33歳の僕が、日産 プレジデントを愛車に迎えた。それは、楽しいカーライフの始まり
「クルマってカッコいいな〜。まぁでも、見てるだけでいいや。そこまで買いたいとは思わないな〜」が、正直なところだったと話してくれた「石﨑さん」。
そんな石﨑さんが乗っているのは、プレジデント・ソブリンVIP。そして、その前の愛車はブルーバードシルフィFG10だったということです。なぜ旧車ライフを満喫するようになったのかを伺ってきました。
今回は、石﨑さん×プレジデント のお話をお届けします。
―――もともとクルマ好きではなかったのですね。
嫌いというわけでもなかったんですけど、所有して運転するという気持ちはなかったです。
―――なのに、旧車に乗ろうと思ったのはなぜですか?
免許を取って、母親のステージアを運転するようになってからです。そのクルマの走行距離が伸びて買い替える時に、もう少し扱いやすいクルマはないかな?と探して、ブルーバードシルフィを購入したことで更にどっぷりハマりました。
―――新車にはいかなかったんですね。
そうですね。教習車仕様のブルーバードシルフィに乗る機会があったのが大きいですね。当然、私が買ったブルーバードシルフィには、助手席足下にあるような教官用補助ブレーキ、アウトサイドミラー、後方視界を確認する教官用ルームミラーなどの教習用装備は付いていませんが。
でも教習車に使われるくらいだから、小回りもある程度効いて良かったんです。それに、フロントマスクのグリルの形状が縦線型のデザインであったのと流線型のクルマのフォルムも好きでした。
で、これが初めて自分のお金で購入したクルマだったんです。そうすると不思議なもので、すごくすごく愛着が湧いたんですよ。この気持ちをなんて表現すればいいのか……。とにかく好きなんです。
―――あはは(笑)。大丈夫です!充分伝わってきますから!
なら良かったです!そこから日産車が好きになり、画像検索をかけていくとプレジデントのキャデラックのような顔つきがカッコいいなと思うようになりました。それで、2020年に愛車として迎え入れたというわけです。
―――そこでも新車ではなく、旧車を選んだのですね。
旧車だから良いというわけではなくて、フロントからリアにかけて水平基調のボディ、メッキのバンパーと角目のヘッドライトや、大きめのテールランプ、押し出しのあるフロントマスクと、それに負けないリアの威圧感が気に入ったからです。
なのに、内装は落ち着いた感じで、グレードによっては本革が使われていて、シートがモケットで肌触りが良いというこだわりの詰まったクルマで…、率直に言うと、お金をかけて作っているなぁと(笑)。
―――なるほど(笑)。最近、旧車を取材することが多いのですが、その当時ならではの機能も面白いなと感じます。
分かります!僕は33歳なんですけど、親のクルマにはこんな機能付いていなかったぞ!?という面白いものが沢山あります。映像は映らず、テレビの音だけ
拾うチューナーだったり、三角窓という窓があったりするんですよ。
―――ほうほう。それは興味深いですね。
AピラーとCピラーをなぞるように、三角の窓が付いているんです。上下に開閉するのではなく、縦軸に三角窓が回転して風が入る隙間が出来るといった機構になっています。当時は、車内でタバコを吸った時にモクモクならないように開けていたようですよ。
びっくりしたのは、生産されたのは35年前なのに、速度を一定に保つ“クルーズコントロール”のような機能があったことです。
ここから年月をかけて、現代の新型車に搭載されているような精度の高いものに変化していったんだなと感慨深かったです。
―――クルーズコントロールって、そんなにも前からあったんですね。
はい。クルマの歴史や、時代の移り変わりが伝わってくるのは年代物のクルマならではで、これも旧車の面白さだと思っているんです。それと、色々想像しながら運転出来るところもです。
―――例えば?
このクルマは自分が運転を楽しむというよりも、後ろに偉い人を乗せて走るクルマだったんです。だから、後ろには一体どんな人が乗っていたのかな?とかね♪
ほかには、運転手さんは後ろに乗せたお客さんに気を遣っただろうなとか、ボンネットと同じくらいトランクの長さがあるからバックの時は大変で、左も右も曲がる時に神経を使ったに違いないとかですかね。
―――確かに。それは面白い。
でしょ?それに、自分のお気に入りのクルマに乗っていると、満足感も得られますしね。
ただ、僕が思うのは……、新車には新車の、旧車には旧車の楽しみ方があるから、自分に合った愛車に乗ることが最高のカーライフだと思っています。楽しめれば良いんです!
プレジデントに乗ったからこそ、出会えた人達が沢山いるとも話してくれた石﨑さん。プレジデントに乗る運転手さんは、代々こうしてまたどこかの道を走っていくのでしょう。
(文:矢田部明子)
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