無理してでも欲しいと思える『GRカローラ』に一目惚れ! もう後悔はしない、25年ぶりのカーライフ

  • GAZOO愛車取材会の会場であるジーライオンミュージアムで取材したGRカローラ(GZEA14H型)

    トヨタ・GRカローラ(GZEA14H型)



「久々に『ガツン』ときましたね。完全に一目惚れです。30年ぶりに借金してでも欲しいと思ったクルマでした」
そう少し興奮気味に話し始めたのは、半年前にこの流麗なトヨタGRカローラ(GZEA14H型)を手に入れた『いっしー』さんだ。

GRカローラは、トヨタのモータースポーツを担うブランド『TOYOTA GAZOO Racing』が、カローラスポーツをベースに開発したハッチバックスタイルのスポーツカー。グレードは“RZ”と、限定70台の“モリゾウエディション”の2種が存在する。

2022年12月に発売されたRZグレードの初回生産台数は限定500台。しかも商談申し込みは抽選で、当選倍率は50倍とも100倍とも噂される人気ぶりであった。

そんな中、いっしーさんは抽選に2回落選したものの、2回目の“キャンセル待ち”として、商談申し込みするチャンスを得た幸運の持ち主。20代の時にあった、とある苦い経験から『もう二度と、買わずに逃すような後悔はしない』と心に決めていた彼は、キャンセルが出た瞬間、迷わずこの愛車を手に入れたのだという。

「元々クルマ好きで、特に4WD車が好きだったので、運転免許を取ってからは親のジムニーに乗って遊んでいました。そして僕が最初に買ったのは、三菱のRVRスポーツギア。これも4WDで、オーバーフェンダーがカッコ良かったし、エンジンもスポーツ系だったところも気に入っていました。これでよくスキーに行っていましたね。ただ、そんなブームも収まってきて、そのうち周りも家族を持つようになって…。次第に僕も興味がなくなってしまって。そんな時に引っ越すことになり、クルマがなくても生活できる環境に変わったので、1999年だったかな…5年乗ったRVRスポーツギアを手放しました」

その後、このGRカローラを買うまでの約25年は愛車を持たなかったそうだが、オートバイは好きだったため、排気量の異なるホンダのアフリカツインを2台と、CRM250AR、125ccのグロムという、オフロードを楽しめる計4台のオートバイを所有。週末は林道のツーリングやキャンプなどを楽しんでいたのだという。

こうしてカーライフから25年も離れ、クルマへの興味もほとんど無くしていたいっしーさんが、GRカローラの存在を知ったのはインターネットだった。

「4WDでオーバーフェンダー。見た目がとにかくカッコよくて、完全に一目惚れでした。すぐに1回目の抽選に申し込んだのですが、外れてしまって…。ただ諦めきれず、どうしても実物が見たくてトヨタ本社まで見にいきました。実物を見たらますます欲しくなる一方で、2023年9月に2回目の抽選に応募したんです。けど、これも落ちてしまってもう諦めていたんですが、その2ヵ月後の11月に、なんと『キャンセル待ちになった』と連絡がきたんです。出張先で連絡を受けたんですが、それからはもう仕事が手につかなくなるという状態でした」

車体価格だけでも500万円を軽く超えてくるGRカローラ。「いざ見積もりを取ると、一瞬『うっ』と尻込みした人もいたのでは? と思います」と。いっしーさんは話してくれた。

そんないっしーさんもやっぱり『うっ』となったものの、それでも後悔はしたくないと、妥協せずフルオプションを選択。650万円近くの見積もりになりながらもGRカローラを購入した。そして彼がここまで思い切った購入をした事には理由があった。

「20代前半の時、ランサーエボリューションⅤが登場したんです。そして一目惚れをして、『乗りたい!』と思って、3回も見積もりを取ったんですが、その当時は予算が足りずに結局買えず、その時の思いをずっと引きずっていたんです。だから今回は、後悔しないためにも“買う”と決めていました。人生一度きりですからね。周りからもいろいろ言われましたが、現物を見てみんな納得してくれました(笑)」

過去に後悔をした経験から、今回の大きなチャンスを逃さずに購入まで至ったというわけだ。こうしていっしーさんが購入したのは、GRカローラのRZグレード。排気量は1.6リッターながら、ターボを搭載し304psを発揮。ミッションは6速マニュアルだ。

「乗るならやっぱり楽しいマニュアル車が良かったんです。ボディの色は、お店にあった白と、このプレシャスメタルで2時間悩みました。僕の中で白は、他のGR車や、GT-Rのイメージがあったのでメタルにしたんです。赤や黒もカッコ良かったけど、このGRカローラは“終のクルマ”にするつもりだったので、この色が大人っぽくて良かったかなと思っています」

そして驚いたのが『初めて乗るワクワク感を体感したかったから』と、購入前の試乗は一切しなかったという点だ。というのも、いっしーさんは製造業に携わっていて、トヨタの品質保証基準の厳しさなどについて知る機会があったことから「それをクリアして自信を持って出したクルマなんだから、間違いないやろ」と、トヨタブランドに全幅の信頼を置いていたのだ。

  • (写真提供:ご本人さま)

となると気になるのが、やはり実際に乗ってみての感想だ。30年前に買って5年間乗っていたRVRスポーツギアから、最先端のスポーツカーに乗り換えた感想である。

「最初は想像以上に車幅が広いことに驚きましたね。ミニバン並みの車幅があるので、慣れるまで苦労しましたね。性能面では加速力と、『ホンマに曲がれんの?』というコーナーも簡単に曲がってくれることに感嘆しました。とにかくクルマの性能が良すぎて、クルマの限界がどこにあるかなんて全然わかりませんよ。

そして、クルマの進化にもびっくりしました。シフトチェンジの回転数を合わせてくれる『iMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)』の機能は、運転がすごく上手になったような気分にさせてくれるし、マニュアル車なのに坂道で何もしなくてもクルマが静止してくれるヒルアシスト機能や、オートクルーズ機能にも驚きました」

“浦島太郎”と形容しても差し支えないほどクルマから離れていただけに、最先端のスポーツカーの機能に、ワクワク感で満たされていったいっしーさん。今はとにかく運転が楽しくて仕方がないそうで、この半年は休日の度にGRカローラで色々なところに出かけ、取材時の走行距離はすでに1万km近くに到達していた。

「1日700kmとかでも普通に走れるくらい、とにかくいくらでも乗っていられるんですよね。このクルマで出雲や九州にも行きましたし、長野や北陸、鳥取や千葉にも行きました。オートバイでツーリングに行くひとり旅では、美味しいものを食べて、綺麗な写真を撮るのも趣味でしたので、GRカローラでもそんな風にドライブを楽しんでいます」

しかしこれだけ走りまわっているとなると、ハイオク仕様ということも相まってガソリン代が相当掛かりそうなものだが、そこは「楽しむためのクルマだから」と、一蹴する。

旅好きで、キャンプも好きないっしーさんのライフスタイルにもマッチしているGRカローラ。ノーマルで十分にかっこいいスタイリングと卓越したスポーツ性能を有しているだけに、大きなカスタマイズはしていない。

「ドアポケット部分だけ、プラスチックで“カローラ感”を出していたので、ネットショッピングでこの赤いステッチ付きのカバーを買いました。車種別の専用品なので、スピーカー部分にはキチンと穴が開いているんですよ」と、嬉しそうに教えてくれた。
そして、オプションで追加したステアリング&シートヒーターもとても気にいっているそうだ。

長く綺麗な状態を維持するための対策としてボディコーティングもバッチリ。
GRガレージ京都伏見と、京都下鴨茶論のコラボイベント『水撮影』にも参加するなど、ドライブ以外でもGRカローラとの想い出作りを全開で楽しんでいることが伺える。

そんないっしーさんに、今後GRカローラでやってみたいことを伺った。
「とりあえず、自分の運転スキルを上げたいです。今はまだこのクルマの底が知れないので、限界も知っておきたいです。そのために講習会に参加したり、サーキットを走ったりできると良いなと思っていますね」

愛車のポテンシャルを引き出せる『ドライビングスキル』を手に入れたいという目標は、いっしーさんのカーライフをさらに楽しくさせてくれるに違いない。

「僕はランエボVの後悔があってから、終のカメラや終のオートバイ、そしてこのクルマも終のクルマと言いながら、すべて後悔しないものを買い続けています。このGRカローラは、乗れば乗るほどその性能に対して650万円でも安いと思えるんです。とくにGRカローラの開発動画などを見ると、どれだけ苦労して生み出されたかが伝わってきて『この金額でこんなに良いクルマを出してくれて、ほんまありがとう』っていう気持ちになるんです」

金銭的な問題から、望みのクルマの購入を諦めることは、誰しもあることだ。しかし一切の妥協をせず、このGRカローラを買ったことで過去の後悔を払拭し、心底楽しそうなカーライフを過ごされているいっしーさんのお話を伺っていると…。

本当に手に入れたいと思うものは、多少の困難があろうとも、そのチャンスを逃すべきではないのだ。と、改めて感じさせて頂いた。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:ジーライオンミュージアム&赤レンガ倉庫横広場 (大阪府大阪市港区海岸通2-6)

[GAZOO編集部]

GAZOO愛車広場 出張取材会 in 福井、京都
参加者募集中! 3/31 10:00まで

注目キーワード

#フェアレディZ#クラウン#GR86#水素エンジン#カーボンニュートラル

キーワード一覧へ >>

SNS

GAZOO公式Facebook_sitesearch GAZOO公式Twitter_sitesearch GAZOO公式Instagram_sitesearch GAZOO公式YouTube動画_sitesearch

MORIZO on the Road