羊の皮を被った狼!? 平凡なセダンだけど、僕にとっては世界一のカムリ
最近、街中でめっきり見かけなくなった“セダン”。新型車からもセダンのラインナップが無くなるなど、その影はどんどん薄くなってきているように感じます。
その理由として、セダンの位置付けが曖昧と感じている人が多いということが考えられます。趣味にはSUV、多人数ならミニバンというように、選ぶ理由を見いだせない人が多いのかもしれません。
そんな傾向のある中、セダンが大好きだという「マルオさん」。
今回は、マルオさん×カムリ のお話をお届けします。
――セダンが好きな理由は何ですか?
3ボックスで実用性があるし、ノーズが長くて高級感のあるところが好きなんです。最近はセダンの設定が無い新型車もありますが、僕が乗っている2代目カムリが販売されていた頃は、みんなセダンに乗っていたんですよ。
それこそ、セダン=クルマみたいな感じで、その頃のイメージが頭の中にずっと残っているのかもしれません。
――では、カムリを選んだ理由は?
実は、カムリを探していた訳ではなかったんです。セダンでGTというスペックであることと、バブル期のあたりに作られたクルマなら何でもよかったというのが正直なところです。
バブル期にこだわったのは、その時代のクルマの形やデザイン、走りが好きだからです。
あとは、当時、TOYOTAのメカニックとして販売店で働いていたから、少しは詳しい?(笑)、そして懐かしいという理由からです。不思議なもので、運転すると若かりし頃のことを色々思い出しますよ〜。
――例えば、どんなことですか?
今はどうなっているかは知りませんが、僕が入社した頃は、働いている店であるトヨタ店で販売してるクルマだけしか乗れなかったんですよ。なんですけど、クラウンやソアラといった高いクルマしか取り扱いがなくてカリーナEDを買うのがやっとだったこととか。
カムリに纏わる話でいくと、上司より良いクルマに乗ってはいけないという暗黙のルールがあって、マークIIに乗っている上司を持つ人が、カムリをよく買っていたな〜とかね。
――それ、分かります。何かがキッカケとなって、昔の記憶がどんどん蘇ってくるんですよね。
そうそう、そんな感じ! ツインカムエンジンを搭載したスポーツグレードであるGTに乗りたかった自分のことも思い出したんですけど、これは大人になって叶えられたから良しとするかな♪
――実際に欲しかったクルマに乗ってみてどうでしたか?
まずは、懐かしかったですね。オーディオがカセットテープなところとか、100km/hを超えたら「キンコーン」って音が鳴るのとか。
筆者さんは知らない世代かもしれないですけど、スピードを出しすぎですよ!と注意喚起を促すために、昔はこの音が鳴るのが主流だったんです。
僕のカムリは、そのキンコン音が消える寸前のクルマで、これを聞いた時は、そうそう!これこれ〜!って、思わず笑っちゃいました。
一見すると普通のセダンに見えるんですけど、GTなので軽快に走ってくれて楽しいですよ。僕は、カムリのことを“羊の皮を被ったオオカミ”だと思っているんです。
決してパワフルというわけではないんですけど、FFなりにフロントヘビーに感じ、ストラットタワーバーが付いてるからか、素直に曲がってくれて意外性があるなって。
――普通そうに見えてっていうのが、また良いですね!ギャップといいますか。
そうなんですよ〜。マフラーが大きいとか、エアロが付いているだとか、パッと見てスポーツグレードだなという箇所は無くて、よく見るとGTなんだなと分かるくらいの主張が気に入っているんです。
例えば、サイドドアの下の方に「2.0 TWIN CAM16」というサイドステッカーが貼ってあったりだとか、リアドア部分に「2.0 GT」というエンブレムがついていたりとかね。
見る人が見たら、GTなんだなって分かってもらえればいいと思っています。
逆に、車内はホーンパッドに「TWIN CAM」と書かれた専用のステアリング、ヘッドレスト部分に穴の空いたスポーツシートなど、分かりやすい装備が多いです。
――なるほど。乗ったら分かるというやつですね。他に気に入っている所はありますか?
サンルーフが1番気に入ってる所でもあります。開けると解放感があって、車内を快適に過ごせますから。
あとはボディカラーですね。というのも、白じゃない色が良いなと思っていたからです。僕がメカニックをしている頃は、オーソドックスだし、擦ったときに誤魔化しが効く色だったから白にする人が多かったんですよ。
だから、ちょっと人とは違う色にしてみようかなということで、銀を選びました。ただ、そういった個体を探すのは結構大変でしたけどね。
――なぜですか?
人気が無かったからなんでしょうね。GTグレードは売れていなかったし、手元に残さなくていいや〜と潰してしまう人が多かったんじゃないかな。
人気があって残ってるクルマは多いけど、そうじゃなかったクルマって無くなっているケースが多いですから。
でも、僕はこのクルマが大好きです。良いクルマというのは、機能性やデザインが優れている、人気があるというのもあるでしょうが、自分が好きなクルマが良いクルマなんじゃないかと思うんです。
快適なドライブをしてくれるカムリに、これからも愛情を注いでいきたいと話してくれたマルオさん。今日も、当時のことを思い出しながらハンドルを握っていることでしょう。
(文:矢田部明子)
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