑色のホイールだろう。
「ホイールを交換するなら緑色って決めていました。これは2年前にネットオークションで、ホイール屋さんが練習で塗ったものを安く出品していたものを、偶然見つけたので即購入しました。純正は14インチなのですが、コレは16インチなのでインチアップですね。けど、実は乗り心地を犠牲にしてでも17インチにしたいと思っていたので、次のホイールはすでに業者さんに塗装の見積もりを出してもらっているんです」
「緑の部分以外はカーボン調で揃えようと思って、フロントリップやサイドのカナードもフリマアプリで見つけて、自分で取り付けました。そして、リヤウイングは主治医のショップさんにて、ネジ穴を開けてもらって装着! ウイングってカッコ良いですよね。セラやニュービートルなど今まで乗ってきたクルマにも、極力ウイングを装着していました。灯火類はLED化していて、フロントの4連ライトはイカリング仕様です」
一方、車内はシンプルだが、タコメーターを追加しているところがポイントとなる。といのも、それがぴろし先生の運転の楽しみ方を知る上で大きなヒントとなっているのだ。
「このクルマはターボ車じゃないし、アクセルを踏み込んだところで速くはありません。では、どういう走り方をしたら楽しいかって考えながら運転を楽しんでいるんです。『次のカーブまでの距離を計算すると、ここでエンジン回転数をどこまで上げればスムーズに走れるのか?』といった感じですね。速いことだけが正義じゃないという、言い訳はさせてください(笑)」
「人と違うことをやっていた方が目立っていて、注目されるのもやっぱり楽しいですし、それで周りのみんなが面白おかしく笑ってくれたらそれが一番だと思っているんです。クルマでもそれを体現しているという感じですね」
つまるところ、ぴろし先生は独自性を追求しつつも、周りの人に喜んでもらえたら嬉しいと考えるエンターテイナー。人との繋がりをとても大事にしているのだ。
そんなぴろし先生は、目を細めながらWiLLサイファについてこう語る。
「人生、色々ありました。で、さぁこれからどうしよう!? となった時に、出会ったのが鳥であり、このサイファなんです。だからとても大切な相棒です。僕にはハイスペックなクルマは必要ないし、高速巡行も普通にできて、運転がイージーなAT車なので、彼女に運転を変わってもらうことだってできる。また、手をかけてあげるとちゃんと応えてくれますし。まぁ、エンジンやエアコンの不調などもあるんですけど、経年劣化を考えるとこの程度なら御の字かなって。簡単な整備や修理なら自分でもできますからネ」
緑色のボディに緑色のホイールを履いて、インコと共に現れる『ミドリムシ号』WiLLサイファは、行く先々で周りを楽しませ、笑顔にさせてくれる存在であり続けることだろう。
(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:山梨県庁 噴水広場(山梨県甲府市丸の内1丁目6-1)
[GAZOO編集部]
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