古いクルマって意外と壊れない!24年間乗ってきた愛しのヨタハチ!
「古橋さん」が“ヨタハチ”ことトヨタスポーツ800に乗ろうと思ったのは、自分でクルマをいじってみたかったからとのこと。
独学で塗装や溶接方法を学び施工しているので、少し不恰好なところもあるそうですが、そこも気に入っていると話してくれました。
そんなヨタハチに乗りはじめて24年、維持するということは思った以上に難しくないと教えてくれました。
今回は、古橋さん×ヨタハチ のお話をお届けします。
――クルマをいじってみたい!と思ったキッカケは、何だったのですか?
僕は自動車会社に勤めていて、当時はクルマの組み立て作業をしていました。
その作業というのは、クルマが完成するまでのほんの一部分なんですけど、他にはどんなことをやっているんだろう? 丸々1台組み上げてみたい! と思うようになったのが、クルマいじりの始まりでしたね。
――なるほど。そういったお仕事をされてらっしゃるなら、知識も豊富ですしね!
いえ、そんなことはないですよ(笑)。僕が携わっているのは1部分にしかすぎないので、分からないことだらけです。
――ほぼ独学ってことですか?
そうです。工業高校在学中に、授業でチラッとやったことがある程度でしたし、そんな感じでいじっているので、プロの方が見たら何なんだこれ……って驚愕するほどのレベルだと思いますよ(笑)。
例えば、ボディにサビがあったので、修理をしようと溶接機を買ってきて錆びているところを切って、形状が複雑だったから叩いて同じようにして溶接してくっつけたつもりだったんですけど……、チリが合ってないんです(笑)。
まぁ、でも走ればいいか!って感じなので、そこもチャームポイントとしています。ボディ塗装に関しては、今回2台目だったから、まぁそこそこ上手くいきましたね。
――2台目?
はい! ヨタハチの前は、ホンダの360Zに乗っていて同じように色々いじっていたんです。
その時にボディ塗装を缶スプレーでやったら、艶も全くなくかなりイマイチで……。それで今回は、エアーコンプレッサーを購入して仕上げました!結構上手くいったかな〜なんて思っています。
全塗装まではまだやってないですが、前側から、順番にちょこちょこと進めて今は2/3ぐらい塗り直しました。
――腕が上がったというわけですね。ところで、ヨタハチの前は360Zに乗っていらっしゃったりと、旧車を愛車として選ぶ理由は何ですか?
コンピューターのような電子的な要素がないから、自分でもいじりやすいかなと思ったんです。
部品が見つからないという大変さはありますが、それもやりようがあるし、すごく複雑な構造をしているというわけではないので、僕でも出来ちゃうんですよ。壊れても直せば良いんです。
――なんとなくですが、旧車=よく壊れるというイメージがあるのですが……、そこら辺はどうですか?
壊れて大変なんじゃないの〜って聞かれることもありますが、24年間旧車に乗ってきて思うのは、意外と壊れない!ということです。
――それを聞いたら、乗ってみようと思う人も増えそうです♪
とか言ってるんですけどね〜。この前、イベントの試乗会で、若い子を、ヨタハチに乗せて「思ったよりも丈夫なんだよー。大丈夫だよー」なんて言いながら走っていたんです。
そしたら、そういう時に限って止まっちゃうんですよ。お前……、今はダメだろ……。時と場合を考えてくれよって思いましたね……(笑)。
――あはは(笑)。ある意味ナイスタイミング! 正直な話、故障する頻度ってどれくらいなのですか?
24年間運転してきて、高速道路で2回、若い子を乗せた時に1回の、3回故障したくらいです。
――ええ! たったそれだけ!? 本当に故障しないのですね!
でしょ! ヨタハチの困った所は、故障するタイミングだけなんですよ。イベントが終わって帰り道の高速道路で1回、イベントに行く途中の高速道路で1回、若い子を乗せた時に1回。ね?タイミング悪いでしょ?
――そこまでタイミングがピッタリ合うと、逆に清々しいですね
他人事だと思って〜(笑)!ただ、エンジンを修理しなくちゃなーって時に壊れてくれたから、まぁ……タイミングが良いっちゃ良いのか!
――そこまでして乗りたいと思う、ヨタハチの魅力ってなんですか?
たくさんありますが、空冷2気筒な所ですかね。エンジンを回すと、パタパタって音を立てながら走るんです。
今時のスポーツカーのエンジンに比べたら、所詮2気筒だし大したエンジンではないから速くないんですけど、その音を聞くと走ってるな〜!という感じがして楽しいんです。
高速道路で100km/hくらい出すと、パタパタという音が、パタパタパタパタパタパタって速くなるのも、頑張ってかけっこしてるな〜って愛おしくなっちゃいます。
――もうヨタハチから離れられないですね。
はい。僕が乗れなくなったら、ゆくゆくは息子に引き継ぎたいと思っているんです。
高校2年生なんですけど、クルマに興味を持ってくれたようで「ドライブに行く?」って言ったらついてきてくれるんですよ。愛知から岐阜へと県を跨いで、山道を走ってね。
1日中ドライブをして、クルマの中でクルマのことを話して、すごく楽しい時間を過ごしています。だから、ヨタハチは息子に。きっとヨタハチを可愛がってくれるはずだから。
走れば何とかなる!というヨタハチは、これからも古橋さんが手を加えながら共に時を過ごすとのことでした。きっと、そのあとは息子さんと。
(文:矢田部明子)
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