86が「あぁ!生きててよかった!」と思うくらい僕の人生を楽しくしてくれた

  • トヨタ・86

息子さんがクルマの免許を取ったのをキッカケに、86が僕の家にやって来たと話してくれた「松本さん」。

お子様が小さいうちは、利便性や経済的なことを考えるとスポーツカーにはなかなか手を出すことが出来なかったため、納車日ほど幸せだった日はないと話してくれました。
そんな86を毎日愛でていると、あることに気付いたのだそうです。

今回は、松本さん×86 のお話をお届けします。

――息子さんが免許を取ったことが、86に乗るキッカケとなったのですか?

そうです。もともと我が家は1台しかクルマがなくて、平日は妻が通勤に使い、休日は僕が乗るという使い方をしていたんです。

ですが、息子が免許を取りクルマに乗る機会が増えた事で、妻は通勤用に別のクルマを買ったんですよ。

そしていつも使っているクルマを息子と僕で兼用で使っていたのですが、乗り替えのタイミングで妻が二人の好きなクルマにすれば!と言ってくれたんです。

――それで86を選ぶあたりが、なかなか攻めてますね(笑)。

  • トヨタ・86のリヤビュー

妻はクルマ好きだから、絶対にスポーツカーに乗ってはダメ!というわけではなかったんですけど、維持費や利便性のことを考えるとなかなか手が出せなくてね〜。

だからこそ、子供達が大きくなった今こそ乗ろう!と思ったんです。久しぶりに走りが面白いクルマに乗るとやっぱり面白くて、買って大正解だったなと思っています。

――久しぶりってことは、昔乗っていらっしゃったのですか?

  • 日産・S13シルビア

はい。S13シルビアに乗っていました。初めてのターボ車で、走るのがすごく楽しかったのを覚えています。

それまでは、兄とセリカに共同で乗っていたから自分の好きなようにいじれなくて、やっと自由にホイールや足回りを換えたり、本格的なクルマいじりが出来るようになったクルマでもあって、僕のカーライフにとって欠かせないクルマです。

――兄弟で乗ると揉めるんですよね〜。分かります

そうそう。乗りたい時にどっちかが乗っていたりとか、クラクションを変えたらノーマルの方が良かったとか青いランプは付けるなとか、ことあるたびに喧嘩していましたね(笑)。

だからこそ、自分の乗りたい、自分だけのクルマに乗ろうと思ったんです。

――なるほど。そういうことがあったんですね。

  • トヨタ・86のサイドビュー

今思えば、そういった経緯も86とシルビアは似ていますよね。私だけの乗りたかったクルマを、やっと持てるようになったというか。

だから、今が楽しくてしょうがないんです。シルビアを思い出して、あれをやりたい、これをやりたいと、ついついやりすぎてしまった……。

――ん?息子さんと一緒に乗るクルマだったのでは?

いや〜、そのはずだったんですけどねぇ〜。カスタムし過ぎたのを見た息子が、何かあったら大変だからと乗らなくなってしまったんです(笑)。

だから、86は僕だけのクルマになってしまいました。

――えええええ(笑)!ちなみに、どんな所をカスタムしているんですか?

  • トヨタ・86のお切り入りのマフラー

ルームランプがほわ〜んとした優しい光だったので、LEDのパキッと灯してくれるランプに変えたのが最初でした。

それで終わりにしようと思っていたのに、Revier LEDサイドマーカー、Tom's LED テールレンズとどんどん変えていってしまったんです。

で、ライト系が一通り終わったあたりで、あるショップでコンプリートカーに付いているマフラーに魅了されてしまいまして……。

バンパーを換えないと付かないマフラーだったんですが、諦めきれずKUHLレーシング 01R-GT ver3フルエアロキットと一緒にマフラーを装着したんです。

ちょっとヤンチャに見えるんだけど、法規はしっかりと守っているというのがKUHLレーシングのカッコいいポイントなんです。

――松本さん…、どんどん沼っていっているじゃないですか……

あはは(笑)!そうなんですよ!ここら辺りまでは、まだ息子も乗ってくれていたんですよね〜。

マフラーを替えたんだからウイングを付けちゃおうか!なんて話して、2人でショップに見に行ったんですから。

――じゃあ、いつから乗らないようになったのですか?

  • トヨタ・86のグラインダータトゥーを入れたボンネット

過給機を付けたりボンネットに、グラインダータトゥーを入れたあたりからですかね。

素地の板金にグラインダーという工具で跡を付けて、そこにキャンディーレッドというクリアを何層かで塗り、仕上げに黒のゴーストブラックと言う塗料を入れてもらうという塗装です。

これをやると跡をつけた箇所が浮き出てくるように輝くんですよ。何層にも分けて塗装してあるから、奥行きのあるように見えるというカスタムなんです。

仕上がりは大満足だったんですけど、息子はぶつけたくないからと乗らなくなってしまいました(笑)。

――きっと息子さんは、86は松本さんの思うがままにしてあげた方が良いと思ったのではないでしょうか?

それはどうか分かりませんが、シルビアに乗っていた頃の「クルマって楽しい!」
という気持ちを86は取り戻させてくれました。

実は、子育ても終わって、これから自分はどういう人生を送っていくのかな?と途方に暮れていた時に86が僕の元に来てくれたんです。

86に乗っていると、「あぁ!生きててよかった!これで人生を楽しく終われる!」と、大袈裟じゃなく本当に思うんです。人生の楽しみ方を見つけた、という感じですかね。だから、僕はこれからも、86と色々な所に行きます。

  • トヨタ・86と鳥居

そう話してくれた松本さんは、先月も距離は気にせず、気の向くまま遠方へとドライブに行ってきたのだとか。

最後に86は松本さんにとってどんな存在か聞くと、「これからの人生を豊かにしてくれる大切な相棒という存在です」と自信満々に答えてくれました。

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寿限無さん

(文:矢田部明子)