まるで、娘のようなクルマ?手のかかる可愛い愛車 トヨタスポーツ800
所持していたというわけではなかったが、いつか乗ってみたいとヒストリックカークラブに入ったという「江川さん」。クラブを通じて沢山の人と出会う中で、サラリーマンの自分でも旧車を維持できるのではないか?と思うようになったそうです。そんな江川さんが愛車として迎え入れたのは、“ヨタハチ”の相性で親しまれているトヨタスポーツ800だったとのこと。
今回は、江川さん×トヨタスポーツ800のお話をお届けします。
――なぜ、トヨタスポーツ800を選んだのですか?
選んだというよりは、ある方に「800に乗ってみませんか?」と声をかけて頂いて、背中を押してもらったという感じなんです。当時の僕は旧車に興味を持ちつつも、維持が大変そうだなぁ……と尻込みしていて、諦めていた?部分がありました。ただ、国産外車問わずにヒストリックカーは大好きだから、友人とそれに関する話をしょっちゅうしていたら、そんなに好きなら動かなくなってしまって廃車にしようか迷っている800があるから見にこないか?という話をされたというわけです。
――それで購入に至ったというわけですね。
はい。10年以上前に、そういった暖かいご縁のおかげで迎え入れることが出来ました。“昭和40年式・車体番号10132”、初期型で日本での販売台数3131台中の132台目に生産されたヨタハチでした。僕はモータースポーツが大好きなんだけど、ヨタハチはレースで活躍したクルマということもあって、ハンドルを握ると感極まるものがありました。実は、僕自身も若い頃にダートラのレースに参戦していたこともあったんですよ。まぁ、ダートラだからヨタハチが活躍していたのとはちょっと系統は違うけどね。モータースポーツという括りでは一緒でしょ(笑)?
――一緒で間違いありません(笑)。レースで一世を風靡したヨタハチの走りはどうでしたか?
57年前の車なので、きしみ音やガタガタ音はするんですけど、ふわふわした乗り心地で意外に気持ちいいですよ。今のクルマは、静かで揺れないということが重要だったりしますが、ヨタハチの場合はエンジン音、ミッション等のメカニカルノイズが心地良いから、自分の中ではうるさくてもOKとしています(笑)。走りは車重が580kgと軽いので、カーブを軽快に曲がってくれるなどとても楽しいです。とまぁこんな風に数え切れないくらいの面白いが詰まったクルマなのですが、“機械的なところ”が1番気に入っています。
例えば、マフラーにオイルが滲んで焼けて香ってくるあの独特な匂いや、エンジンルームからのなんともいえない香りとか、走行性能以外で五感に働きかけてくるとでもいいますか。あぁ、機械っぽいなぁ!というところが好きなんです。サーキットを走らせると、現在の軽自動車の方がよっぽど速く走れるんですけど、ヨタハチには今のクルマにはない言葉に出来ない楽しさがあるんですよね。どっちが良い悪いということじゃなくてね♪
――なるほど。愛車として迎え入れて良かったですね。
はい。だけど、どうしたものかと頭を悩ませることもありますけどね。いやいや、それも旧車の醍醐味ではあるんだけど、それでも……なんというか……(笑)。
――例えば、どんなことですか?
季節によってエンジンのかかり具合が変わってくるから、それによってかけ方を変えていかないといけなかったりとか。エアコンがないから、真夏日はサウナ状態、冬はすきま風が車内に入ってきて極寒だったりとか。それと、僕のヨタハチは故障しちゃって窓の開け閉めが固くて大変で……。駐車券を取る時は、ドアを開けて外に出るというのはなかなか面倒臭いですね(笑)。
――高速道路も面倒臭いですね(笑)。
いやいや!高速道路はETCがあるじゃないですか!
――あっ!そうだった!技術の進歩に感謝ですね!
あはは(笑)!その通りです!窓はな~、修理したいんだけど部品が高くてね~。なんせ僕はサラリーマンで、雇用延長したとはいえどもなかなかお金をかけられないんですよ。ヨタハチ貯金をするために、普段使いしていたクルマを手放して、会社は電車とバスで通勤したり、コツコツ500円玉貯金をしているけどなかなか……。貯金が溜まったら、窓の修理とボディを全塗装したいです!
――私も、愛車のローンを返す時にそんな感じでした。もやしもやしもやしでゲンナリしていた時期がありました……。今はガソリン代を払うために、そんな感じです……。
気持ちは分かるよ。お互い頑張ろうね……。
――はい……。でも、江川さんはそうまでしてもヨタハチに乗りたいということですよね?
そうなんです。それなりに手はかかるんですけど、乗っていると色々な思い出を作ってくれるからね。旧車仲間とのツーリングで、お昼ご飯を食べる店まであとちょっとの所で動かなくなっちゃったりとか(笑)。普段は口も聞いてくれない娘と、思いがけずドライブができたりとか。あれは嬉しかったなぁ……。ツーリングラリーというイベントがあって、1度だけそれについてきてもらったんですよ。ラリーって、次の信号を右に行けみたいなことが書いてある“コマ地図”を頼りに進んでいくんですけど、僕が運転して娘がコマ地図をみながらあーだこーだ言ってくれるわけですよ。「お父さん何しよっとね!?間違っとうとね!?」とか言いながら、一生懸命してるんです。それが、親からしたら最高の思い出となりました。言うなれば、ヨタハチは娘と一緒なのかもしれません。手がかかるのに、なかなか言うことを聞いてもらえない(笑)。機嫌を損ねちゃいけない(笑)!みたいな。でもね、どっちも僕の宝物ですよ。
と、嬉しそうな声で話していた江川さん。次で6回目の車検を迎えるというヨタハチのために、まだまだ頑張ると話してくれました。
トヨタスポーツ800との思い出いっぱいの愛車ライフ
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