トヨタ クラウン(5代目)との出会いは必然!? クラシックカー育ちのイマドキ女子が知ったクルマの楽しさ
もともとクルマにはそこまで興味がなかったというやまださん。ですが、大学生の時に免許を取り初めてのクルマを探しているときに出会ったのがトヨタ クラウン(5代目)。
デビューから40年以上が経つ旧車でしたが、そのレトロさに一目惚れ。所有して5年が経つ今ではクルマの楽しさを知り、充実した毎日を過ごしているそうです。
そんな、やまださん×クラウンのお話です。
――ずいぶんと昔のクラウンに乗られているということですが、これまではどんなクルマに?
実はこれが初めてのクルマなんですよ(笑)。
――初めてで5代目クラウン!? すごいチョイスをしましたね!もともとこういうクラシックなクルマがお好きだったんですか?
いや、実はそういうわけでもなく(笑)。レトロな物はもともと好きなところがあって、最初に乗っていたオフロードバイクもレトロなデザインのものを選んでいたんですが、当時はクルマにそこまで興味がありませんでした。
免許を取るのが周りの人よりも遅くて20歳のころに取得したんですが、「免許を取ったのでクルマ欲しいな~」くらいのノリで探して、このクルマにしたって感じだったんです。
――5代目のクラウンというと中古車市場でも最近はあまり見かけなくなってきたと思いますが……マイカー探しで最初はどんなことを意識されたんですか?
もともと私の父が旧車好きで、シトロエンの2CVっていうクルマにずっと乗っているんですよね。それが我が家のファミリーカーでずっと使っていたので、私の中で旧車だからっていう抵抗があまりなかったんですよ。
単純に好みで探したらクラウンだったって感じです。
私の周りは割とクルマ好きな子が多くて、彼らが乗っているクルマを見ているうちになんとなく四角い感じのデザインのクルマがいいなということでいくつか検索していたら、クラウンがヒットしたんです。
もちろんそれひとつに絞らないで他のクルマも候補ということでキープしていたら……後から見ると、それが全部クラウンだったんです(笑)。
――やまださんのツボを刺激してくれたのがくしくもクラウンだったんですね(笑)。では、今のクラウンに出会えたキッカケは?
このクラウンは長野県の中古車屋さんで販売されていたんです。私の自宅からは遠かったんですが、気になったので父とお店に見に行ったんです。
その場で「これしかない!」って思って。ただ、その場では決めずに一度自宅に戻って考えたんですが、「やっぱりこのクラウンじゃなきゃ!」という感じですぐに連絡して決めました。
――初めての愛車が中古車でかつ旧車ということでいろいろ不安はあったと思いますが、購入する際に安心できたポイントはありますか?
ネットで見ると古いクルマって壊れやすいというのを見ていたので、どうだろうとは思っていたんですが、このクラウンはすぐに乗り出せるというくらいにキレイに仕上がっていて、試乗しても安心感があったんです。
お店もクラウンの専門店という感じで知識も豊富で、いざとなったらここで直してもらえるなと思えたのも安心できた要因でした。
――予算などの条件は満たしていた感じでしょうか?
私としては150万円くらいの予算で買えればいいなと思っていたんですが、このクルマは120万円くらいだったし、走行距離も44年経つクルマなのに11万キロしか走っていないし。自分の条件通りで買えてよかったなと思いました。
ただ、まさか今まで貯めていたバイト代を使ってこんなに旧いクルマを買うとは思わなかったですけどね(笑)。
――今までで一番の大きな買い物になったと思いますが、納車の日はもうドキドキしたんじゃないでしょうか?
ドキドキでしたね。今のところ一番大きな買い物になったこともあるし、買った時はとにかくこのクラウンの雰囲気が好きで。最初のころは運転するわけでもないのに運転席に座るだけで気持ちが満たされていました(笑)。
――初めて買ったクルマが5代目クラウンとなると、周りの反響もすごそうですね
みんなビックリしていました(笑)。周りの友達はスポーツカーに乗ることが多かったのに、メチャメチャ古いクラウンを私が買ったからみんなから「見せて!」という感じで。
外からマジマジと見たり、インテリアを見て「旧車ってこうなっているんだ!」って驚いたり。そういうのを見るのも嬉しかったです。
――最初のドライブも印象に残りそうですね
私が免許を取ってすぐに乗ったのが父の2CVだったので全然違いますよね(笑)。左ハンドルの重ステのクルマから右ハンドルのパワステのクルマに変わるので、2CVと比べるとむしろ乗りやすいなって。
長野のお店から自走で自宅まで帰ってくるので高速道路もいきなり走ったんですが、走ることは快調でした。
ただ、今まで乗ったクルマと比べると縦に長いから、ぶつけないかが心配になることが多かったんですよね。だから駐車するときとかは毎回窓を開けて確認しながらバックしています。納車から1年くらいはずっとそんな感じでした(笑)。
――このクルマを手にしてからってお出かけの頻度は変わりましたか?
変わりましたね。都内在住なのでクルマの必要性はそこまで高くないのですけど、このクルマを買ってからは乗っているだけで楽しいから、目的地を1つだけ決めてゆっくりドライブして、ボーっとクルマを眺めて帰るみたいな過ごし方が増えました。
――よく行くドライブスポットはありますか?
相模湖のあたりにはよく行きます。道中の運転ももちろん楽しいんですが、目的地に着いてから景色のいいところにこのクルマを停めて写真を撮ったり、眺めたりするので癒されていました。
――駐車場にこのクルマがあったら目立ちそうですね(笑)
目立ちましたね(笑)。コンビニに行ったり、ガソリンスタンドで給油していたりすると年配の方から「懐かしいのに乗っているね」みたいな感じで話しかけられることは増えました。
――やまださん自身、「クルマにさほど興味なかった」ということでしたが、今ではだいぶ知識も得たのではないでしょうか?
このクルマを買って今年で5年目になるんですが、先日初めてクルマのイベントに参加したんです。SNSで話を聞いてはいたんですが、私もそうしたコミュニティとの交流をしたいなという思いが芽生えてきて。
――初めて参加してみていかがでしたか?
今年の春に同じ5代目クラウンに乗られているオーナーさんと知り合って、その方が参加される新潟のイベントに出たんです。もともと長距離の運転は苦ではないので行ってみようと思って。
参加してみると、今までは自分のクルマ以外で似たタイプのクルマを見たことがなかったので「世の中にはこんなに乗っている人がいるんだ」というので驚きました。
しかも同じクルマのオーナー同士で話が弾んで「お話を聞いているだけでもこんなに楽しいんだ」って。とても有意義なイベントとなりましたし、一番印象深い思い出です。
――こういうイベントに出るとカスタム欲が芽生えたりしませんでしたか?
それ以降もイベントに参加して、クルマを見ていてカスタム例を知ったのですが……最近、カスタムするのもいいかなという気持ちはでてきました(笑)。
ただ、私の中では「現状維持」がモットーだったんで、あまり派手にいじることは考えていないんですけどね。どちらかというとこれまでは修理ばかりだったので……。
――所有されてからの5年間で、故障等はどうでしたか?
幸い、自走できないレベルの大きなものはないんです。
悪くなってきた部品を定期的に交換してはいたんですが、今年の夏にとうとう調子が悪くなったので購入した長野のお店に診てもらって、2ヵ月くらい車庫に入っていたんです。最近やっと帰ってきてくれて。
――細かな部品の交換が続いたり、修理などが増えたりするとネガティブな感情を持ってしまうのかなとも思ったのですが、いかがでしょうか?
実は全くそういう感情にならないんですよ。旧車なので壊れることは覚悟していたし、たとえ壊れても乗っているときの楽しさを考えるとその方が上回りますし。むしろ故障してから直すと愛着が増すんですよ。
きっと、父が2CVを日ごろから直しながら乗っていたのを間近で見ていたから、特に気にしなかったのかもしれないです。ちなみにその2CV、今でも健在で私がクラウンを買いに行くときも父が運転して長野まで行ったんですよ(笑)。
――ちなみにクラウン買う時のお父さんの反応ってどうでしたか?
実は長野のお店を見つけてくれたのも父なんですよ。その時から娘がクルマに興味を持っているというのが嬉しかったみたいで、いろいろ手伝ってくれて。私は三人きょうだいの末っ子ですが、姉も兄もクルマやバイクなど、父の趣味に興味を示さなかったんですよ。
だから、私だけが興味を示したからうれしく思ってくれたのかもしれないですね(笑)。
――そんなクラウンで、やまださんが特に気に入っているのはどこでしょうか?
外装の横から見た形も好きなんですが、一番好きなのは運転席のインパネ。ウッディーなパネルが特にお気に入りなんです。実車を見に行った時からここが一番好きなんですよ。
もともとCDが聴けるようになってはいるんですが、トランスミッターを利用してスマホからも音楽を聴けるようになっているので、車中では森高千里さんとかをよく聴きながらドライブしています(笑)。
――では、そんな5代目クラウンって、やまださんにとってはどんな存在ですか?
みなさんは「相棒」「家族」みたいに答えていると思いますが、私にとっては「先輩」ですね。私よりも先に世の中に出ているし、クルマに興味のなかった私にこのクラウンがクルマの楽しさや走る喜びを教えてくれているという意味でも、「先輩」っていうのがしっくりハマるかなって気がします。
【Instagram】
やまださん
(文:福嶌弘)
[ガズー編集部]
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