憧れを現実に! 20年前の“忘れ物”ホンダ NSXと歩む幸せなカーライフ
TORAさんにとっての“夢のクルマ”は高校時代に一目ぼれしたというホンダ NSX。それをキッカケにスポーツカーが好きになったそうですが、結婚、子育てというライフスタイルの変化で憧れのクルマにはなかなか手が出せなかったと言います。
10年前、子育てが一段落したというところで夢のクルマを手にすると、そこには人生をさらに豊かにする出来事がたくさん待っていたそうです。そんな、TORAさん×NSXのお話です。
――TORAさんは現在、NSXを所有しているということですが、これまではどんなクルマに乗られてきましたか?
独身の頃はフェアレディZ(Z32)に乗っていました。結婚してからはスポーツカーから離れてミニバンになり、子供たちが大きくなったのでまたスポーツカーに乗りたいなということで今のNSXを購入しました。
――子育ても一段落して、再びスポーツカーに乗りたいということでNSXに?
そうですね……NSXにずっと憧れていたんです。高校2年生のときに街中で見た黒いNSXが「カッコイイな」と印象に残っていて。その時は、まったくクルマに興味がなかったんですが、なぜかそのNSXには惹かれて見えなくなるまで目で追っていたんですよね。
当時はクルマの名前も知らなくて、後になってからその黒いクルマがNSXだと知ったんですけどね(笑)。
同時にすごいクルマなんだということで憧れも出てきて…。当時は手が届かなかったんですが、今なら条件的にもイケるかな?と思い、購入しました。
あと結婚するとき、当時欲しかったスカイラインGT-R(R32)の購入資金を結婚資金に充てた代わりに「将来はNSXを買わせてね」と妻に冗談で話していたのを思い出したんですよね(笑)。
――中古車としての購入かと思いますが、どんな条件で探していましたか?
予算は500万円以内で考えていました。そのころは私と娘・息子の3人の父子家庭だったので、子供との生活を最優先で考えて中長期で収支計画を立て、実際にNSXの購入が可能かシミュレーションしました。
中古車サイトを調べていると、自分の条件に合ったNSXが出品されていたので、その週の内に出品先である東京の中古車販売店まで現車を確認しに行きました。
――見に行かれたクルマが現在の愛車だと思いますが、決め手は何でしたか?
そのNSXはベースグレードの5MTでボディカラーは赤でした。吸排気、足回り、コンピュータ、両席バケットシートに駆動系など、かなりチューニングされていたものの、歴代オーナー様の愛情を感じとれて大切にされていた個体だなと一目見ただけでも分かったので、これにしようと決めました
「中古車の良い個体は、ナマモノと同じですぐに売れてしまう」と思っていましたし、予算内で購入できたので買えた時は嬉しかったですね。
プライベートでも色々な変化があり、自分自身の人生にも自問自答していた頃だったので、このNSXに賭けてみたって感じです(笑)。
――自分のクルマとしてNSXを乗ってみての第一印象はどうでしたか?
実は購入する前に乗ったことがあるんですよ。というのも昔ホンダのディーラーからNSXの試乗会に誘われたことがあって。
初めて乗ってみて感じたのは、とにかく着座位置が低いなということでした(笑)。路面に直接置いたシートに座って運転している感じでしたね。
あとエンジンが後ろにあるので、後方からエンジンサウンドが聴こえてくるのも痺れました。試乗車なのでVTECまで入れられませんでしたが、言葉では表せないNSXという存在感を身体で感じました。
だから、いざ自分のクルマとしてNSXに乗った時はそこまでの衝撃はなかったんですよね。一度乗ったことがあるからか、予測が付いちゃったのかもしれないですね。
ただ、憧れのクルマが手に入ったという嬉しさの方が勝っちゃいました。
――憧れのクルマに乗れる嬉しさで、お出かけの頻度って増えましたか?
基本的に休みの日のドライブや仲間とのロングツーリングがメインですが、回数は増えましたね。
通勤用のクルマも別にありますが、走行距離はNSXの方が全然多いです(笑)。
よく行くのは近場の道の駅ですね。幹線道路で信号もそれなりにあるので、ドライブするにはちょうどいいコースなんですよね。
――所有されて10年、その間にカスタムを施されているということですが……その経緯とは?
最初に購入した時はベースグレードで、所有できたことが嬉しくてそれで良かったんですが、だんだん上級グレードのRに憧れるようになったんです。
幸いにも故障なく過ごせていたんですが、ボディカラーの劣化が目立つようになって、洗車キズも増えてきたので、思い切って塗装をし直そうと思ったのがキッカケですね。
02Rと同じ固定のヘッドライトに替えて、ボディカラーもチャンピオンシップホワイトへオールペンしました。
せっかく大きくカスタムするのだから、とことんやろう!ということでインテリアも全部替えちゃいました。
02Rそのものを買うのは高額だし、手に入れたとしても今となっては国宝級の車ですから…。それならベースグレードを02Rコンセプト風にモディファイして乗り回す方が、気兼ねなく楽しめるかなと思ってます。
――SNSを見るとオフ会やミーティングに参加されているようですが、もともと興味はあったんですか?
そこまで頻繁には参加していないんですが、僕が開設しているYouTubeチャンネルの登録者さんから「NSXは憧れのクルマです」などのコメントをたくさんいただいて、YouTubeの企画の中で「NSX乗り比べ」という企画をやってみたんです。SNSにあるのはその一部かなと思います。
私も色々なクルマとの乗り比べができて楽しませてもらってますし、参加された皆さんにもNSXを試乗できて満足しました、という感想をいただいてます。
よく「VTECがすごい」という感想をいただきますね。この企画動画はYouTubeに都度公開しているので見てもらえると嬉しいです。
――今更になってしまいますが、TORAさんが思うNSXの魅力とは?
NSXの楽しさは官能的なVTECもそうですが……ミッドシップ特有のハンドリングにあると思います。サーキットでなくともステアリングを握っているだけで幸せを感じるほどです。
お気に入りといえば、写真でわかるところだと02R純正のスピードメーターですかね。
02Rのメーターって今は廃盤になっているんですが、それをギリギリセーフで廃盤になる前に手に入れて取り付けたことですね。ぜひ見てもらいたいです。
実は息子もクルマが好きで、将来は息子に譲るつもりなので、しっかり整備をしておいてあげようと思いで、いろいろとお金をかけているというのもあるかもしれません(笑)。
――親子2代でクルマが好きってステキですね。
娘も息子も2人とも車は好きですね。息子は今、シビックタイプR(FD2)に乗っていますが……もうNSXをもらう気満々ですね(笑)。僕と同じくバイクも好きだしモータースポーツが好きな子に育ってくれました。
――ではこのNSXの今後の予定は?
6速MTへの載せ替えとエンジンのO/Hは予定してますが、それ以外は特に大きな変化はなく、良好状態を維持できるように細かな整備を続けていくことですね。定年後もしばらくNSXを楽しんで、運転できるまでの適正年齢を見極めて引退したいです。
――では、NSXはTORAさんにとってはどんな存在ですか?
私の一生涯を豊かなものに変えてくれたパートナーでもあり恩人ですね。高校のころから憧れていたクルマを手に入れたことで、私の人生が豊かになったかなって思ってます。
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