移動そのものが、遊びの時間に変わる。GR86が繋いでくれた人とのご縁

  • トヨタ GR86

    トヨタ GR86

S13シルビア、33GT-R、C4コルベット、レクサスIS-Fなど、色々なクルマを乗り継いできたという「まっつんさん」。そんなまっつんさんがクルマ好きになったのは、高校時代にお世話になっていた年上の先輩がドリフトをしていたことがきっかけだそうです。

白い煙やゴムの焼ける匂いが五感を刺激し、心のフィルターに深く刻まれたと語ってくれました。現在の愛車であるGR86とは、どんなカーライフを送っているのでしょうか?

今回は、まっつんさん×GR86 のお話をお届けします。

―――最初の愛車は何だったのですか?

高校3年生の時に、先輩からもらったマニュアルでNAのS13シルビアです。

今じゃ考えられないかもしれないですけど、当時は旧車ブームじゃなかったから、「もう捨てるから欲しかったらあげるよ」くらいのクルマだったんです。

僕の実家は千葉の田舎の方で、若い子が遊ぶ所も少なかったから、18歳で免許をとってから、クルマが遊びみたいな感じでした。それは僕に限ったことではなく、周りの友達もみんなそうでしたね。

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―――どんな遊びをしていらっしゃったのですか?

海沿いをドライブとか、クルマ好きのみんなで集まって他愛もない話をして…という別に普通のことです(笑)。だけど、電車やバスで行けない場所まで運転して行って、そこで集まるというのが良かったんですよ。

あとは、カスタムですね。エアロを付けたり、足回りをいじるだけでクルマの雰囲気がガラッと変わるのが楽しくて、当時からDIYで色んなことをしていました。

―――現在の愛車であるGR86にも、色々手を加えてらっしゃいますもんね。

はい。とくに、ホイールは自分でも馬鹿なんじゃないかと思うくらい履き替えて、今でも5セット持っています(笑)。

クルマを購入してからざっと2年になりますが、今までにWeds SA99R、RAYS TE37 SAGA SL、RAYS 57CR、Weds SA75R、ENKEI RSM9など、ざっと10モデルを試しました。

―――なんか、文字にしたら呪文みたいになりそう……。

あはは(笑)!確かに! よくやるよな〜って自分でも思いますもん。

ホイールのほかにはサーキット走行もするので、ダンパーはHIPER MAX Rのバネレートをさらに上げて取り付けたり、マフラーにはHKS「ハイパワースペックLⅡ for CUP」を取り付けたりしています。

これはパワーアップ向上と純正比8.4kgの軽量化ができる1本出しマフラーで非常におすすめです。

―――ホイールにしろマフラーにしろ、自分で施工されるのですか? ショップに頼むと工賃がとんでもないことになりそうだなと……。

自分でできる範囲の作業は自分でやっています。というか、そういう作業を自分でやるのも好きなんですよ。カスタム済みのクルマもいいけど、そこに辿り着くまでの工程が長いほど思い入れが強くなるというか。

18歳〜22歳くらいのあいだに乗っていたS13や33Rも、サスペンションやデフ、ミッション交換などは自分でやっていました。高校生の頃にはS13と180SXを所有していたので、一晩かけて両車の前周りをごそっと入れ替えて、ワンビアとシルエイティを作ったのも楽しかった思い出です。

―――クルマ関係のお仕事に就かれたのですか?

いえ、編集者です。通った高校も普通科で、専門学校はIT系でした。バイクの免許を取ったあと、キャブのセッティングやピストンやシリンダーの交換、ギア比の変更など、ここをいじれば速くなるんじゃないか?と自分で試しながら独学で知識を身につけていった感じですね。

子供の頃からプラモデルやラジコンが好きで、自分でやることに難しそう、などの抵抗はなかったんです。

いつしか、周りの仲間に僕がバイクをいじれるという噂が広まり、俺のもやってよ!と頼まれるように……。高校生のころ、家には常に作業待ちのバイクが4台くらい置いてありました。

だから、親は自分が何をやっているのか疑問だったんじゃないでしょうか?細かく聞かれた記憶はないですけどね(笑)。

―――もはや、ショップじゃないですか(笑)!てっきり整備士さんなのかと思っておりました。

いやいや、素人です。ただ、大手カー用品店でアルバイトをしたり、中古車販売店で店長を務めたりしたことはありましたけどね。だからスポーツカーだけではなく、MPV、ファンカーゴ、レガシィツーリングワゴン、CX-8なども乗りましたよ。

GR86に乗るまでも、数えてみると18台くらい乗り換えていて、本当に沢山の車種に乗ることが出来ました。

―――そんなまっつんさんが、GR86を選んだ理由は何ですか?

結婚してから家族のことを考えて、しばらくはミニバンとかSUVに乗っていたんです。だけど、どうしてももう一度スポーツカーに乗りたくて。

日常使いも出来て、サーキットも走行も可能で、乗ろうと思えば4人乗れるGR86を増車という形で購入しました。こういった理由で選んだのですが、買ってよかったと思うことが沢山ありました。

―――例えば?

人気車種だからカスタムパーツの種類が豊富なことですね。ちなみにこのクルマって、足周りやマフラー、シートなど、前型から流用できるパーツが意外と多いんです。

前型をゴリゴリにカスタムしていた人は、新型に乗り換えてパーツを移植している方も結構いますよ。思い入れのあるパーツを新型に装着できるというのは、オーナーからしたらとても有難いです。

あとは、車両価格が近年のスポーツカーの中ではお手頃だから、幅広い年齢層の方が乗っているということですかね。

―――あっ!分かる気がします。後輩達の間で流行っている化粧品と、先輩方がオススメしてくるものって違いますもんね。だから、色々な刺激を受けます。

そんな感じです。こういういじり方って面白いよな〜とか、参考になることも沢山ありますよ。

―――確かに。最後に質問なのですが、まっつんさんにとってGR86はどんな存在ですか?

移動そのものを、遊びの時間に変えてくれる存在です。運転自体が楽しい、カスタムが楽しい、そして何よりも人との交流を増やしてくれるクルマですね。

GR86のおかげで、僕の人生はより豊かになっていると感じます。所有して3年目に入りましたが、今年も仲間と交流して、サーキットをガンガン走りたいと思います!

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快適機能が多く搭載されている、維持費が安い、居住性が良いなど、そういったことだけが“良いクルマ”の定義ではないと話す まっつんさん。

“良いクルマ”とは、「自分の人生をより豊かにしてくれるクルマ」とのことでした。

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まっつんさん

(文:矢田部明子)