スズキ ジムニー(JB23)に乗り替えて気付いた「等身大の自分」
北海道という雪国に生まれたOkabeさんは生粋のオフローダー好き。これまでに数々のクルマに乗り、現在乗っているのはJB23型のジムニー。
そして、ジムニーに乗り替えたことで自分の未熟さにも気づいたということですが、どういうことなのでしょうか。
今回は、Okabeさん×ジムニーのお話です。
――これまではどんなクルマに乗ってきましたか?
21歳のころ、見た目が好みという理由でミニクーパーに乗っていました。
でも北海道は降雪量が多く、悪路でも問題なく運転できるクルマが良いと思い始めたときに、78系のランドクルーザー プラドと出会い乗り替えました。6年間ほど乗っていたと思います。
その後は150系プラドに乗り替えましたが、すぐに今のジムニーにしました。
――150プラドは1年という短期間で、なぜ乗り替えたのですか?
正直いうと経済面が理由です……。
結婚していて、プラドに乗っていた当時、2人目の子供が生まれるタイミングでした。燃費が悪いというのもあり維持費も高く、妻と相談して維持費があまりかからないジムニーに乗り替えることにしました。
もう、「泣く泣く乗り替える」という感じでしたね。
――泣く泣くということは、プラドに乗り続けたかったってことですね……
はい、見た目から何まで好みでした。カスタムもして気に入って乗っていたので、思い入れが強く、別れがかなり辛かったです。
ジムニーへの乗り替えは、自分の中で“妥協して乗り替える”というのもあったと思います。
――それから今のジムニーJB23と出会ったんですね。そもそも何故ジムニーにしようと決めたんですか?
お財布に優しく、悪路も走破でき、金銭的にも手の届く軽自動車を探していました。ネットで調べているうちに、カスタムも豊富でオフロードも問題無さそうなジムニーが欲しいと思うようになったんです。
ジムニーを取り扱うお店へ見に行ったとき、ブラックネイビーのJB23がありました。見た瞬間に「コイツ、カスタムしたら絶対かっこ良くなる!」と気に入ったんです。
――正直ジムニーも悪くなかったという感じですか?
そうですね。お店に見に行ったときに、完全なブラックではなくネイビーがかったカラーがカッコいい!と気に入りました。
さらに見た目でいうと、小ぶりなボディなのにリフトアップしているアンバランスな姿が、とても愛らしかったのを覚えています。自分の好みにカスタムできる!と確信した瞬間でした。
――それでジムニーに決めたわけですね。ジムニーに決めてから納車されるまではどう過ごしましたか?
ジムニーに施したい大体のカスタムイメージが購入前からあったので、どうカスタムすればイメージ通りになるかを考えていました。
中古車だったので元々車検対応のリフトアップがしてあって、そこを残しつつ純正のマフラーを太いマフラーに変えてもらい、シュノーケル、ルーフキャリアをつけてもらいました。あとはヘッドランプとテールランプをLEDにしました。
納車日まで何度もクルマを見に行くくらい、とにかく納車が楽しみで仕方なかったです。思い通りにカスタムが出来上がっていく姿には感動しました。
――カスタムも思い通りにできたんですね!ところで、初のジムニーで最初はどこへドライブに行きましたか?
函館にある立待岬へドライブに行きました。納車後初の運転でしたが、リフトアップしているので視界も良かったですし、ターボ付きでスピードも出るので満足のいくものでした。
その日、雨がけっこう降っていたんですけど、関係なく外に出てジムニーの写真をパシャパシャ撮っていました。雨なんて気にならないくらい、夢中でした(笑)。
――プラドからジムニーに乗り替えて、友人や周りの反応はいかがでしたか?
「プラドはどうしたの!?」とビックリする人が多かったですね。150プラドは乗っている期間が1年2ヶ月という短い期間だったので、早々の乗り替えに驚いていたのだと思います。
――当時、プラドに未練があったOkabeさん的にジムニーに乗り替えて良かったと感じたことはありますか?
正直プラドに比べて劣る点はあったんですけど、ジムニーの方が小回りがきくし、見た目も十分カッコ良いっていう点で満足していました!
それと、プラドに乗っていた時の自分の“未熟さ”に気付いたというのもあります。
――「未熟さに気づいた」ってどういうことですか?
プラドって車体が大きいので、運転しているとき、守られている感じがしていたんです。ちょっと自分が強くなったと錯覚する感じというか。
「プラド乗ってるんだぜ!すごいだろ!」みたいなのも思ってました(笑)。虚勢を張っていたのだと思います。本当の自分を隠す感じというか。
ジムニーに乗り替えた今、経済的・精神的な意味でも「プラドは身の丈に合っていなかった」と、あくまでも憧れだったってことに気づいたんです。
一方ジムニーの場合、自分と対等の位置にジムニーがいて、一緒に運転していくっていう“二人三脚”的な感覚に近い感じがします。運転していて落ち着くんですよね。
――ジムニーが気付きを与えてくれたんですね。ちなみにプラドにまた乗りたいという気持ちはありますか?
将来的にプラドに乗りたいと思ってはいますが、そのときはちゃんと成熟した大人になっていたいです。
今の成長すべき段階の自分にとってはジムニーが一番最高の相棒だと思っています。プラドには、20年後30年後にまた乗れたらいいな程度に思っています。
――ジムニーに大変満足していらっしゃるOkabeさんにとって、ジムニーはどんな存在になりましたか?
今ではすっかり相棒であり、自分の秘密基地的存在でもあります。納車からけっこう経ちますが、未だに見惚れちゃうぐらいです(笑)。
あとは20分くらいの通勤中、オフからオンに(逆も然りで)切り替えられる空間なんです。もう、なくてはならない存在です。正に自分がカスタムした自分だけの「秘密基地」って感じですかね。
最初は妥協でジムニーに乗り替えたつもりが、いまではその魅力に満足していると語るOkabeさん。誰しも若いころに憧れに手を伸ばして、そこから気付きを得る瞬間はあると思います。
ランクルは身の丈に合っていなかったと語るOkabeさんのジムニーを語る姿は、(無我夢中という感じで)キラキラ輝いていました。
もちろん、“ジムニーの魅力”はジムニー乗りの人しか感じることのできないものではありますが、それでもお話を聞いていく中でその魅力が垣間見えたような気がします。
今後もジムニーとのカーライフを楽しんでください!
(文:秦悠陽)
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